××男と異常女共

シイタ

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ゴミ女の深夜バイト

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 夢中になってゴミ拾いをしていき、学校の先生が持つゴミ袋も結構な大きさまで膨らんできたあたりで、ジリリリリリリリリリという音が聞こえてきて、「終わりで~す」という声が聞こえてきた。どうやらこれで清掃活動は終了らしい。

「おわり?」

「うん、お疲れさま~、あいらちゃん」

 私は学校の先生に労いの言葉をもらって、初めに人が集まっていた場所に戻っていく。
 私の心は今までにないくらいスッキリしたものになっていて、もう少しやりたかったなと河川敷を見て思った。

 終わりの時は特に初めのような話もなく、各人集めたゴミを特定の人に渡していく。私は学校の先生がゴミの集まった袋を渡してくるのを待っていると、ゴミ袋を渡し終わった先生が戻ってきた。
 
「お待たせー。お手伝いありがとうね、あいらちゃん。すごく助かったよー」

 学校の先生はそう言いながら私の頭を撫でてくる。

「それじゃあ、帰ろっか」

「!?」

 私は咄嗟に学校の先生の手を掴んで、ぐいぐいと引っ張る。

 まだ心を綺麗にする方法を教えてもらってない。

 それを訴えるように手を引っ張る。

「あはははは、冗談冗談。ちゃんと覚えてるから大丈夫だよ」

 私はその言葉に安心して手を離し、ほっ息を吐く。

「どうやったら心を綺麗にするかだったよね?」

 私はコクリと頷いて返答する。

「その方法はね、もうあいらちゃんは知ってるはずだよ」

「?」

 私は首を傾げてクエスチョンマークを頭に浮かべる。

 学校の先生にまだ教えてもらってないのに、私が心を綺麗にする方法知っているはずがない。

 眉根を寄せて学校の先生を見ると、学校の先生はニコッと笑ってきた。

「あいらちゃんは今日の清掃活動はどうだった?」

「……楽しかった」

「なんで楽しかった?」

「……」

「考えてみて」

 私は今日のゴミ拾いを思い出して、学校の先生の言う通りに考えてみる。

 私は何が楽しかったんだろう?

 ゴミを拾ったこと? 河川敷を歩き回ったこと? ゴミを見つけたこと? ゴミを袋に入れたこと? 先生と一緒にいたこと?

「……」

 私が答えを出せないでいると、先生が助けを船を出すように「じゃあ」と言って質問を変える。

「ゴミを拾い終えて、あいらちゃんは今どんな気持ちでいる?」

「……スッキリ」

 この質問には私は悩むことなく、自然に答えを返すことができた。

「心が?」

 コクリと頷いて肯定する。

「だったら、あいらちゃんの心は今綺麗になったんだよ」

「あ」

 と無意識に声が漏れた。
 私は学校の先生が言う、心を綺麗にする方法を身にしみて理解することができた。私の心はスッキリした、つまり私の心が綺麗になったということ。
 私の中から嬉しさがこみ上げる。

 ――けれど、これで私は人間になったとは思えなかった。

「でも、私は自分が人間になったと思えない」

 正直な気持ちを私は告白した。一瞬の嬉しさが消えて、私は頭を下げる。

「それはなれてないだけだよ」
 
「まだ?」

 私が頭を上げて学校の先生を見ると、変わらずニコニコとした顔で「そ、まだ」と言ってくる。
 
「あいらちゃんがこれを続ければきっと人間になれるよ」

「……本当に?」

「うん、本当だよ」

 それを聞いて、消えていた嬉しさが戻ってくる。

「人間になったらお母さんとお父さんに会える?」

 再びこみ上げてきた嬉しさを言葉にしたら、自分でも予想外な言葉を発していた。

「あいらちゃんのお母さんとお父さん?」

「……そう、私を捨てた、お母さんとお父さん」

 自分がお母さんとお父さんに捨てられたことを思い出して、また嬉しさが消えていく。それを察してくれたのか、学校の先生は私の頭を慰めるように撫でてくれた。

「……会えるよ、あいらちゃん。きっと会える、先生が保証してあげる」

「うん」

 ナデナデのお陰で心が安らいでくる。

「あいらちゃんが人間になったら先生に会いにきてね」

 私が「うん」と言って、コクリと頷いた。
 私は人間になった自分を最初に先生に見てもらいたいと思った。だから、人間になったらいの一番に先生に会いに行こうと私は決めた。
 すると、学校の先生が両手をパンと叩く、

「さて、今日は頑張ってくれたあいらちゃんには私からプレゼントがあります」

「プレゼント?」

「そ。目つぶって、いいって言うまで開けちゃダメだよ」

 学校の先生の言う通りに目を閉じると、私の頭の上で先生が何かをしているのが分かる。なんだろうと思っていると、頭にちょっとした圧迫感を感じた後に「もういいよ」と声がした。
 私が目を開けると、目の前には学校の先生がパシャリとスマホで写真を撮ってきた。写真を取られたことに驚きつつも、私は頭にある違和感を優先して自分の頭を触ってみる。すると頭に何かを結ばれていて、その上で何かが立っているのが手と頭の感覚で分かった。

「はい、あいらちゃん」

 学校の先生がスマホの画面をこちらに向けて、撮った写真を見せてくる。写真には私が写っていて、頭の上には学校の先生が結んでくれたリボンが立っていた。私はそれを見て、プレゼントがリボンだと理解した。

「やっぱり似合うと思ったんだよね、あいらちゃんに」

「……ありがとう」

「どういたしまして」

 普段感じたことのない感覚を新鮮と感じながら、頭の上のリボンを弄る。

「じゃあ、帰ろっか!」

「うん!」

 私はいつもよりも大きく頷いて、学校の先生と手を繋いで帰った。
 それから私は白亜孤児院にいる時も、学校にいる時も、外に出るときも、常にゴミを見つけたらしっかりとゴミ箱に捨てることを考えて、過ごした。
 そして学校の授業で自分のモットーを決めることになった私は、『ゴミをゴミ箱に』にをモットーにすることにした。

 はやく人間になりたいな。
 
 そんな願いを込めて、私は自分のモットーを決めた。
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