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陰女の秘密のご趣味
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ガラガラガラッ
勢いよく教室の扉が開くと、同時に「何をしてるんだお前らっ!」と大声で叫んで、男子が教室に入ってきた。
その声に驚き、女子達の目が一斉にそちらに向く。
そして入ってきた人物に女子達は目を見開き、ポニーテールの女子は「なんで……っ」と声を出していた。
「なんでKくんが?」
入ってきた人物は、先ほどから話の主題にしていたKくんだった。
Kくんは倒れているHさんに身を寄せて、Hさんに気遣いの言葉を向けた後、女子達に顔を向けて質問に答える。
「君たちにHさんが呼び出されたと聞いて、こっそり見守っていたんだ。それより君達はここで何をしていたんだい? Hさんを突き飛ばして、何をしていたんだい?」
Kくんの声はとても静かなものであるが、その表情と纏っている雰囲気から、Kくんが激しく憤っていることは、教室内にいる誰もが解った。
Kくんが人前で怒った姿を見せるのは初めてで、そんな初めて見るKくんの姿に、女子達は気圧されて声を出せずにいる。
そんな状態からいち早くKくんの問いに答えたのは、女子達の代表者であり、Hさんを突き飛ばしたポニーテールの女子だった。
「わ、私達はHさんと、ただ話し合いをしてただけで……」
ポニーテールの女子の言葉に、後ろの女子達も頷いて賛同する。
「ただの話し合いで、なんでHさんを突き飛ばさなければならなかったんだい?」
「それは……」
ポニーテールの女子は一瞬迷った顔を見せたが、意を決したように答える。
「それは、Hさんが私達の言うことを聞かないからよ」
「……聞かないから、突き飛ばしたと?」
「この子は底辺の存在なんだから、それより上の人に従うのが当然でしょう」
「……弱い者が強い者に従うのが当然、か」
ポニーテールの女子の言葉を聞き、Kくんは憐れむような目を向けた。すると、その目が癇に障ったようで、その女子は抗議するように言う。
「そ、そうよ。それが自然なことじゃない、普通のことじゃないっ!」
「……」
「そんなのどこでも行われてることじゃない。なに? 文句でもあるわけ?」
「……」
「この子はね、学校に友達もいなければ、クラスで喋る人もいないほどのぼっち女なのよ。自分の意見も言えなければ、周りに流されるだけのモブ野郎のこいつが、どう扱われようとあんたに関係ないじゃない!」
「関係なくないっ!」
Kくんのいきなりの大声に、ビクリと女子達は身体を震わせる。
女子達の前に一歩踏み出したKくんは、怒った表情のまま喋り出した。
「僕はHさんの彼氏だ。僕の彼女であるHさんがそんな不当な扱いを受けて、文句がないわけないだろっ!」
「……」
「これ以上Hさんに酷いことをするなら、僕が君達を許さない。分かったかっ!!」
凄まじいKくんの怒気に女子達は気圧され、なにも喋ることができず、泣き出す子まで出てくる状態になった。
その後、Kくんの怒鳴り声でいつのまにか集まってきた野次馬生徒によって先生が呼び出され、事情を説明をすることになったが、女子達は何も言わず、Hさんも無言のままだったため、Kくん一人が先生に事情を説明をした。しかし、ことをあまり大きくしたくなかったのか、Kくんは本当のことは言わず、適当な嘘をついた。
先生はKくんを信頼している一人であったようで、Kくんの言葉の一切を疑わず、もうすぐ昼休みが終わり、次の授業が始まるということもあって、その場は速やかに解散させられることになった。
次の日になると、その騒ぎは完璧人間のKくんが関わっていることもあり、瞬く間に広がって、所々で噂されるようになった。
内容は騒ぎを途中からしか見てなかった人がほとんどのため、Kくんが女子の喧嘩の仲裁役をしていたとか、女子がKくんの取り合いをしていたとか、Kくんが七股をかけていたとか、でたらめなものもいくつかあったが、Kくんが複数の女子から一人の女子を守っていたという真実に近いものもあった。だが、でたらめな噂のものは、Kくんの今までの行いと態度から、信じるものはほとんどいず、真実に近い噂だけが一番に信じられていた。
また、それらの噂で話を聞いた人達が共通して驚いたり、興味を惹かれたりする場所があった。それは、Kくんに彼女ができたということ、その彼女がいじめられていた陰気な女の子であること、Kくんが人に対して怒ったというところである。
驚く反応は男子と女子で別れていた。男子は寛容なKくんが怒った姿を想像できず、その姿を一目見たかったと口惜しみ。女子はKくんに彼女ができたという事実に打ちひしがれ、Kくんに相応しくない彼女、Hさんに嫉妬した。
けれど、彼女達はHさんに嫉妬の目線を見せるだけで、何かをしようとはしなかった。Hさんに手を出せば、Kくんに嫌われてしまうから、Kくんの近くにいることができなくなるから、今までと変わらないポジションにい続けるために、彼女達はHさんには何もしなかった。
代わりにKくんの怒りを買ったとして、Hさんをいじめていたいじめっ子達と、騒ぎの場にいたプラス三人の女子達が、被害にあった。
いじめっ子達とプラス三人は、他の女子生徒達にKくんを怒らせたことを責められ、蔑まれ、疎まれた。そしていじめっ子達とプラス三人は居場所をなくし、特にその中の代表者であったポニーテールの女子はいじめっ子からいじめられっ子に成り代わり、学校に来れなくなった。
