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陰女の秘密のご趣味
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初めて『隠れんぼ』をすることになった。じゃんけんで、見つける子と隠れる子で分かれることになり、私は隠れる子になった。
初めての『隠れんぼ』に心躍らせながら、私は隠れる場所を探し始める。
良いところが見つかった。人が少なくひっそりとしたところで、隠れるにはうってつけの場所。私はそこで身を縮めて隠れながら、見つける子達の様子を伺った。
時間が経つにつれて、他の隠れる子達が見つかっていく。そして見つかった子は、隠れる子から見つける子に変わっていき、どんどん見つける子の人数が増えていった。
数人の見つける子が、こちら側にやって来た。私は見つからないように、一層身を縮ませる。見つける子達の声と足音が、すぐ近くまで聞こえてきた。見つかる、と思った瞬間、昼休みの終わりを告げる放送が流れてきて、『隠れんぼ』が終了した。それを聞いた子供達が走って教室に戻って行き、さっきまで近くにあった声と足音が遠ざかっていく。私は誰にも見つかることなく、『隠れんぼ』を隠れきった。
でも、私の心に達成感のようなものは、何故か微塵も生まれてこなかった。
それから、何度か『隠れんぼ』をすることがあったのだが、私は一度も見つける子達に見つかることがなかった。そしてだんだんと、私の心には言いようのない虚しさが残っていった。
その日、私は『隠れんぼ』で隠れることをやめた。私は見つける子に見つけてもらえるように、見つかりやすい場所に隠れる。私ははやく見つからないかな、と見つけてもらうことを楽しみにした。
「みーっけ!」
「みつかっちゃったー」
他の隠れる子が見つける子に見つかった声が、かなり近い場所から聞こえてくる。
はやくはやく、と私は見つける子が待ち遠しい。私も早く、「みつかっちゃった」と言いたかった。
しかし、近くまで来た見つける子は他の場所を探しに行ったのか、私のところには来なかった。残念と思いながら、私は次を待つ。
しばらく待ってると、前と同じように見つける子達の声と足音が、近くまで聞こえてきた。確実に私のいるところを探しに来た様子だ。
私はワクワクドキドキしながら待つ。いっそ、自分から飛び出てしまいたいという気持ちを抑えて、私は待った。自分で出てしまったら、「みつかっちゃった」と言えないから。
そして、待ち望んだ瞬間がやって来た。見つける子達が数人が出てきて、私のいるところ、私の目の前にやって来たのだ。
「みーつけた!」
見つける子達の一人が、こちらを指差して言ってきた。
やっと見つけてもらえた。
私は歓喜に胸をいっぱいにし、体を震わせながら、待ち望んだ言葉を言おうとした。
「みっ――」
「みつかったーっ!!」
けれど、すぐ後ろから聞こえてきた大きな声にビックリして、言うことができなかった。
後ろを見ると、いつのまにか私と同じ隠れる子がそこにいた。
「ちくしょー」
見つかったことに悔しがる見つかった子。
しかし、私はその子に言いたかった言葉を取られたことが悔しかった。
私が言うところだったのに。
「じゃあ、これで終わりだな。おまえで最後だし」
……え?
私は、私の言葉を奪った子を恨めしく思いながら睨んでいると、見つける子の言葉に呆気にとられた。
「いぇーい、俺が一番だー!」
「つぎは鬼ごっこしよー!」
「いいよー」
そう言って、みんなが走り去って行く。
遠ざかって行くみんなの背中を、私は呆然と眺めていた。
「……待って、…………最後じゃ……ないよ……、私が…………いるよ。……ここに……いるよ」
私は涙を流しながら、訴えるようにみんなに言う。しかし、その声がみんなに届くことはなかった。
それから、私は元気な子達と遊ぶのをやめた。
初めての『隠れんぼ』に心躍らせながら、私は隠れる場所を探し始める。
良いところが見つかった。人が少なくひっそりとしたところで、隠れるにはうってつけの場所。私はそこで身を縮めて隠れながら、見つける子達の様子を伺った。
時間が経つにつれて、他の隠れる子達が見つかっていく。そして見つかった子は、隠れる子から見つける子に変わっていき、どんどん見つける子の人数が増えていった。
数人の見つける子が、こちら側にやって来た。私は見つからないように、一層身を縮ませる。見つける子達の声と足音が、すぐ近くまで聞こえてきた。見つかる、と思った瞬間、昼休みの終わりを告げる放送が流れてきて、『隠れんぼ』が終了した。それを聞いた子供達が走って教室に戻って行き、さっきまで近くにあった声と足音が遠ざかっていく。私は誰にも見つかることなく、『隠れんぼ』を隠れきった。
でも、私の心に達成感のようなものは、何故か微塵も生まれてこなかった。
それから、何度か『隠れんぼ』をすることがあったのだが、私は一度も見つける子達に見つかることがなかった。そしてだんだんと、私の心には言いようのない虚しさが残っていった。
その日、私は『隠れんぼ』で隠れることをやめた。私は見つける子に見つけてもらえるように、見つかりやすい場所に隠れる。私ははやく見つからないかな、と見つけてもらうことを楽しみにした。
「みーっけ!」
「みつかっちゃったー」
他の隠れる子が見つける子に見つかった声が、かなり近い場所から聞こえてくる。
はやくはやく、と私は見つける子が待ち遠しい。私も早く、「みつかっちゃった」と言いたかった。
しかし、近くまで来た見つける子は他の場所を探しに行ったのか、私のところには来なかった。残念と思いながら、私は次を待つ。
しばらく待ってると、前と同じように見つける子達の声と足音が、近くまで聞こえてきた。確実に私のいるところを探しに来た様子だ。
私はワクワクドキドキしながら待つ。いっそ、自分から飛び出てしまいたいという気持ちを抑えて、私は待った。自分で出てしまったら、「みつかっちゃった」と言えないから。
そして、待ち望んだ瞬間がやって来た。見つける子達が数人が出てきて、私のいるところ、私の目の前にやって来たのだ。
「みーつけた!」
見つける子達の一人が、こちらを指差して言ってきた。
やっと見つけてもらえた。
私は歓喜に胸をいっぱいにし、体を震わせながら、待ち望んだ言葉を言おうとした。
「みっ――」
「みつかったーっ!!」
けれど、すぐ後ろから聞こえてきた大きな声にビックリして、言うことができなかった。
後ろを見ると、いつのまにか私と同じ隠れる子がそこにいた。
「ちくしょー」
見つかったことに悔しがる見つかった子。
しかし、私はその子に言いたかった言葉を取られたことが悔しかった。
私が言うところだったのに。
「じゃあ、これで終わりだな。おまえで最後だし」
……え?
私は、私の言葉を奪った子を恨めしく思いながら睨んでいると、見つける子の言葉に呆気にとられた。
「いぇーい、俺が一番だー!」
「つぎは鬼ごっこしよー!」
「いいよー」
そう言って、みんなが走り去って行く。
遠ざかって行くみんなの背中を、私は呆然と眺めていた。
「……待って、…………最後じゃ……ないよ……、私が…………いるよ。……ここに……いるよ」
私は涙を流しながら、訴えるようにみんなに言う。しかし、その声がみんなに届くことはなかった。
それから、私は元気な子達と遊ぶのをやめた。
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