わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

すんのはじめ

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第3章

3-6

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 次のプールの授業の時、クラスに別れて、最初はバタ足の練習から始まったのだが、私は、女の子の組ではトップだった。そして、2回目は上原璃々に続いてゴールしていた。次の腕だけで泳ぐ時には、女の子の真ん中当たりだったけど・・・。

 ターンの練習の時には、脚を揃えてグイグイと・・・これも、山本さんに教えてもらったのだ。蹴りが強いので 水中での時間も私が一番長かった・・・潜水なんかは得意で慣れたものだった。

「水島さん この前とは、見違えるようだね 腕の動きはぎこちないけど、すばらしいよ」と、指導員の人から・・

「うん この前 みんなから おぼれているみたいだった言われたから・・ みゅうみゅんは進化するんだよ!」

「ふふっ 進化かー もう 少し 手の平の潜らせ方 こんな具合にしてみたら・・」

 その後、自由練習の時、泉希に見てもらいながら、教わった通りにやってみていたのだ。その日の最後の100mの時、私は、面白いように自分が進んでいるのを感じていた。そして、男の子5人 女の子2人だったけど、私は4番目でゴールしていた。

「水島さん 君は 素質あるみたいだ スィミングクラブなんかで練習すると、もっと伸びるんだけどなぁー」

「みゅうみゅんは 泳ぐより走るん方が好きやしー それに、そんなクラブに通う お金も無いから」

「今は、スポーツクラブでも優遇制度があるから、一度、考えてみてもいいんじゃあないか? もったいないよ その素質」

「ええ その気になったらね」

 終わった後、みんなも寄ってきてくれて

「みゅん あんたは やっぱり 不思議ちゃんだね」と、泉希が感心していた。

「島育ちを反省したんか? 田舎の島なんかではな! 通用せんことわかったんやろー?」

「道弘 なんやってー みゅうみゅんのことはええけどー 島をバカにするんかぁー! 承知せーへんどー」と、私は顔を寄せて向かっていった。

「えー そんなんちゃう すまん もぉー 恐いなぁー この前とは 別人みたいだったぞ 負けん気強いから 叩かれると伸びるんやなー」

「それ!  ほめてるんかー? でも、道弘にだけは言われたぁーないわー」

「それにしても 8月のクラス対抗 代表選手に決まりだなー」

  その翌週のプールの授業の時、最後の100m泳いだ時に、私は3番目にゴールしていた。自分でもすいすい進んでいるのがわかっていたのだ。トップはやっぱり、上原璃々。

 その後は、期末テストが始まって、泉希ちゃんから

「いい? 落ち着いてね みゅんは 出来るんだから パッと見て わからないなって思ったら 後回しにして、先に進むのよ 時間が無くなって来ると、余計に焦るから・・・」

「うん わかった パニクらないようにする」

 泉希ちゃんは、1科目が終わるごとに来てくれて、励ましてくれたのだ。私の頼りになる親友。


 1学期の終業式の前、通知表を渡すのに、保護者と一緒にと言うことになっていたので、私はばっちゃんと行くことになっていた。名簿順なので、私は午後に振り分けられていた。

 廊下で用意された椅子に座って番が来るのを待っていたのだけど、隣はすみれちゃんだった。ばっちゃんにも、仲良くしてもらってる子なんだよって、紹介すると、ばっちゃんも向こうのお母さんに挨拶をして、お転婆娘なんですけど、よろしくとお願いしますと、余計な挨拶をしていた。上品そうな人。そして、私の番が来て、教室に入って、最初に通知表が渡された。国語と社会は一重丸だったけど、その他は二重丸が並んでいた。それを見て、ばっちゃんが

「はぁー 二重丸 ばっかしですねー 五重丸は 一個も無いんですね」と、ため息に近い感想を言っていたら

「おばあさん 違うんですよ 今は 二重丸が最高の評価です 水島さんは、転校してきたのに 頑張ってるんです 中間テストの時と比べても、各段に点数が伸びています 中間テストは殆ど50点以下だったものが、期末テストは全部倍以上に 算数なんかは100点満点です」と、中間デストと期末テストの成績表を見せていた。

「まぁ 国語と社会は70点前後ですけど、それ以外は全部90点以上です 期末だけで言ったら クラスで4番目の成績なんです だから、少し甘かったかもしれませんが 僕は 努力してるんだなって これからの期待も込めて評価しました」

「へっ これは 良い評価なんですか?」

「と思います 全部 最高ってわけじゃぁ無いけど 水島さんは 活発で明るいから、すぐに皆とうちとけています 実は、僕は前の島の学校の先生に、どんな子なんかと聞いたんです 僕も、初めてだったんで心配ですから・・・そうとう手こずらせますよって言われたんだけど 覚悟してた程じゃぁなかった 叱っても、素直で良い子です みんなからも好かれているし 相変わらず お転婆ですけどね」

「そうなんですかー 安心しました。 とにかく 娘から預かっているんで 変な風に育てるとねぇー 娘はこの子を聖女学院に入れたいと言ってるんですけど 塾に通わせた方が良いんでしょうかね?」

「まぁ それは なんとも・・・ ただ このままの調子で 水島さんが頑張れば その必要も無いとは思いますが・・・ ようやく 違う環境に慣れたのに もう 少し 様子を見た方が僕は良いと思います いま 彼女はすごく学校生活を楽しんでいますよ」

 ばっちゃんは、先生の言葉を聞いて、何となく安心したみたいだった。そして、終わろうとしたとき、私は

「先生 もっと 笑顔の方が良いよ 女の子はみんな怖いって言ってるよ!」と、敬礼したら

「こらっ! 水島あぁー ・・・ う~ん 心がけるよ」

 そして、その夜。じっちゃんが島のお母さんにTV電話を継ないでくれて

「実海 頑張ったねぇー えらいぞー その調子でね」

「うん 頑張ってるつもりだよ 友達も親切な子ばっかーだし 楽しい」

「そう 良かったわー 男の子と喧嘩してない?」

「だからー みゅうみゅんは喧嘩してるん違うよー 向こうが女の子をいじめてるからやー」

「・・・まぁ 誰とでも 仲良くして みんなから愛される子になってね」

 その後も、プールのこととかも話したけど、たっ君と会って居ることは、最後まで話せなかったのだ。     

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