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渋谷
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部屋の片づけがひと段落した時、1時を回っていた。
「ちょっと寮に戻ってくる。汗ばんだからシャワーも浴びたいし、服も汚れたろうから着替えたい。」
「そうだね、俺も着替えたほうがいいかな。」
「2時に大学前駅で待ち合わせましょ。」
「今日はありがとう。助かった。」
「いいの。それより携帯の番号交換しとこ。」
二人は携帯の番号を登録しあい、LINEにも登録できたことを確認した。
男の準備や着替えなどたかがしれている。さっとシャワーを浴び、髪にくしを入れて服を着れば終わり。
服を着れば。
「う~ん。」
黒江は、無理におしゃれとか考えなくていいですよ、とは言ったが。
下手な恰好したら田舎もんとバカにされないかな、と考えてしまう白野だった。
手持ちの服の大半は、母親が買ってきてくれたものだ。自分で買ったものもあるが少ない。できれば東京の大学に行きたいと、服を買いに行く時間を惜しんで勉強に精を出したからしょうがない。
「黒江さんを信じよう。」
新宿なんていう東京の代表的なところだってすでに歩いたんだし。
駅で迷っただけのくせに、そんなことを考え、ジーンズに手を伸ばした。
「待った?」
「いや、来たばかり…。」
白野の目に映ったのはスカートをはいた黒江だった。
春物らしい淡いピンクのカーディガンに白のブラウス、ミニスカートにニーソックス。絶対領域に目が行ってしまうのは悲しい男のサガであろう。
「どこ見てます。」
「スカート。」
「それだけですか?」
「上半身も見てるよ、嘘じゃない。カワイイと思うよ。」
「あら、お世辞言っても何にも出ませんよ♪」
「お世辞じゃない。」
もう一度、黒江の顔から足元まで見る。カワイイ。
「それにしても黒江さんもスカートはくんだ。」
何か言おうと思って白野がひねり出した言葉がこれだった。もう少し気の利いたことを言いたい、心底思った。
「そりゃ、午前中は片づけだったから作業しやすい汚れてもいい格好ですよ。今からは、お出かけですから、女の子らしい格好です。」
「昨日もジーンズだったから。」
「昨日は、寮の私の部屋を片付けしてたんです。終わったところで共用スペースに行ったら『Mark2eyeball』を見つけたんですよ。」
何か違う。ドキマギしながら白野は黒江を見た。髪型と黒縁メガネは午前中と同じだ。でも何か違う。午前中より明らかにカワイイ。スカートをはいたせいだろうか?
ヤバイ、服もう少し考えるんだった。一緒に歩いて大丈夫かな。
そんなことを考えてしまう白野だった。
「スクランブル交差点はご存知ですね。」
「確か、ハロウィンとかW杯で人が集まるところだよね。」
白野もニュースなどで見たことくらいはある。
「そこにスタバがあります。そこで食事をしましょ。」
「スタバってコーヒーショップでしょ。食べるものって。」
「確かに男の子には物足りないかもしれませんけど、付き合ってください。」
「まぁ、色々食べれば大丈夫かな。」
黒江の上目遣いに完璧にやられる白野だった。
「白野さん、2階の窓際の席を確保してきてください。私は注文してきます。」
「じゃぁ、ホットコーヒーのグランデ、ミックスサンドとクラブハウスサンドをお願い。」
トレイを重そうに持ってくる黒江を見て、ボディバッグを置いて迎えに行った。
「ごめんね、俺が持つよ重いでしょ。」
「お願いします。」
黒江は白野にトレイを渡すと席に急いで座った。
白野は、黒江の隣に座り、自分の分を前に置いて、トレイごと黒江の分を黒江の前に置いた。
「それにしても急に渋谷に行こうって言い出したよね、なんで?」
「白野さんが、私に『超能力を見る超能力』があると言ったからですよ。本当にそうなのかわかりませんが、もしそうなら超能力者を見つけやすいだろうな、と思いまして。」
「超能力者と知り合いたいの?」
「はい、できれば多くの人と。」
「なんでまた。」
