××男と異常女共

シイタ

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陰女の秘密のご趣味

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 私は何処にでもいる『影の薄い』子として生まれてきてもよかった。けれど、私は世間一般で言ういわゆる『影の薄い』子でもありませんでした。
 私は自分が『異常』な人間であるのだと知ったのは、中学生の時でした。中学生の頃のことは、これと言って良いこともなければ、特に酷いと言うこともありませんでした。ただ単に自分が『異常』であることを知る期間でした。
 
 あの時から、私は友達という者は作らず、前と同じように一人で本だけを読んで過ごしていた。周りの子達はすでに友達を作り、友達で集まるグループが完成し、クラス内での地位を築いていく。これが『スクールカースト』というものなのだろうと思いながら私は一人それを眺めていた。
 自己主張がしっかりとできて、カリスマ性があり、クラスの雰囲気を和やかなものにする上位の者。目立つような意思表示をせず、積極的な行動はしないで、やる気がなく長いものに巻かれる下位の者。『スクールカースト』を大まかに分類したら、そんなところだ。

 私がどちらかといえば、間違いなく下位の方である。上位の方には、私にあてはまる項目が一つもない。多分、上位の行動のそれらを私が試みたとしても、私は上位にはなれないだろう。だって、みんな私のことを覚えられないから、私のことに気付かないから、私の顔さえも知らないから。上位になる気もないのでそれは別にどうでもよかった。
 ただ、少しだけ気がかりがある。それは私が下位の者に入っているのかどうかだった。上位に入っていないのは間違いない、下位の者の特徴に当てはまるものがあるから私は下位の者であると思う。だけど、私は周りの人から存在自体まったく知られていない、まったく見てもらえていない、まったく認識されていない。隣の席の人にも、前の席の人にも、後ろの席の人にも、同じグループになった人にも、同じ委員会の人にも、同じ掃除場所の人にも、国語の先生にも、歴史の先生にも、数学の先生にも、理科の先生にも、保健体育の先生にも、担当の先生にさえも。

 そんな私は『スクールカースト』の中に入っているのだろうか?
 
 私は自分と同じだと思っていた下位の人達を見た。下位の人達は、同じ下位の人達と集まりながらお喋りに興じている。そして、その周りを見ると、上位の者達がまるで見下すように、バカにするように、あざ笑うように、彼らを時折見ていた。
 普通の人なら、そんな目で見られような位置にいるのは嫌だと思う。でも、私はそんな人達でさえも、羨ましいと思ってしまう。
 友達が少なくても、見た目が暗いと思われても、自分に意見が言えなくても、可哀想な目で見られても、バカにされても、笑われても、私は誰かに自分のことを知ってもらいたい、知っていてもらいたい。ほんの少しでも目を向けてもらいたい。

 誰にも知られず、誰にも見られず、誰にも認識されない。
 
 これほど悲しいことが他にあるのだろうか?

 私には、分からなかった。
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