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銀貨四十五枚でどうだ?
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「わかった。裏側に来てくれ」
奥にあるドアを開けると店主は入っていてしまった。カウンターを乗り越えて二人も付いていく。
「くさい……」
倉庫として使われているため、鱗や骨といった生物由来の素材が山のように積まれていた。鉱石の類いもあるが数は少ない。
十年以上前に仕入れた素材がゴロゴロと転がっており、熟成された独特の臭いが部屋中に充満している。人間であるハラディンも悪臭に顔を歪めるほどだ。
足の踏み場がないほど散らかっている室内を店主が奥に進んでいく。
「あれはどこに置いたっけなぁ~」
骨を拾うと、ぽいっと投げ捨てる。次は毛の束だ。何の素材なのか店主すら覚えていない。これもまた邪魔だと投げた。
同じ動作を何度も繰り返しているが目的の物は見つからない。
五分ほどは見守っていたハラディンだったが飽きてしまった。暇であるため勝手に探そうとする。しゃがんで青い鉱石に触ろうと手を伸ばした。
「あったぞーーーーッ!」
喜んだ店主が両腕を掲げている。手にはハラディンが触ろうとしていた鉱石と同じ色の片手剣があるものの、柄や刀身が血で汚れている。中古品だというのが一目で分かった。
本来であれば手入れをするべきなのだが、溶かしてしまう予定だったので放置していたのである。
「こいつは青鉄を使った剣だ。錆は浮いているようだが軽く研げば新品同様になるだろう」
武具の素材を踏みながら店主が二人の前にきた。
「魔物付きがこの剣を盗んで暴れていたらしい。数名の人間を殺した後に騎士に処刑されたという曰く付きだ。……触ってみるか?」
「むろん」
手を伸ばしてハラディンが剣を持った。メーデゥが使っているものとサイズはほとんど同じ。重さはやや軽い。剣を水平にして刀身を見ると刃こぼれや歪みはなかった。
雑に管理されていたのに状態は良い。錆びも擦れば落ちるぐらいの軽いものだ。手入れにも時間はかからないだろう。
「お前さん、魔物付きの呪いは知っているような?」
品質を確かめていると、呆れた声で店主が聞いてきた。
「死後、魔物の魂が使っていた武器に入り込んで呪われる、という話だろ。知っているし、俺は信じていない」
「同じようなことを言っていたヤツが、変死したと聞いても考えは変わらないか?」
「どういうことだ、詳しく聞かせてくれ」
「買った翌日に魔物を狩ったまでは良かったんだが、その直後この剣で腹をかっさばいて死んだんだよ。それで実際に呪いがあるんじゃないかって噂になって倉庫行きさ」
「くだらん。それが真実なら店主のお前だって腹を切り裂いて死んでなければ、つじつまがあわんぞ」
「おっと! それを言われたら反論できねぇ」
笑っている店主に青い剣を投げ渡した。
「銀貨十枚で買おう」
「旦那。それは安すぎだ。せめて五十枚はいただかないと割にあわん」
「ずっと放置されていた剣が金になるんだ。あまり欲張るなよ」
ぎろりと睨んだが、相手はひるまない。長年荒くれ者を相手に商売をしている人間であるため慣れているのだ。
「まあゴミだったのは認める。銀貨四十五枚でどうだ? これ以上、値段を下げろというなら買わなくていい」
「刀身の研ぎをサービスしてくれるなら、その金額で買う」
「……いいだろう。交渉成立だ」
契約書代わりに二人は握手を交わす。
「作業は今すぐお願いできるか?」
「もちろんだ。すぐに終わらせるからちょっと待ってろ」
素材を置いている部屋に客だけを残して、青い剣をかつぎながら店主はどこかに行ってしまった。
盗まれる心配はしないのだろうか。
大雑把な性格に不安を覚えたが、他の店に青い剣以上の掘り出し物があるとは思えない。土地勘のない町であるため、探すとしても時間は必要だ。今晩の仕事には間に合わない可能性が高いので、他に選択肢はなかった。