かくして、Hさんの復讐は成功したのでした。
勢いよく教室の扉が開くと、同時に「何をしてるんだお前らっ!」と大声で叫んで、男子が教室に入ってきた。
その声に驚き、女子達の目が一斉にそちらに向く。
そして入ってきた人物に女子達は目を見開き、ポニーテールの女子は「なんで……っ」と声を出していた。
「なんでKくんが?」
入ってきた人物は、先ほどから話の主題にしていたKくんだった。
Kくんは倒れているHさんに身を寄せて、Hさんに気遣いの言葉を向けた後、女子達に顔を向けて質問に答える。
「君たちにHさんが呼び出されたと聞いて、こっそり見守っていたんだ。それより君達はここで何をしていたんだい? Hさんを突き飛ばして、何をしていたんだい?」
Kくんの声はとても静かなものであるが、その表情と纏っている雰囲気から、Kくんが激しく憤っていることは、教室内にいる誰もが解った。
Kくんが人前で怒った姿を見せるのは初めてで、そんな初めて見るKくんの姿に、女子達は気圧されて声を出せずにいる。
そんな状態からいち早くKくんの問いに答えたのは、女子達の代表者であり、Hさんを突き飛ばしたポニーテールの女子だった。
「わ、私達はHさんと、ただ話し合いをしてただけで……」
ポニーテールの女子の言葉に、後ろの女子達も頷いて賛同する。
「ただの話し合いで、なんでHさんを突き飛ばさなければならなかったんだい?」
「それは……」
ポニーテールの女子は一瞬迷った顔を見せたが、意を決したように答える。
「それは、Hさんが私達の言うことを聞かないからよ」
「……聞かないから、突き飛ばしたと?」
「この子は底辺の存在なんだから、それより上の人に従うのが当然でしょう」
「……弱い者が強い者に従うのが当然、か」
ポニーテールの女子の言葉を聞き、Kくんは憐れむような目を向けた。すると、その目が癇に障ったようで、その女子は抗議するように言う。
「そ、そうよ。それが自然なことじゃない、普通のことじゃないっ!」
「……」
「そんなのどこでも行われてることじゃない。なに? 文句でもあるわけ?」
「……」
「この子はね、学校に友達もいなければ、クラスで喋る人もいないほどのぼっち女なのよ。自分の意見も言えなければ、周りに流されるだけのモブ野郎のこいつが、どう扱われようとあんたに関係ないじゃない!」
「関係なくないっ!」
Kくんのいきなりの大声に、ビクリと女子達は身体を震わせる。
女子達の前に一歩踏み出したKくんは、怒った表情のまま喋り出した。
「僕はHさんの彼氏だ。僕の彼女であるHさんがそんな不当な扱いを受けて、文句がないわけないだろっ!」
「……」
「これ以上Hさんに酷いことをするなら、僕が君達を許さない。分かったかっ!!」
凄まじいKくんの怒気に女子達は気圧され、なにも喋ることができず、泣き出す子まで出てくる状態になった。
その後、Kくんの怒鳴り声でいつのまにか集まってきた野次馬生徒によって先生が呼び出され、事情を説明をすることになったが、女子達は何も言わず、Hさんも無言のままだったため、Kくん一人が先生に事情を説明をした。しかし、ことをあまり大きくしたくなかったのか、Kくんは本当のことは言わず、適当な嘘をついた。
先生はKくんを信頼している一人であったようで、Kくんの言葉の一切を疑わず、もうすぐ昼休みが終わり、次の授業が始まるということもあって、その場は速やかに解散させられることになった。
次の日になると、その騒ぎは完璧人間のKくんが関わっていることもあり、瞬く間に広がって、所々で噂されるようになった。
内容は騒ぎを途中からしか見てなかった人がほとんどのため、Kくんが女子の喧嘩の仲裁役をしていたとか、女子がKくんの取り合いをしていたとか、Kくんが七股をかけていたとか、でたらめなものもいくつかあったが、Kくんが複数の女子から一人の女子を守っていたという真実に近いものもあった。だが、でたらめな噂のものは、Kくんの今までの行いと態度から、信じるものはほとんどいず、真実に近い噂だけが一番に信じられていた。
また、それらの噂で話を聞いた人達が共通して驚いたり、興味を惹かれたりする場所があった。それは、Kくんに彼女ができたということ、その彼女がいじめられていた陰気な女の子であること、Kくんが人に対して怒ったというところである。
驚く反応は男子と女子で別れていた。男子は寛容なKくんが怒った姿を想像できず、その姿を一目見たかったと口惜しみ。女子はKくんに彼女ができたという事実に打ちひしがれ、Kくんに相応しくない彼女、Hさんに嫉妬した。
けれど、彼女達はHさんに嫉妬の目線を見せるだけで、何かをしようとはしなかった。Hさんに手を出せば、Kくんに嫌われてしまうから、Kくんの近くにいることができなくなるから、今までと変わらないポジションにい続けるために、彼女達はHさんには何もしなかった。
代わりにKくんの怒りを買ったとして、Hさんをいじめていたいじめっ子達と、騒ぎの場にいたプラス三人の女子達が、被害にあった。
いじめっ子達とプラス三人は、他の女子生徒達にKくんを怒らせたことを責められ、蔑まれ、疎まれた。そしていじめっ子達とプラス三人は居場所をなくし、特にその中の代表者であったポニーテールの女子はいじめっ子からいじめられっ子に成り代わり、学校に来れなくなった。
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