××男と異常女共

シイタ

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ゴミ女の深夜バイト

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 学校の先生と話をした五日後、私は軍手をはめて公園に立っていた。周りには私と同じで軍手をはめてゴミ袋を持っている人が多くいて、隣には学校の先生がいた。そして、みんなの前で大きく喋っている人の話を静かに聞いている。
 私はどうしてこんなところにいるのだろうと思いながら、隣の学校の先生を見てあの時のことを思い出す。
 
「それはね――」

 私は学校の先生の答えを待って、次の言葉を傾聴する。
 
「――心を綺麗にすればいいのよ」

 学校の大人はそう言った。それに私はすぐ疑問をぶつける。

「心が綺麗だと人間になれるの?」

「そうだよ」

「なんで?」

「綺麗なものはゴミじゃないからだよ」

 私はその答えを聞いても疑問が解けず、首を横に傾けていると学校の先生がふふっと笑った。

「なら、あいらちゃんはどういったものをゴミだと思ってるの?」

「……いらなくなったものとか、ない方がいいもの」

「他にはない?」

「……」

 私は今まで捨ててきたゴミを思い出してみる。
 いらなくなった紙、空っぽの空き缶やペットボトル、床に落ちた食べ物、使ったティッシュ、お菓子の袋、なにかの破片、固まった埃、切った爪、汚くなった雑巾……。

「……食べれなくなったものとか、汚くなったもの」

「そうだね。じゃあ綺麗なものは捨てたことがある?」

 私はもう一度今まで捨ててきたゴミを思い出すが、そんなものはなかったので首を横に振った。

「じゃあ、綺麗なものはゴミじゃないってことだよね」

 私はコクリと頷いて肯定する。

「だったら、あいらちゃんの心が綺麗になればあいらちゃんはゴミじゃなくなって人間になれるんだよ」

 私はその言葉に「おー!」と納得した顔を見せる。
 
「でもどうしたら、心が綺麗になるの?」

「それはあることを手伝ってくれたら教えてあげるね」

 と答えを焦らされて、今に至っている。
 学校の先生の手伝いということで連れてこられた場所は、小学校から離れた河川敷だった。そこにはさっきも言った通りに軍手と袋を持った人が多くいて、私も学校の先生から軍手を貰いはめると、同時にみんなの前に立っていた人が喋り始めたのだ。
 ここで何が行われるのだろう? と疑問に思って前の人の話を聞いていると、どうやらこの河川敷の『清掃活動』を行うらしい、言うならゴミ拾いだ。
 前の人の話が終わって、周りの人達が各々に動き始め、私も学校の先生に連れられながら行動を開始する。

「じゃあ、あいらちゃん。道端に落ちてるゴミを見つけたら、それを拾ってこのゴミ袋に入れてね」

 学校の先生は持っているゴミ袋を広げて、そこに入れるようにと促してくる。私はコクリと頷いて、ゴミが落ちていないか周りを見渡し始める。

 心を綺麗にする方法を教えてもらうために頑張らなければいけない。

 私はその思いで、いつもよりも一層やる気を出して行動を起こしていると、ベンチの下に転がっていた空のペットボトルを見つけダッシュで取りに行く。私はそれを拾うと、他にないか周りを確認した後に学校の先生が持つゴミ袋にそれを入れた。

「一つ」

「よ~し、どんどん拾っていきましょう」

 私は次のゴミを見つけに歩いて行くと、学校の先生も私に付いて来るように後ろを歩く。そうして、私は道すがらに見つけたゴミを見つたら拾ってゴミ袋に入れるを繰り返した。

 見つけたら拾って入れる、見つけたら拾って入れる、見つけたら拾って入れる、見つけたら拾って入れる、見つけたら拾って入れる、見つけたら拾って入れる、見つけたら拾って入れる、見つけたら拾って入れる……。

 この流れ作業を無意識に頭の中で反芻しながら行動を行なっていく。学校の先生は私がゴミ袋を入れる度に「よく見つけたね」とか「偉いよ」とか「よし、次行こう」と声を掛けてくれる。そのおかげかは分からないが、私はいつの間にか少しゴミ拾いを楽しみ始めていた。
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