10 / 77
渋谷(3)
しおりを挟む
1時間以上粘ったが、超能力が使われた形跡を発見することはなかった。
「簡単にはいかないわね。」
「そりゃそうだよ。」
スタバを出て、特にあてもなく歩き始めた。
「思うけど、市ヶ谷とかどうかな?自衛隊の本部があるとこ。」
「自衛隊が超能力者を使っていると?」
「漫画とかでさ、国家で超能力の研究してるとかあるじゃん。そんな感じで。」
「漫画とかアニメですか。」
「ただ、ここでじっと見ているより、漫画とか参考にしてでもいいから、いそうなところうろつくのも手じゃないかな。」
「う~ん。」
「そうでなくったって、超能力を使わないとわからないでしょ。渋谷の街中でどんな超能力を使うのか、使う動機になりそうなことあるのかな。」
「そうですね、動機は大事ですね。」
白野さんの言う通りだな、と黒江は思った。
「この渋谷、スクランブル交差点では多いときは3000人の人が渡るそうです。1時間で万単位の人間が渡るのだから、一人くらいいるんじゃないかと考えてました。」
「何万何十万何百万いてもいない時はいないんだよ。」
「上京して、3日もたたないうちに白野さんと知り合えましたから、簡単に考えてしまったのかも。無駄につきあわせて申し訳ないですね。」
「気にしなくていいよ。俺も渋谷見物くらいはしたかったし。」
「今度は、白野さんの言う、市ヶ谷や霞が関、丸の内なんかに行ってみましょう。」
「いいかもね。永田町や兜町にも。」
「皇居とかも見てみたいですね。案外超能力者がいたりして。東京って風水とかで結界が張られているなんて話もあるじゃないですか。」
「超能力と、風水や魔術は違うでしょ。」
「いや、どうでしょう。ほら呪文を唱えて魔術って使うでしょ。私たちは『見たい』とか『時よ止まれ』という簡単な言葉で使っているけど、人によっては呪文で超能力を使うのかもしれませんよ。」
「なるほど、で、昔は超能力なんて言葉がないから魔術と呼んでいたと。」
「そう、風水なんかもひょっとしたら超能力を使いやすい環境を整える技術だったりするかもしれません。」
そういうと黒江は、こぶしを口に当てて笑い始めた。
何がツボに入ったんだろう、そう思いながら白野は、黒江の笑いが収まるのを待った。
ひとしきり笑うと、黒江は白野の方を向いた。満面の笑みだった。
「いや、ごめんなさい、急に笑い出して。」
「いいけど、何が黒江さんのツボに入ったのかわからない。」
「いえ、魔術だ超能力だと普通の人じゃこんな話真面目にできないじゃないですか。それができるのが楽しくて。」
「あぁ、なるほど。」
黒江さん、俺と違って何年も悩んでいたんだよな。
「俺ならいつでもつきあうから、気軽に声かけてね。」
「ありがとうございます。でも今後アルバイトとかサークルとかで時間とられるんじゃないですか。」
「う、黒江さんはどうするの?」
確かに、バイトやサークル以外にも、学部が違うからすれ違うことが多くなるかもしれない。
「サークルくらいは入ろうかな、と思っています。アルバイトは、父からしなくていい、勉強に専念しろと言われてます。」
「何に入るとか決めてる?」
「いえ、まだ。ただ、運動は苦手なんでその辺は避けようと思います。白野さんは?」
「サークルは特に考えてない。バイトはしないといけないかな。ただ、すぐにやるんじゃなくて4月くらいは様子を見てどのくらいバイトに時間を割けるか判断しなさい、って親に言われてる。」
「白野さんは、公務員志望だから勉強もしないといけないんですよね。」
「そうだけど、まぁなんとか時間は作るよ。」
「ありがとうございます。無理はしないで下さいね。」
「でもさ、思ったけど、教養課程なら学部関係ないから一緒の取れるんじゃなかったっけ。」
「科目によりますよね。先輩にも色々聞いてみます。」
そんな話をしながら歩いていて、気が付くと路地裏だった。
「ここどこでしょう?」
「あ、話に夢中になって変なところ迷いこんじゃったね。」
その時、目の前の角から女性が飛び出してきた。
黒江の目には、女性の体が青い光に包まれていた。
「簡単にはいかないわね。」
「そりゃそうだよ。」
スタバを出て、特にあてもなく歩き始めた。
「思うけど、市ヶ谷とかどうかな?自衛隊の本部があるとこ。」
「自衛隊が超能力者を使っていると?」
「漫画とかでさ、国家で超能力の研究してるとかあるじゃん。そんな感じで。」
「漫画とかアニメですか。」
「ただ、ここでじっと見ているより、漫画とか参考にしてでもいいから、いそうなところうろつくのも手じゃないかな。」
「う~ん。」
「そうでなくったって、超能力を使わないとわからないでしょ。渋谷の街中でどんな超能力を使うのか、使う動機になりそうなことあるのかな。」
