××男と異常女共

シイタ

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ゴミ女の深夜バイト

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◯ゴミを運ぶお仕事◯ Sight : 姶良

 私は高校生になった。
 白亜孤児院からは遠い場所にある高校に通うことになった私は、孤児院を出て一人暮らしすることにした。
 一人暮らしを決めて孤児院の大人にそれを話すと、孤児院の大人は私が一人暮らしで苦労しないように、家事の全般を丁寧に教えてくれ、住む場所も一緒に探してくれた。私はそれに感謝して、白亜孤児院を出た。

 高校生になった私は、未だにゴミのまま人間にはなれていない。けれど、それを残念とは思っていない。
 私は着実に自分の心が綺麗になっていると信じているから。小学校の先生が言っていたことを信じているから。
 今日も私は鞄にゴミ袋と軍手、ゴミ拾い用のトングを入れて学校に登校する――はずだった。

「あれ?」

 周りを見てみると、いつの間にか見覚えのない道に私は立っていた。またやってしまったようだ。私は手に持つトングと袋を見て思った。
 見知った道に戻ろうと歩いていると、公園に設置されている時計を見つけた。時間はすでに登校時間を過ぎて、授業が始まっている時間になっている。つまり、遅刻確定ということだ。
 私は見知った道に入り、特に焦ることなく学校に向かった。

 遅刻するのはこれが初めてではない。それどころか、確かこれで六回目だったと思う。
 なんでこんなに遅刻をしているのかというと、私が登校中に道端に落ちているゴミを見つけては拾って、また見つけては拾って、またまた見つけては拾って、を繰り返してしまってる所為だ。
 そして、気付かないうちにゴミ拾いに夢中になり、いつも時間を忘れてしまう。酷い時には、気付いたらもう学校が終わっている時間になっていて、無断欠席をしてしまった時もあった。

 今日もまた担任の先生にどやされるのだろうな……あっ、ゴミ発見。

 そんな感じで、私は学校になんとか登校した。到着した時にはもう昼休みだった。

 予想通り担任の先生に怒られて、私はあとのニつの授業を終えて家に帰る。いつもなら朝と同じで道すがらのゴミを拾って家に帰るのだけれども、今日の下校ルートにはなんとゴミが一つも落ちていなかった。
 こんなことは初めてで、いつも以上に家に早く帰ってこれた。私が一人暮らしをしている場所は、少し古い二階建てのアパートだ。そのニ階のニ〇ニ号室が私の部屋だ。

「ん?」

 私は部屋の前まで来て、鞄の中から部屋の鍵を取り出したところで、部屋のドアに白い紙のようなものが挟まっているのに気付いた。
 それを取って確認してみると、どうやら封筒のようだ。なんでポストに入れないのだろうと疑問に思いながら、私は家に入ってから中身を確認することにした。
 鞄を置いて窓際に座ると、私は封筒を綺麗に破いて中身を取り出す。封筒の中身は一枚の手紙が折りたたんで入っていて、私はそれを開いて手紙の内容を読んでみた。

《ゴミを運んでくれませんか?》

 冒頭はこの一言から始まった。
 手紙の内容を読み進めていくと、どうやらバイトの募集のようなものが書かれていることが分かった。
 バイトの内容は放置されたゴミを指定の場所に運ぶというもので、勤務時間は深夜から運び終わった時点で終了、シフトは不定期で決まった日にちがないということ。放置されたゴミの場所とゴミを運ぶ指定の場所、勤務する詳しい時間に、ゴミを運んで欲しい日にちはその日その日にメールで伝えられるらしい。
 つまりバイトをする日は自分では決められない、バイトをする場所は当日でないと分からないということだ。なんとも不便なことである。だけど、そんな異例なバイトの給与はなんと一回一〇万円と書いてあった。

 なんて美味しいバイトなのだろうと思いながら、私はこのバイトが渡りに舟だと感じていた。
 なぜなら、私自身バイトを始めようと思っていたからだ。
 仕送りは白亜孤児院から少し送られてくるが、それでは家賃や電気代、ガス代などを支払えないためにバイトをしなければならなかった。しかし、家に送られてくる求人募集などを調べても、自分に合うようなものを見つけられないでいた。
 でも、このバイトは私にピッタリだ。ゴミを運ぶ、つまりゴミをゴミ箱にということ。自分の目的を果たしてお金も手に入る、まさに一石二鳥の素晴らしいバイトである。
 日にちと場所が不定期というのは面倒だけど、別に深夜なら寝ているだけなので都合が悪くなる日なんて滅多にないだろう。強いて気になるところといえば、条件として《そこで見たことを誰にも話してはいけない》というものがあったが、それぐらいのことは全然構わない。
 私はこのバイトのことについて深くも考えず、手紙の最後に書かれたメールアドレスにバイトの申し込みメールを書いて送った。採用のメールはその日の夜にすぐに返ってきた。
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