何で僕を?

大器晩成らしい

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「あ~、見つけた~」

ビクッ


美味しいジュースを飲み干し、一息ついてから、フードを深く被りなおした。

もう今日は、宿に行ってゆっくりしようって話になって、月夜に結界を解いてもらい、冒険者ギルドを出たんだけど、その途端、ラピスさんに向かって突進してくる人が・・・

う~わ~。

ラピスさんの顔が、分かり易く引き攣ってるんだけど。

例の痴漢さんかな?

僕、出会わないように、祈ったのにな~

・・・もしかして、僕、フラグって奴を立ててたとか?


月夜は僕を囲いながら、ラピスさんに、撒いてから宿に戻るよう小声で伝え、他人の振りをして、歩き出した。

「(えっ、ちょっ、いいの?置いて来て大丈夫?)」

「(俺は、葵ちゃん以外に、優しくなんてできないから。さっき話した、腕を切り飛ばす云々は、冗談や嘘じゃなく、本気だから。あの場に留まらない方がいいだろ?)」

「(そうだけど・・・)」

「(それに、ラピスにしても、俺達を巻き込むのは、本意じゃないから。こうやって、離れてあげるのが、正解だから、OK?葵ちゃん)」

「(そういうものなの?)」

「(そう。そういうものなの。納得した?・・・うん、OKだね。じゃあ、俺達は、せっかくだから、街中をちょっと見に行こうか。宿には、そうだな・・・ラピスが戻る前に、着けばいいんじゃないか?)」

う~ん。

ラピスさんが戻るまでって、どのくらいの時間を見積もってるのかな?

聞いた感じ&見た感じ、しつこそうだから、振り切るの大変かも。

30分位・・かな?

「(1時間は回れそうだな)」

そんなに?!

「(聞いた感じ、自分に余程の自信があるみたいだし、プライドにかけて、落としてやるって考えていそうだからな、あれ。そもそも、こっぴどく拒絶されたら、見つけようなんて思わないよな?普通。なのに、第1声が〝あ~、見つけた~〟って。ププッ、ラピスも可哀相になぁ、変なのに目を付けられて。俺みたいにバッサリ切っちゃえばいいのに。楽だぞ?二度と近寄ってこなくなるから)」

あ~、う~ん。

その人、生きてる?

腕だけじゃなく、命ごと切り捨ててない?

それ。

月夜みたいな対応をする人なんて、他にはいないと思うよ?



早く解放されますように。

ラピスさん、がんばっ。

とりあえず、心の中で、応援だけしておこう。




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