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第五部 調教(香奈子)
第二十九章2 調教
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※※※※※※※※※※※※※※※
ステージを観ていた時の記憶が蘇る。
『ほらオネダリしてごらん、香奈子・・・?』
頭の奥で声が響く。
『苛めて下さいって・・ほら・・・』
ムチを持った女の残像が脳裏に消える事なく焼きついていた。
鮮烈なショーは香奈子の心を捕らえ、マゾの本能を呼び覚ましたのだ。
膨れ上がった興奮に、死をも覚悟した固い決意はもろくも崩れ去ってしまった。
今、香奈子は禁断の果実を自らの意思で手にしようとしている。
『貴方が望まない限り僕は決して手を出しませんよ』
男は約束通りに、自分からは何もしようとしなかった。
少なくとも香奈子はそう感じていた。
『あふぅ・・んん・・あぁ・・い、いい・・・』
ショーを観ながらされた愛撫も拒む事無く、むしろ催促するように甘い声を男に投げかけていたのだ。
『苛めて欲しかったら自分からお願いするんだよ』
『は・・・い・・・』
ステージで女を調教する声はまるで自分に命じているようで、香奈子は素直に返事をしていた。
『ねぇ、お願い・・あぁ・・ね、ねぇ・・・』
愛撫する太い腕にしがみつくように声を絞り出す香奈子の願いを、竹内は満足そうな顔で聞いていた。
『本当にいいんだな、香奈子・・・?』
念を押す言葉に、コクリと頷いた。
『じゃあ、行こうか・・・』
男は抱きかかえるように香奈子を立ち上がらせると、ステージに視線が釘付けになっているギャラリーの群れを抜けて会場の奥へと連れて行った。
扉を抜けた通路に並ぶ幾つかの部屋の一つに入ると、竹内は細い腰を抱き寄せた。
唇が重ねられると、香奈子は直ぐに応じた。
『んっ・・ふぅ・・・』
抱きしめる両手は絡めあう舌の動きと共に広い背中を泳いでいた。
(わ、わたし・・もう、だめぇ・・・)
うっすらと開いた目が竹内の顔を見つけると、ヤニ臭い味をかみ締めながら香奈子は理性を放棄し全てを捧げる事にしたのだ。
雲間に見え隠れする月のように揺れ動いた感情も、男の執拗で巧妙な罠に落ちると、その歪な官能におぼれていくしかなかったのである。
(竹内さん・・・あぁ・・竹内さん・・・)
『んぐぅっ・・んふぅっ・・・』
吸い取られるままに差し出した舌を自らも絡ませていく香奈子は強烈に意識していた。
(わたし・・この人から逃げられない・・・)
自分ではどうする事も出来ない欲望に香奈子は負けたのだった。
(あぁ・・も、もう・・好きにしてぇ・・・)
ステージを観ていた時の記憶が蘇る。
『ほらオネダリしてごらん、香奈子・・・?』
頭の奥で声が響く。
『苛めて下さいって・・ほら・・・』
ムチを持った女の残像が脳裏に消える事なく焼きついていた。
鮮烈なショーは香奈子の心を捕らえ、マゾの本能を呼び覚ましたのだ。
膨れ上がった興奮に、死をも覚悟した固い決意はもろくも崩れ去ってしまった。
今、香奈子は禁断の果実を自らの意思で手にしようとしている。
『貴方が望まない限り僕は決して手を出しませんよ』
男は約束通りに、自分からは何もしようとしなかった。
少なくとも香奈子はそう感じていた。
『あふぅ・・んん・・あぁ・・い、いい・・・』
ショーを観ながらされた愛撫も拒む事無く、むしろ催促するように甘い声を男に投げかけていたのだ。
『苛めて欲しかったら自分からお願いするんだよ』
『は・・・い・・・』
ステージで女を調教する声はまるで自分に命じているようで、香奈子は素直に返事をしていた。
『ねぇ、お願い・・あぁ・・ね、ねぇ・・・』
愛撫する太い腕にしがみつくように声を絞り出す香奈子の願いを、竹内は満足そうな顔で聞いていた。
『本当にいいんだな、香奈子・・・?』
念を押す言葉に、コクリと頷いた。
『じゃあ、行こうか・・・』
男は抱きかかえるように香奈子を立ち上がらせると、ステージに視線が釘付けになっているギャラリーの群れを抜けて会場の奥へと連れて行った。
扉を抜けた通路に並ぶ幾つかの部屋の一つに入ると、竹内は細い腰を抱き寄せた。
唇が重ねられると、香奈子は直ぐに応じた。
『んっ・・ふぅ・・・』
抱きしめる両手は絡めあう舌の動きと共に広い背中を泳いでいた。
(わ、わたし・・もう、だめぇ・・・)
うっすらと開いた目が竹内の顔を見つけると、ヤニ臭い味をかみ締めながら香奈子は理性を放棄し全てを捧げる事にしたのだ。
雲間に見え隠れする月のように揺れ動いた感情も、男の執拗で巧妙な罠に落ちると、その歪な官能におぼれていくしかなかったのである。
(竹内さん・・・あぁ・・竹内さん・・・)
『んぐぅっ・・んふぅっ・・・』
吸い取られるままに差し出した舌を自らも絡ませていく香奈子は強烈に意識していた。
(わたし・・この人から逃げられない・・・)
自分ではどうする事も出来ない欲望に香奈子は負けたのだった。
(あぁ・・も、もう・・好きにしてぇ・・・)
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