何で僕を?

大器晩成らしい

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どうしかけてくるのか分からないので、最大に警戒をしながら、動向を窺う事に。

「うわっ、っとっとお、すみません」

・・・

私としたことが、思考が一瞬止まってしまいました。

近くまで来たと思ったら、目の前で、手に抱えていた果物をわざと落とし・・・これはあれですかね、ハプニング的な出会いを演出してるとか?

そんな手で来るとは。

強硬手段は控えたのですかね、一応。

あれを見たからでしょうか。

彼の思惑通り、咄嗟にしゃがんで拾ってあげようとした葵様の腰を、月夜様がガッチリホールドし、流れるように抱き上げた為、失敗に終わってますが。

「えっ、ちょっ、月夜?」

何事も無かったかのように、落ちた果物を避け、月夜様が歩き出したので、葵様が戸惑ってますね。

では、私がフォローしておきましょうかね。

「すぐに追いつきますので、お先に行ってて下さい」

そう月夜様に言って、足元に落ちている果物を拾いながら、その男だけに聞こえるよう小声で告げた。

「大漁旗を出てすぐの所から、隠れながら、ずっと付いて来ていたのを、知っていますよ。忠告です。あの方達に付き纏ったり、進路を塞ぐのは、お止め下さい。次は容赦なく捕縛し、牢屋にぶち込みますよ」

「フハッ、そんな事で、牢屋にぶち込むなんて、できないだろ?」

「できますよ?彼らには手を出すなと、国王が直接、公布されてますから。ご存じないですか?試してみますか?人生をかける事になりますので、お勧めはしませんが。・・・私からの忠告は、以上です。他に話す事はありませんので、これで、失礼しますね。後は、ご自分で拾って下さい」

手にしていた果物を男に渡し、その場を後にした。

月夜様が歩いて行かれた方へ、足早に進むと、別れ道の手前の木陰で立ち止まり、こちらへ振り返ったのが見えた。

どうやら、私が追いつくのを、待っていてくれてるようですね。

さらに足を速め、お二人の許へ。

「お待たせしました」

「ん~ん。ありがとう。大丈夫だった?怪我とかさせられてない?治療が必要だったら、遠慮せず言ってよ?」

おや?

月夜様から、あの場をすぐに立ち去った理由と、私が残った理由でも、お聴きしたのですかね?

・・・葵様は、優しいですね。

仕事としてやって当たり前と認識されているので、侍従に対し、その様な声がけをしてくれる方等、いないのですよ?

葵様の専任侍従になれて、私は幸せ者ですね。

「ありがとうございます。どこもなんともありませんよ」




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