「店に行くぞ」
「うん」
当然ではあるが、物を盗むようなことはしない。二人は店内に戻ると、
「てめぇ! 欲も俺の女に手を出したな! ぶっ殺す!」
物騒な叫び声が聞こえた。
チェニックを着ていて腰にナイフをぶら下げている冒険者が、無抵抗な優男を殴りつけていた。一方的に攻撃されていて反撃する隙はない。口は切れて鼻は折れ、片目が潰されていた。
周囲に人はいるが巻き込まれたくないので誰も止めようとしない。
殴りつけていた冒険者は腰に手を回してナイフを抜き取る。
暴力沙汰であればよくあることで終わるが、殺人まで発展した話は変わる。衛兵が動くのだ。
「二度と見られないような顔にしてやるッ!」
ナイフを優男の顔に突き刺そうとする。その瞬間、ハラディンが腕を掴んだ。
「そこまでにしておけ。無駄に人を殺すな」
「なんだ――ッ!!」
強い霊気に当てられて冒険者の男は数秒固まってしまったが、すぐに持ち直す。
「邪魔するなら、お前から殺すぞ」
ナイフを持っている腕は握られて動かない。冒険者の男はもう一方の腕で殴りつけようとするが、ハラディンが危ないと勘違いしたメーデゥが、腹を殴りつけた。
不意の攻撃で強い衝撃を受けてしまい、冒険者の男は膝から崩れる。
見上げるとフードに隠れている顔と頭に乗っている犬耳まで見えてしまった。
「おまえっ……!」
魔物付きが日中堂々と買い物をしていると気づき、冒険者の男は驚いている。
その表情を見たハラディンは瞬時に黙らせるため、喉を殴りつけた。
「ガハッ、ゴホッ、ゴホッ、ガッ……」
咳き込んで動けない男に蹴りを放つと、顎に当たって体が宙に浮かび、床にたたきつけられる。痛みに耐えきれず意識を失った。
「殺す?」
物騒な言葉が少女から出たのでハラディンは首を横に振ってから、冒険者の男を持ち上げると店の外に出て道の脇に放置した。あとは意識が戻る前に逃げてしまえば、魔物付きだと騒ぎ立ててもメーデゥまでたどり着くのは難しいだろう。
奥にあるドアを開けると店主は入っていてしまった。カウンターを乗り越えて二人も付いていく。
「くさい……」
倉庫として使われているため、鱗や骨といった生物由来の素材が山のように積まれていた。鉱石の類いもあるが数は少ない。
十年以上前に仕入れた素材がゴロゴロと転がっており、熟成された独特の臭いが部屋中に充満している。人間であるハラディンも悪臭に顔を歪めるほどだ。
足の踏み場がないほど散らかっている室内を店主が奥に進んでいく。
「あれはどこに置いたっけなぁ~」
骨を拾うと、ぽいっと投げ捨てる。次は毛の束だ。何の素材なのか店主すら覚えていない。これもまた邪魔だと投げた。
同じ動作を何度も繰り返しているが目的の物は見つからない。
五分ほどは見守っていたハラディンだったが飽きてしまった。暇であるため勝手に探そうとする。しゃがんで青い鉱石に触ろうと手を伸ばした。
「あったぞーーーーッ!」
喜んだ店主が両腕を掲げている。手にはハラディンが触ろうとしていた鉱石と同じ色の片手剣があるものの、柄や刀身が血で汚れている。中古品だというのが一目で分かった。
本来であれば手入れをするべきなのだが、溶かしてしまう予定だったので放置していたのである。
「こいつは青鉄を使った剣だ。錆は浮いているようだが軽く研げば新品同様になるだろう」
武具の素材を踏みながら店主が二人の前にきた。
「魔物付きがこの剣を盗んで暴れていたらしい。数名の人間を殺した後に騎士に処刑されたという曰く付きだ。……触ってみるか?」
「むろん」
手を伸ばしてハラディンが剣を持った。メーデゥが使っているものとサイズはほとんど同じ。重さはやや軽い。剣を水平にして刀身を見ると刃こぼれや歪みはなかった。
雑に管理されていたのに状態は良い。錆びも擦れば落ちるぐらいの軽いものだ。手入れにも時間はかからないだろう。
