何で僕を?

大器晩成らしい

文字の大きさ
53 / 358

52

しおりを挟む
俺の誕生日は4月、葵ちゃんの誕生日は11月。

その間だけ、俺達の年齢は4歳差に縮まる。

でも、学年は縮まる事は無い。

5学年も離れていた。

俺が小学校1年の時、葵ちゃんは6年生。

登校する時、毎朝、手を繋いで行ってもらえ、嬉しかった。

でも、同じ学校に通えたのは、その、たったの1年間だけ。

俺が中学・高校・大学と進んでも、もう学校が重なる事はない。

まぁ、葵ちゃんが、大学受験に失敗するとか、2~3年休学するってなったら、同じになる事もあるかもだけど、はっきりいって、望み薄だ。

だって葵ちゃん、頭いいもんね。

俺がランドセルを背負って学校に言っている間に、どんどん葵ちゃんは大人になって、どんどん綺麗になっていく。

周りをうろちょろしている奴等は、そんな葵ちゃんと中学も高校も同じ所に進学し、ずっと一緒に過ごしている。

羨ましすぎる。

葵ちゃんは、ノーマルだから、男友達から恋愛感情を向けられているなんて、思ってもいない。

端から頭にない。

肩を抱かれても、手を引かれても、普通に受けいれて、笑っている。

そんな姿を見かける度、とても、いらいらするようになっていた。

嫉妬しているのだと気付くのに、そう時間はかからなかった。

いつの間にか俺も、恋愛感情で、葵ちゃんの事を見ていた事に気付いたから。

無いとは思っていても、アプローチされている姿を見れば、万が一を考えて、不安にもなった。

あいつ等と同じ土俵に、上がれてすらいないのだから。

同姓同士という事に、躊躇いはない。

目の前で、堂々と、アプローチしている奴等を見てきたからかな?

葵ちゃんに向けるこの感情が、おかしなものとは、思わなかった。



「月夜の気持ち、全然気付かなかった。でも、一緒にいた友達って、涼太とか、祐樹とか、駿の事?僕に気があったって?うそだね。それはないよ。アプローチってどんな?された覚えなんかないもん」

可哀想に、あんなにあからさまだったのに、当人には、気付いてもらえてさえいない。

やっぱり、ノーマル相手なのだから、態度からだけじゃ、解かってもらえる訳が無いんだよ。

何で、はっきりと言葉にしなかったのかな?

まぁ俺的には、ラッキーだったけど。


「大好きだよ。俺の全てを葵ちゃんにあげる。だから早く、葵ちゃんの身も心も全部、俺に頂戴。誰よりも大切にするから、一生、傍にいて欲しい」



しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

【完結】その少年は硝子の魔術士

鏑木 うりこ
BL
 神の家でステンドグラスを作っていた俺は地上に落とされた。俺の出来る事は硝子細工だけなのに。  硝子じゃお腹も膨れない!硝子じゃ魔物は倒せない!どうする、俺?!  設定はふんわりしております。 少し痛々しい。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

愛人少年は王に寵愛される

時枝蓮夜
BL
女性なら、三年夫婦の生活がなければ白い結婚として離縁ができる。 僕には三年待っても、白い結婚は訪れない。この国では、王の愛人は男と定められており、白い結婚であっても離婚は認められていないためだ。 初めから要らぬ子供を増やさないために、男を愛人にと定められているのだ。子ができなくて当然なのだから、離婚を論じるられる事もなかった。 そして若い間に抱き潰されたあと、修道院に幽閉されて一生を終える。 僕はもうすぐ王の愛人に召し出され、2年になる。夜のお召もあるが、ただ抱きしめられて眠るだけのお召だ。 そんな生活に変化があったのは、僕に遅い精通があってからだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...