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ライナス様は自信満々な顔をしていて素敵だった。国王になりたくないよと言っていたときの百倍は輝いている。
「何か……良い案が思いついたのでしょうか?」
「うん。エリザベス。俺はエリザベスのことが好きなんだ。結婚してくれないか?」
「…………ええええええええええええ!!!!!!???????」
何を言い出すのかと思ったら……。
私は改めてライナス様にきいた。
「お気を確かになさいませ。私は王太子妃……クリフォード様の妻です」
「ごめんごめん。結論から先に言っちゃった」
「は、はぁ……? では真意は何でしょう……?」
「君は王太子妃になるためにがんばってきた。そうだね?」
「はい、そうです」
「じゃあもし俺が王太子だったら、俺の妻になっていた」
「……そのとおりです」
「今から俺が王太子になるから、君にはまた王太子妃になってほしいんだ」
「それって……」
第二王子のライナス様が王太子になるためには、クリフォード様が廃太子となる必要がある。つまり、クリフォード様が国王候補から外されることで、代わりにライナス様が国王候補になるという意味だ。
ライナス様は……クリフォード様と対決なさるおつもりだ!
ライナス様はニヤリとした。
「お察しのとおり。兄上と共倒れなど嫌だろう? エリザベスだってせっかくの王妃教育を勝ち抜いたんだ。……何かしないと、このままでは王妃になれないよ」
ライナス様の口から王妃教育という言葉が出たから、このタイミングで聞いておきたいことがあった。
「ライナス様は……ベアトリス様の王妃教育を見ていたというのは本当ですか? 私のことを……以前から……」
ライナス様は不意を突かれたようだった。
「え、いや、あの……それは……。うん……隠していてもしかたないか。俺はずっと君を知っていたんだ。聡明で、どんなことにも取り組んで、そして何より……他人への気遣いにあふれている君を。応援していたんだよ。ただ……君が王妃教育を勝ち抜いたとしても、兄上の妻になるというのは……複雑な気持ちだったけどね……」
ライナス様にこう言われたとき、私は今までの人生で経験したことがないほどの心臓の動きを感じた。鼓動が高まって、抑えきれなくて、顔が異常に火照りだす。この感覚は……なに……?
私はなんとか正気を保とうとして、ライナス様に背を向けた。そうしなければ、立っていられない気がした。
ライナス様は「ど、どうしたの!? 大丈夫!? ごめんね急に変なこと言って……」と謝った。私はそれを聞いてすぐに振り返った。
「ライナス様は悪くないんです。ごめんなさい……私のほうが、何か急におかしくなっちゃって……」
「体調が悪くなった? 平気?」
「いえ、たぶん病気ではないです……。気になさらないでください……。あの、さきほどのお話ですが、お受けします。私をライナス様の王太子妃にしてください」
ライナス様はガッツポーズをした。
「ガッテン承知のすけ!」
いや、そこは普通に返事してよ。
森から城へ帰ったライナス様と私は、国王陛下へお目通りを願い、クリフォード様の事のあらましを説明するのだった。
「何か……良い案が思いついたのでしょうか?」
「うん。エリザベス。俺はエリザベスのことが好きなんだ。結婚してくれないか?」
「…………ええええええええええええ!!!!!!???????」
何を言い出すのかと思ったら……。
私は改めてライナス様にきいた。
「お気を確かになさいませ。私は王太子妃……クリフォード様の妻です」
「ごめんごめん。結論から先に言っちゃった」
「は、はぁ……? では真意は何でしょう……?」
「君は王太子妃になるためにがんばってきた。そうだね?」
「はい、そうです」
「じゃあもし俺が王太子だったら、俺の妻になっていた」
「……そのとおりです」
「今から俺が王太子になるから、君にはまた王太子妃になってほしいんだ」
「それって……」
第二王子のライナス様が王太子になるためには、クリフォード様が廃太子となる必要がある。つまり、クリフォード様が国王候補から外されることで、代わりにライナス様が国王候補になるという意味だ。
ライナス様は……クリフォード様と対決なさるおつもりだ!
ライナス様はニヤリとした。
「お察しのとおり。兄上と共倒れなど嫌だろう? エリザベスだってせっかくの王妃教育を勝ち抜いたんだ。……何かしないと、このままでは王妃になれないよ」
ライナス様の口から王妃教育という言葉が出たから、このタイミングで聞いておきたいことがあった。
「ライナス様は……ベアトリス様の王妃教育を見ていたというのは本当ですか? 私のことを……以前から……」
ライナス様は不意を突かれたようだった。
「え、いや、あの……それは……。うん……隠していてもしかたないか。俺はずっと君を知っていたんだ。聡明で、どんなことにも取り組んで、そして何より……他人への気遣いにあふれている君を。応援していたんだよ。ただ……君が王妃教育を勝ち抜いたとしても、兄上の妻になるというのは……複雑な気持ちだったけどね……」
ライナス様にこう言われたとき、私は今までの人生で経験したことがないほどの心臓の動きを感じた。鼓動が高まって、抑えきれなくて、顔が異常に火照りだす。この感覚は……なに……?
私はなんとか正気を保とうとして、ライナス様に背を向けた。そうしなければ、立っていられない気がした。
ライナス様は「ど、どうしたの!? 大丈夫!? ごめんね急に変なこと言って……」と謝った。私はそれを聞いてすぐに振り返った。
「ライナス様は悪くないんです。ごめんなさい……私のほうが、何か急におかしくなっちゃって……」
「体調が悪くなった? 平気?」
「いえ、たぶん病気ではないです……。気になさらないでください……。あの、さきほどのお話ですが、お受けします。私をライナス様の王太子妃にしてください」
ライナス様はガッツポーズをした。
「ガッテン承知のすけ!」
いや、そこは普通に返事してよ。
森から城へ帰ったライナス様と私は、国王陛下へお目通りを願い、クリフォード様の事のあらましを説明するのだった。
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