「他の超能力者が、自身の超能力をどう考えているのか、どう向き合っているのか知りたいんです。」
「ちょっと寮に戻ってくる。汗ばんだからシャワーも浴びたいし、服も汚れたろうから着替えたい。」
「そうだね、俺も着替えたほうがいいかな。」
「2時に大学前駅で待ち合わせましょ。」
「今日はありがとう。助かった。」
「いいの。それより携帯の番号交換しとこ。」
二人は携帯の番号を登録しあい、LINEにも登録できたことを確認した。
男の準備や着替えなどたかがしれている。さっとシャワーを浴び、髪にくしを入れて服を着れば終わり。
服を着れば。
「う~ん。」
黒江は、無理におしゃれとか考えなくていいですよ、とは言ったが。
下手な恰好したら田舎もんとバカにされないかな、と考えてしまう白野だった。
手持ちの服の大半は、母親が買ってきてくれたものだ。自分で買ったものもあるが少ない。できれば東京の大学に行きたいと、服を買いに行く時間を惜しんで勉強に精を出したからしょうがない。
「黒江さんを信じよう。」
新宿なんていう東京の代表的なところだってすでに歩いたんだし。
駅で迷っただけのくせに、そんなことを考え、ジーンズに手を伸ばした。
「待った?」
「いや、来たばかり…。」
白野の目に映ったのはスカートをはいた黒江だった。
春物らしい淡いピンクのカーディガンに白のブラウス、ミニスカートにニーソックス。絶対領域に目が行ってしまうのは悲しい男のサガであろう。
「どこ見てます。」
「スカート。」
「それだけですか?」
「上半身も見てるよ、嘘じゃない。カワイイと思うよ。」
「あら、お世辞言っても何にも出ませんよ♪」
「お世辞じゃない。」
もう一度、黒江の顔から足元まで見る。カワイイ。
「それにしても黒江さんもスカートはくんだ。」
何か言おうと思って白野がひねり出した言葉がこれだった。もう少し気の利いたことを言いたい、心底思った。
「そりゃ、午前中は片づけだったから作業しやすい汚れてもいい格好ですよ。今からは、お出かけですから、女の子らしい格好です。」
「昨日もジーンズだったから。」
「昨日は、寮の私の部屋を片付けしてたんです。終わったところで共用スペースに行ったら『Mark2eyeball』を見つけたんですよ。」
何か違う。ドキマギしながら白野は黒江を見た。髪型と黒縁メガネは午前中と同じだ。でも何か違う。午前中より明らかにカワイイ。スカートをはいたせいだろうか?
ヤバイ、服もう少し考えるんだった。一緒に歩いて大丈夫かな。
そんなことを考えてしまう白野だった。
「スクランブル交差点はご存知ですね。」
「確か、ハロウィンとかW杯で人が集まるところだよね。」
白野もニュースなどで見たことくらいはある。
「そこにスタバがあります。そこで食事をしましょ。」
「スタバってコーヒーショップでしょ。食べるものって。」
「確かに男の子には物足りないかもしれませんけど、付き合ってください。」
「まぁ、色々食べれば大丈夫かな。」
黒江の上目遣いに完璧にやられる白野だった。
「白野さん、2階の窓際の席を確保してきてください。私は注文してきます。」
「じゃぁ、ホットコーヒーのグランデ、ミックスサンドとクラブハウスサンドをお願い。」
トレイを重そうに持ってくる黒江を見て、ボディバッグを置いて迎えに行った。
「ごめんね、俺が持つよ重いでしょ。」
「お願いします。」
黒江は白野にトレイを渡すと席に急いで座った。
白野は、黒江の隣に座り、自分の分を前に置いて、トレイごと黒江の分を黒江の前に置いた。
「それにしても急に渋谷に行こうって言い出したよね、なんで?」
「白野さんが、私に『超能力を見る超能力』があると言ったからですよ。本当にそうなのかわかりませんが、もしそうなら超能力者を見つけやすいだろうな、と思いまして。」
「超能力者と知り合いたいの?」
「はい、できれば多くの人と。」
「なんでまた。」
「他の超能力者が、自身の超能力をどう考えているのか、どう向き合っているのか知りたいんです。」
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