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ストーカー女のストーカー
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◯キモいですよ◯ Sight : ストーカー
あの邪魔者に脅迫状を送ってから、一週間が経った。
僕は変わらず、カフェ店でいつも通りの席に着き、コーヒーを飲みながら、タブレットで今日のニュースを一読する。
どうやらあの邪魔者は、僕が送った脅迫状にビビって彼女のことを諦めたらしい。
前に彼女にあの邪魔者のことを聞いてみたら、「彼ですか彼氏じゃなくて友達ですよ。学校の行事のことで相談してたんですよ。同じ実行委員だったので」と特に隠しも恥ずかしげな顔もせず、教えてくれた。
本当にただの友達らしい。
だが彼女があの男に興味がなくても、男の方はそうとは限らない。そのため、学校ではその男はどんな感じなのか遠回しに聞くと、彼女は思い出すように教えてくれた。
「学校では特に目立たない人ですよ。一人でいることの方が多くて、たまに友達といるみたいな。私も時々話したり話しかけられたりしますけど、最近は避けられてるみたいに目も合わせてくれませんね」
ふん、ヘタレ野郎が。
僕は彼女からあの邪魔者の現状を聞いて、ニヤつきそうな顔を抑えるのに必死だった。
やはりあの邪魔者は、彼女のことを狙っていたのだ。
だが僕の忠告を素直に聞き入れたらしく、邪魔者は彼女を簡単に諦めた。
結局彼女に対する想いが、それだけだったということだ。
利口なことだ、そこだけは褒めてもいい。と僕は勝利の愉悦に浸っていた。
邪魔者はいなくなった、あとは僕が彼女を手に入れるだけだ。
「……今日は、いないのか」
カップに入ったコーヒーを飲み干して、僕は小さく呟いた。
カフェ店を見回しても、僕が待ち望む彼女は見当たらない。それだけを楽しみにしてここに来ているというのに、とても残念だ。
彼女がいないのであれば、ここにはもう用がない。
僕はレジでコーヒー一杯分のお金を払って店を出た。彼女という“癒し”を得ることができなかった僕は少々気落ちしながら店を出て、帰路に立った。
「うおっ!?」
「――あっ」
すると、うわの空だったせいか前に人がいたことに気付かず、誰かにぶつかってしまった。
「すいませんっ」
「すみません」
僕はすぐさまぶつかった相手に頭を下げて謝ると、相手も同じように謝ってきた。
顔をあげて相手をみると、ぶつかってしまったのは高校生ぐらいの女の子だった。
「大丈夫ですか? すいません、僕がボーとしていた所為で」
「いえ、大丈夫です。私もよそ見をしながら歩いていたのが悪かったので」
女の子はたれた長い黒髪を搔き上げながら、申し訳ないように言った。
「あの、道をお聞きしたいことがあるのですが、良いですか?」
「ええ、大丈夫ですよ」
僕は彼女に目的地を聞くと、その場所は先ほどまでいたカフェ店の近くにあるところだったため、特に迷うことなく簡単に、女の子にその場所の行き方を教えることができた。
女の子はお礼を言って、その目的地まで歩いて行く。
人にお礼を言われたのは久々で良いものだなと思い、無意識に感慨にふけってしまった。
そしてついさっきまで気落ちしていたことなど、僕はいつのまにやら忘れてしまっていた。
あの邪魔者に脅迫状を送ってから、一週間が経った。
僕は変わらず、カフェ店でいつも通りの席に着き、コーヒーを飲みながら、タブレットで今日のニュースを一読する。
どうやらあの邪魔者は、僕が送った脅迫状にビビって彼女のことを諦めたらしい。
前に彼女にあの邪魔者のことを聞いてみたら、「彼ですか彼氏じゃなくて友達ですよ。学校の行事のことで相談してたんですよ。同じ実行委員だったので」と特に隠しも恥ずかしげな顔もせず、教えてくれた。
本当にただの友達らしい。
だが彼女があの男に興味がなくても、男の方はそうとは限らない。そのため、学校ではその男はどんな感じなのか遠回しに聞くと、彼女は思い出すように教えてくれた。
「学校では特に目立たない人ですよ。一人でいることの方が多くて、たまに友達といるみたいな。私も時々話したり話しかけられたりしますけど、最近は避けられてるみたいに目も合わせてくれませんね」
ふん、ヘタレ野郎が。
僕は彼女からあの邪魔者の現状を聞いて、ニヤつきそうな顔を抑えるのに必死だった。
やはりあの邪魔者は、彼女のことを狙っていたのだ。
だが僕の忠告を素直に聞き入れたらしく、邪魔者は彼女を簡単に諦めた。
結局彼女に対する想いが、それだけだったということだ。
利口なことだ、そこだけは褒めてもいい。と僕は勝利の愉悦に浸っていた。
邪魔者はいなくなった、あとは僕が彼女を手に入れるだけだ。
「……今日は、いないのか」
カップに入ったコーヒーを飲み干して、僕は小さく呟いた。
カフェ店を見回しても、僕が待ち望む彼女は見当たらない。それだけを楽しみにしてここに来ているというのに、とても残念だ。
彼女がいないのであれば、ここにはもう用がない。
僕はレジでコーヒー一杯分のお金を払って店を出た。彼女という“癒し”を得ることができなかった僕は少々気落ちしながら店を出て、帰路に立った。
「うおっ!?」
「――あっ」
すると、うわの空だったせいか前に人がいたことに気付かず、誰かにぶつかってしまった。
「すいませんっ」
「すみません」
僕はすぐさまぶつかった相手に頭を下げて謝ると、相手も同じように謝ってきた。
顔をあげて相手をみると、ぶつかってしまったのは高校生ぐらいの女の子だった。
「大丈夫ですか? すいません、僕がボーとしていた所為で」
「いえ、大丈夫です。私もよそ見をしながら歩いていたのが悪かったので」
女の子はたれた長い黒髪を搔き上げながら、申し訳ないように言った。
「あの、道をお聞きしたいことがあるのですが、良いですか?」
「ええ、大丈夫ですよ」
僕は彼女に目的地を聞くと、その場所は先ほどまでいたカフェ店の近くにあるところだったため、特に迷うことなく簡単に、女の子にその場所の行き方を教えることができた。
女の子はお礼を言って、その目的地まで歩いて行く。
人にお礼を言われたのは久々で良いものだなと思い、無意識に感慨にふけってしまった。
そしてついさっきまで気落ちしていたことなど、僕はいつのまにやら忘れてしまっていた。
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