「お前さん、魔物付きの呪いは知っているような?」
品質を確かめていると、呆れた声で店主が聞いてきた。
「死後、魔物の魂が使っていた武器に入り込んで呪われる、という話だろ。知っているし、俺は信じていない」
「同じようなことを言っていたヤツが、変死したと聞いても考えは変わらないか?」
「どういうことだ、詳しく聞かせてくれ」
「買った翌日に魔物を狩ったまでは良かったんだが、その直後この剣で腹をかっさばいて死んだんだよ。それで実際に呪いがあるんじゃないかって噂になって倉庫行きさ」
「くだらん。それが真実なら店主のお前だって腹を切り裂いて死んでなければ、つじつまがあわんぞ」
「おっと! それを言われたら反論できねぇ」
笑っている店主に青い剣を投げ渡した。
「銀貨十枚で買おう」
「旦那。それは安すぎだ。せめて五十枚はいただかないと割にあわん」
「ずっと放置されていた剣が金になるんだ。あまり欲張るなよ」
ぎろりと睨んだが、相手はひるまない。長年荒くれ者を相手に商売をしている人間であるため慣れているのだ。
「まあゴミだったのは認める。銀貨四十五枚でどうだ? これ以上、値段を下げろというなら買わなくていい」
「刀身の研ぎをサービスしてくれるなら、その金額で買う」
「……いいだろう。交渉成立だ」
契約書代わりに二人は握手を交わす。
「作業は今すぐお願いできるか?」
「もちろんだ。すぐに終わらせるからちょっと待ってろ」
素材を置いている部屋に客だけを残して、青い剣をかつぎながら店主はどこかに行ってしまった。
盗まれる心配はしないのだろうか。
大雑把な性格に不安を覚えたが、他の店に青い剣以上の掘り出し物があるとは思えない。土地勘のない町であるため、探すとしても時間は必要だ。今晩の仕事には間に合わない可能性が高いので、他に選択肢はなかった。
「店に行くぞ」
「うん」
当然ではあるが、物を盗むようなことはしない。二人は店内に戻ると、
「てめぇ! 欲も俺の女に手を出したな! ぶっ殺す!」
物騒な叫び声が聞こえた。
チェニックを着ていて腰にナイフをぶら下げている冒険者が、無抵抗な優男を殴りつけていた。一方的に攻撃されていて反撃する隙はない。口は切れて鼻は折れ、片目が潰されていた。
周囲に人はいるが巻き込まれたくないので誰も止めようとしない。
殴りつけていた冒険者は腰に手を回してナイフを抜き取る。
暴力沙汰であればよくあることで終わるが、殺人まで発展した話は変わる。衛兵が動くのだ。
「二度と見られないような顔にしてやるッ!」
ナイフを優男の顔に突き刺そうとする。その瞬間、ハラディンが腕を掴んだ。
「そこまでにしておけ。無駄に人を殺すな」
「なんだ――ッ!!」
強い霊気に当てられて冒険者の男は数秒固まってしまったが、すぐに持ち直す。
「邪魔するなら、お前から殺すぞ」
ナイフを持っている腕は握られて動かない。冒険者の男はもう一方の腕で殴りつけようとするが、ハラディンが危ないと勘違いしたメーデゥが、腹を殴りつけた。
不意の攻撃で強い衝撃を受けてしまい、冒険者の男は膝から崩れる。
見上げるとフードに隠れている顔と頭に乗っている犬耳まで見えてしまった。
「おまえっ……!」
魔物付きが日中堂々と買い物をしていると気づき、冒険者の男は驚いている。
その表情を見たハラディンは瞬時に黙らせるため、喉を殴りつけた。
「ガハッ、ゴホッ、ゴホッ、ガッ……」
咳き込んで動けない男に蹴りを放つと、顎に当たって体が宙に浮かび、床にたたきつけられる。痛みに耐えきれず意識を失った。
「殺す?」
物騒な言葉が少女から出たのでハラディンは首を横に振ってから、冒険者の男を持ち上げると店の外に出て道の脇に放置した。あとは意識が戻る前に逃げてしまえば、魔物付きだと騒ぎ立ててもメーデゥまでたどり着くのは難しいだろう。
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