年下クンと始める初恋

鈴屋埜猫

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 母親から突然メールが届いた時、葉一はその文面に持っていたコーヒーを取り落としそうになった。

『土曜日空けといて。お見合いしなさい』

 少々強引な母だが、ここまでとは思わなかった。だが、その命令に素直に従おうと思ったのは、そのお見合い相手が誰でもない、清河茉歩だったからだ。
 茉歩との出会いは生まれる前からだ。母親同士が仲が良く、家も近所だからと家族ぐるみの交流をしていた。だから物心ついた時には一緒にいるのが当たり前。小さい頃は茉歩を本当の姉だと思い込み、彼女が家に帰るのを駄々をこねて引き留めたことさえある。
 いつも彼女の後を追いかけていた。そうすれば、彼女が振り返り、微笑んで手を差し伸べてくれた。好きになるなと言う方が無理だろう。大きくなったら茉歩と結婚するのだと、信じて疑わなかったくらいだった。
 だが、世の中そう簡単にはいかないのだ。思春期を迎え、徐々に女らしい体つきになる茉歩に、葉一は焦った。彼女の女へと変化していくスピードは、同年代の女子の中でズバ抜けていた。身長はさほど変わらないのに、みるみる膨らんでいく胸元。そうなると男子の目は否応なく彼女の体へと注がれる。学内で茉歩の名前が飛び交うと、気が気ではなかった。
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