47 / 358
46
しおりを挟む
「今やらなきゃいけない事。もう無いよな?・・・・・・うん、葵ちゃんの所に行こう。じゃあ、そろそろ全員、この部屋からも、出て行ってくれる?葵ちゃんと逢うのに、ここに居られると気が散るからね。二人だけの時間を、じゃましないようにね♪」
「つっ、月夜様!私は、この部屋付きの従者で、ラピス・シ・ディープブルと申します。仕事を放棄して、この部屋から立ち去ることはできません。それに、来客があった時等、私がいると便利ですよ。こちらの部屋で控えさせて頂きますので、何かありましたら遠慮なく、仰って下さい。食事の支度や着替えの準備、シーツの交換等も致します」
「・・・(確かに、居て貰った方が便利か?なるべく、葵ちゃんの傍を離れたくないからな)いいだろう。但し、呼ぶまでは、絶対に、寝室に入ってくるな。何があってもだ。いいな?」
「畏まりました」
その後すぐ、ラピスに急き立てられ、王太子らは、部屋を出て行った。
ちゃんと出て行くのを見届け、鍵をかけるよう伝えてから、葵ちゃんが寝ている寝室へと、静かに入っていった。
・・・
本物だ・・・
この8年の間、何度と無く、葵ちゃんの写真を眺めていた。
寂しい時、自分を奮い立たせないといけない時、そして、顔を忘れてしまわない為に。
何で、動画の一つや二つ撮っておかなかったのかって、とても悔やんだ。
頭の中の記憶している声で、合っているのだろうか?
声を、聴きたかった。
動いて、話している姿を、見たかった。
頬に触れれば温かく、心までじわじわと沁みこんで行くようだ。
人との接触も8年振り。
葵ちゃん以外の人に、触れられたくなくて、必死に避けていたからね。
まぁ、ここ何年かは、俺に触れようとしたら、問答無用で斬るって言って、実際に何人かは、斬ってやった。
腕を軽くだけど。
次やったら、切り落とすと脅された奴らは、二度と近寄っては来なかった。
日本でやったら、とっくに捕まってるな。
それでも、一定の距離を保って、声をかけてくる奴等がいたんだよな・・・気持ち悪い。
葵ちゃん以外、無理だっていうのも、言ってあるのに。
何なのだろう、自分より上がいるって、理解できないのかね?
葵ちゃんを、余す所なく感じたい。
上掛けをどかし、頬から、首筋、鎖骨を辿り、ガウンのあわせから、手を滑り込ませ、触れていく。
掌だけじゃ物足りないな。
着ている服を全部脱ぎ、イスの上へと放り投げる。
ベッドに乗り上げ、葵ちゃんのガウンをそっと、脱がし全身を眺めた。
こんなにも、小さくて、華奢だっただろうか・・・
周りにいた男達に比べれば、スリムで小さく感じたけど、俺からしたら、充分に大きかった。
いつか、葵ちゃんより大きくなって、抱き締めたいと思っていたが、いまや、年齢まで追い越してしまった。
今の俺を、月夜として、受け入れてくれるのだろうか。
今の俺を、弟としてではなく、同じ想いの愛で、満たしてくれるのだろうか・・・
「つっ、月夜様!私は、この部屋付きの従者で、ラピス・シ・ディープブルと申します。仕事を放棄して、この部屋から立ち去ることはできません。それに、来客があった時等、私がいると便利ですよ。こちらの部屋で控えさせて頂きますので、何かありましたら遠慮なく、仰って下さい。食事の支度や着替えの準備、シーツの交換等も致します」
「・・・(確かに、居て貰った方が便利か?なるべく、葵ちゃんの傍を離れたくないからな)いいだろう。但し、呼ぶまでは、絶対に、寝室に入ってくるな。何があってもだ。いいな?」
「畏まりました」
その後すぐ、ラピスに急き立てられ、王太子らは、部屋を出て行った。
ちゃんと出て行くのを見届け、鍵をかけるよう伝えてから、葵ちゃんが寝ている寝室へと、静かに入っていった。
・・・
本物だ・・・
この8年の間、何度と無く、葵ちゃんの写真を眺めていた。
寂しい時、自分を奮い立たせないといけない時、そして、顔を忘れてしまわない為に。
何で、動画の一つや二つ撮っておかなかったのかって、とても悔やんだ。
頭の中の記憶している声で、合っているのだろうか?
