何で僕を?

大器晩成らしい

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コンコン

「月夜様と葵様がいらっしゃいました」

やっと来たか。

昼に謁見の予定を組んだが、何故か夕刻にしてくれと、一方的に告げ、そそくさと帰って行った。

(*葵ちゃんの回復が、昼までに間に合わなかっただけである)

こっちにも都合というものが、なぁ。

理由ぐらい言う時間もないのか?

もう少し、敬いの気持ちがあっても良くないか?

宰相が、泣く泣く、予定を組みなおしていたが、


「お通ししろ」

「「失礼します」」

ビクッ

驚いた、失礼しますなんて言葉、知っていたのだな・・・

あれか?

もう一人が礼儀正しい子なのか?

一緒に声を発していたし。

月夜殿の後ろに隠れていて、見えんが。

やきもきしてると、月夜殿が振り返り、肩を抱いて、そっと前へと出るよう促がした。

静々と前へ来ると、お辞儀をして、

「初めまして、神永葵と申します。家名が神永で、名が葵です。葵とお呼び下さい」

きゅんときた。

滅茶苦茶可愛いではないか。

月夜殿には感じられなかった、謙虚さも感じる。

感動して涙が出そうだ。


横を見て、なるほど、だから、呼びもしないのに、勢揃いなのだなと納得した。

宰相と私だけで会うつもりでいたのだが。

王太子であるジェイドに、第二王子のアンバー、アメジスト魔術師長、シェル王室医薬師長、王太子補佐官のカルサイトまで。

召喚をした時にでも、見知ったのだろう。

まぁ、真面目なアンバーが、この場に来ているのは、少し意外な気はするが。

こちら側も、初めましても、そうでなくても、一人一人自己紹介をしていった。

ジェイドが王太子だと知って、随分と驚いた顔をしていたが、肩書きを伏せてでもいたのか?


月夜殿から、契約書類の確認をされ、今後の予定とお願いを聴かされたが、もうこれは、拒否権の無い決定事項だな。

結婚するというのは、まあそうだろうなと納得は出来る。

結婚相手にと考えるほど愛しているからこそ、葵殿の召喚を、協力する為の第一条件にしてきたのだろうし。

ただ、婚約発表をすっ飛ばすとは、思ってなかったし、結婚式まで、もう30日も無いとは、予想外だ。

今日まで相談が無かったのはどうしてだ?

「今日、会うついでに、招待客と当日の警備の事を相談しようと思って」

イヤイヤ、ついでにさらっと話すような事じゃないだろ?

なんなら、この前、急襲してきた時にでも、話していけば良かったのでは?

「あっ、そうそう、衣装の発注は、もう済ませていますから。それと、日にち的に招待客を集めるのが無理でしたら、別に二人だけの挙式でも構わないですよ」

構うわ!!

勇者の結婚式なのだから、二人だけって訳にはいかないだろ。

「国の威信をかけてでも、間に合わせてみせる」


ハァ~

頭痛がする。

後、何だったか、そうそう、『部屋付き侍従のラピスを葵殿の専任侍従に欲しい』だったか?

よいよい、もう好きにしてくれ。

宰相に、辞令を出すように言い、シェル王室医薬師長に頭痛薬の処方をお願いした。






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