「そうですね、動機は大事ですね。」
白野さんの言う通りだな、と黒江は思った。
「この渋谷、スクランブル交差点では多いときは3000人の人が渡るそうです。1時間で万単位の人間が渡るのだから、一人くらいいるんじゃないかと考えてました。」
「何万何十万何百万いてもいない時はいないんだよ。」
「上京して、3日もたたないうちに白野さんと知り合えましたから、簡単に考えてしまったのかも。無駄につきあわせて申し訳ないですね。」
「気にしなくていいよ。俺も渋谷見物くらいはしたかったし。」
「今度は、白野さんの言う、市ヶ谷や霞が関、丸の内なんかに行ってみましょう。」
「いいかもね。永田町や兜町にも。」
「皇居とかも見てみたいですね。案外超能力者がいたりして。東京って風水とかで結界が張られているなんて話もあるじゃないですか。」
「超能力と、風水や魔術は違うでしょ。」
「いや、どうでしょう。ほら呪文を唱えて魔術って使うでしょ。私たちは『見たい』とか『時よ止まれ』という簡単な言葉で使っているけど、人によっては呪文で超能力を使うのかもしれませんよ。」
「なるほど、で、昔は超能力なんて言葉がないから魔術と呼んでいたと。」
「そう、風水なんかもひょっとしたら超能力を使いやすい環境を整える技術だったりするかもしれません。」
そういうと黒江は、こぶしを口に当てて笑い始めた。
何がツボに入ったんだろう、そう思いながら白野は、黒江の笑いが収まるのを待った。
ひとしきり笑うと、黒江は白野の方を向いた。満面の笑みだった。
「いや、ごめんなさい、急に笑い出して。」
「いいけど、何が黒江さんのツボに入ったのかわからない。」
「いえ、魔術だ超能力だと普通の人じゃこんな話真面目にできないじゃないですか。それができるのが楽しくて。」
「あぁ、なるほど。」
黒江さん、俺と違って何年も悩んでいたんだよな。
「俺ならいつでもつきあうから、気軽に声かけてね。」
「ありがとうございます。でも今後アルバイトとかサークルとかで時間とられるんじゃないですか。」
「う、黒江さんはどうするの?」
確かに、バイトやサークル以外にも、学部が違うからすれ違うことが多くなるかもしれない。
「サークルくらいは入ろうかな、と思っています。アルバイトは、父からしなくていい、勉強に専念しろと言われてます。」
「何に入るとか決めてる?」
「いえ、まだ。ただ、運動は苦手なんでその辺は避けようと思います。白野さんは?」
「サークルは特に考えてない。バイトはしないといけないかな。ただ、すぐにやるんじゃなくて4月くらいは様子を見てどのくらいバイトに時間を割けるか判断しなさい、って親に言われてる。」
「白野さんは、公務員志望だから勉強もしないといけないんですよね。」
「そうだけど、まぁなんとか時間は作るよ。」
「ありがとうございます。無理はしないで下さいね。」
「でもさ、思ったけど、教養課程なら学部関係ないから一緒の取れるんじゃなかったっけ。」
「科目によりますよね。先輩にも色々聞いてみます。」
そんな話をしながら歩いていて、気が付くと路地裏だった。
「ここどこでしょう?」
「あ、話に夢中になって変なところ迷いこんじゃったね。」
その時、目の前の角から女性が飛び出してきた。
黒江の目には、女性の体が青い光に包まれていた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
私の守護霊さん
Masa&G
キャラ文芸
大学生活を送る彩音には、誰にも言えない秘密がある。
彼女のそばには、他人には姿の見えない“守護霊さん”がずっと寄り添っていた。
これは——二人で過ごした最後の一年を描く、かけがえのない物語。
【完結】皇帝の寵妃は謎解きよりも料理がしたい〜小料理屋を営んでいたら妃に命じられて溺愛されています〜
空岡立夏
キャラ文芸
【完結】
後宮×契約結婚×溺愛×料理×ミステリー
町の外れには、絶品のカリーを出す小料理屋がある。
小料理屋を営む月花は、世界各国を回って料理を学び、さらに絶対味覚がある。しかも、月花の味覚は無味無臭の毒すらわかるという特別なものだった。
月花はひょんなことから皇帝に出会い、それを理由に美人の位をさずけられる。
後宮にあがった月花だが、
「なに、そう構えるな。形だけの皇后だ。ソナタが毒の謎を解いた暁には、廃妃にして、そっと逃がす」
皇帝はどうやら、皇帝の生誕の宴で起きた、毒の事件を月花に解き明かして欲しいらしく――
飾りの妃からやがて皇后へ。しかし、飾りのはずが、どうも皇帝は月花を溺愛しているようで――?
これは、月花と皇帝の、食をめぐる謎解きの物語だ。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる