何で僕を?

大器晩成らしい

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葵ちゃんが、俺の肩に顔を擦りつけながら眠りに入って暫らくして、ボールサムさんが戻ってきたけど、あまりにも可愛らしい寝顔なものだから、起こしてあげるなんて言ったけど、起こし難くて、ついついそのままに。

ボールサムさんの提示した総額の内、8割の金額を、俺のギルドカードから振り替える形で支払った。

領収書を書いて貰い、無くさない様、収納にしまった。

「では、次お会いするのは、別荘の引渡しの時ですね。出来上がりましたら、ご連絡致しますので、現地集合という事で、宜しいでしょうか?」

「ええ、それでお願いします」

「はい、では、最高の職人で最高の別荘を建てさせて頂きますので、楽しみにしていて下さいね」

職人ギルドから出て、馬車に乗り込むまで、お見送りをされた。

あ~、そう言えば、後でじっくり作品を見ようって約束したんだった。

でも、思った以上に時間がかかったからなぁ。

・・・また今度、セカンドハウスに泊まる時にでも、連れてこよう。


久しぶりにセカンドハウスに戻ってきた。

ラピスが馬を馬車から外し、馬房に入れてくるのを玄関で待ち、全員にクリーンをかけてから、屋敷に入った。

「俺も、もう寝るから、ラピスも自由にしてくれ」

「では、お飲み物だけ、お持ちしますので、その後、自分の部屋へと引き上げさせて頂きます」

「じゃあ、それで」

葵ちゃんを抱えながら階段を上り、一番奥の突き当たり。

扉を開け、ベッドに腰かける。

葵ちゃんの靴や靴下を脱がせ、上着も全部、脱がせてから、ベッドの上にそっと横たえた。

ズボンのボタンを外し、下着ごと剥ぎ、靴以外全部収納へ。

収納から2枚、バスローブを取り出し、葵ちゃんに着せてから、布団をかけ、自分もさっさと、バスローブに着替え、葵ちゃんの横へと滑り込んだ。

少しして、ラピスが飲み物を持ってきて、サイドテーブルの上に置き、タッセルを外し、天蓋のカーテンを閉め、〝お休みなさいませ〟と小さな声で、言ってから部屋を出て行った。

葵ちゃんを腕に閉じ込め、幸せを感じながら、眠りについた。



パチッと、目が覚めた。

まだ薄暗い。

「ジュースの飲み過ぎか?」

葵ちゃんを起こさないよう、ベッドからそっと抜け出し、トイレへ。

用を足し、クリーンをかけたら、お腹がぐ~と鳴った。

・・・小腹が空いた。

かといって、俺の収納の中の、ちょっとつまめる物っていったら、果物しかないんだよなぁ。

これって、洗った方かいいのか?

よく分かんないけど、食堂にいって、葡萄とイチゴを軽く洗い、器に盛って、ちょっとつまんでから、残りは収納にしまった。

葵ちゃんが起きたら、一緒に食べよう。


カチャ

部屋に戻ると、葵ちゃんが身体を起こしているのが、シルエットで分かった。

4重に重ねられた、レースのカーテンを払いのけながら、葵ちゃんに、「起きちゃった?まだ、寝てていいよ」って声をかけた。

?返事がない?

「葵ちゃん?どうしたの?」

俯いて座ったまま、動かないから、下から顔を覗きこんだ。

「えっ!?何?」

葵ちゃんが泣きそうな顔をしていた。




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