声を、聴きたかった。
動いて、話している姿を、見たかった。
頬に触れれば温かく、心までじわじわと沁みこんで行くようだ。
人との接触も8年振り。
葵ちゃん以外の人に、触れられたくなくて、必死に避けていたからね。
まぁ、ここ何年かは、俺に触れようとしたら、問答無用で斬るって言って、実際に何人かは、斬ってやった。
腕を軽くだけど。
次やったら、切り落とすと脅された奴らは、二度と近寄っては来なかった。
日本でやったら、とっくに捕まってるな。
それでも、一定の距離を保って、声をかけてくる奴等がいたんだよな・・・気持ち悪い。
葵ちゃん以外、無理だっていうのも、言ってあるのに。
何なのだろう、自分より上がいるって、理解できないのかね?
葵ちゃんを、余す所なく感じたい。
上掛けをどかし、頬から、首筋、鎖骨を辿り、ガウンのあわせから、手を滑り込ませ、触れていく。
掌だけじゃ物足りないな。
着ている服を全部脱ぎ、イスの上へと放り投げる。
ベッドに乗り上げ、葵ちゃんのガウンをそっと、脱がし全身を眺めた。
こんなにも、小さくて、華奢だっただろうか・・・
周りにいた男達に比べれば、スリムで小さく感じたけど、俺からしたら、充分に大きかった。
いつか、葵ちゃんより大きくなって、抱き締めたいと思っていたが、いまや、年齢まで追い越してしまった。
今の俺を、月夜として、受け入れてくれるのだろうか。
今の俺を、弟としてではなく、同じ想いの愛で、満たしてくれるのだろうか・・・
20
あなたにおすすめの小説
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
悪役令息の兄って需要ありますか?
焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。
その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。
これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。
しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです…
本当の花嫁じゃないとばれたら大変!
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
異世界転生してひっそり薬草売りをしていたのに、チート能力のせいでみんなから溺愛されてます
ひと息
BL
突然の過労死。そして転生。
休む間もなく働き、あっけなく死んでしまった廉(れん)は、気が付くと神を名乗る男と出会う。
転生するなら?そんなの、のんびりした暮らしに決まってる。
そして転生した先では、廉の思い描いたスローライフが待っていた・・・はずだったのに・・・
知らぬ間にチート能力を授けられ、知らぬ間に噂が広まりみんなから溺愛されてしまって・・・!?
異世界で孵化したので全力で推しを守ります
のぶしげ
BL
ある日、聞いていたシチュエーションCDの世界に転生してしまった主人公。推しの幼少期に出会い、魔王化へのルートを回避して健やかな成長をサポートしよう!と奮闘していく異世界転生BL 執着最強×人外美人BL
【完結】自称ヒロイン役を完遂した王家の影ですが、断罪パーティーをクリアした後に王太子がぐいぐい来ます。
竜鳴躍
BL
優秀過ぎる王太子×王家の影(失業)。
白い肌に黒髪黒瞳。小柄な体格で――そして両性具有。不出来な体ゆえ実の親に捨てられ、現在はその容姿を含め能力を買われて王家の影をしていたスノウ=ホワイト。男爵令嬢として王太子にハニトラを仕掛け、婚約者を悪役令嬢に仕向けて王太子への最終試験をしていたのだが、王太子は見事その試練を乗り越えた。これでお役御免。学園を退学して通常勤務に戻ろう――――――。
そう思っていたのに、婚約者と婚約解消した王太子がぐいぐい来ます!
王太子が身バレさせたせいで王家の影としてやっていけなくなり、『男子生徒』として学園に通うスノウとそんなスノウを妃にしたくてつきまとう王太子ジョエルの物語。
☆本編終了後にいちゃいちゃと別カップル話続きます。
☆エンディングはお兄ちゃんのおまけ+2ルートです。
僕のユニークスキルはお菓子を出すことです
野鳥
BL
魔法のある世界で、異世界転生した主人公の唯一使えるユニークスキルがお菓子を出すことだった。
あれ?これって材料費なしでお菓子屋さん出来るのでは??
お菓子無双を夢見る主人公です。
********
小説は読み専なので、思い立った時にしか書けないです。
基本全ての小説は不定期に書いておりますので、ご了承くださいませー。
ショートショートじゃ終わらないので短編に切り替えます……こんなはずじゃ…( `ᾥ´ )クッ
本編完結しました〜
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる