わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

すんのはじめ

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第5章

5-2

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 まもなく、運動会とか、中間考査があって、何となくたっ君とも疎遠になっていた。そして、陸上記録会とか言うのがあって、100m、400m、1000m走に走り幅跳び、高跳びとソフトボール投げなのだ。

  100mから始まって、記録で順位をつけるのだけど、私は13秒を切っていて、先生は驚いてしまって、念入りに確認をしていた。そして、2番目は上原璃々で、こっちも14秒を切っていて速い方なのだ。次は泉希ちゃんが3番目だった。

 その間に、幅跳びとか高跳び、ソフトボール投げがあって、幅跳びと高跳びは上原璃々がトップで、ソフトボール投げは泉希ちゃんがトップだった。だけど、いつもこの3人が最後まで競い合っていたのだ。400mも記録勝負で泉希ちゃんがトップだった。私は4番目だったのだけど、その次がすみれちゃんだったので驚いていた。道弘が時々寄って来て、声を掛けてくれていたのだけど、あいつはこれまで全部にトップなのだ。

「道弘 すみれ 400m 5番だよー 頑張ってるんだよー みゅうみゅんになんかより 声 掛けてやれよー」

「へっ みたいだなー ブタも木に登ったかぁー」

「こらぁーっ 道弘 もういっぺん ゆうてみー すみれのこと、そんな風に言うなんてー 蹴りくらわしたろかー」

「おぉー こわー」と、逃げて行った。

 そして、最後の1000m走。1組と2組、3組と4組に分かれて走るのだけど当然上原璃々も私達のグループに入っていた。トラックを2周半。残り1周となった時、トップを走る私の後ろには上原璃々が居て、泉希も居るのだけど遅れ始めていた。そして、後 半周となった時、後ろを振り返ると上原璃々を追い抜かそうとしているすみれちゃんの姿があったのだ。私は、まさかと思いながら走っていた。だけど

「すみれ がんばれー」と、道弘の大きな声が聞こえた。私は、そのままトップでゴールしたのだけど、次に走って来たのはすみれちゃんだったのだ。赤い顔をして苦しそうに必死にゴールを駆け抜けて倒れ込んでいた。

 私のもとに居たみんなが駆け寄って、真っ先に道弘が・・・濡れたタオルを持って走って行っていた。すみれちゃんは苦しそうにしていて

「お前 大丈夫か? 保健室か?」

「うん 大丈夫 ちよっと 気を失っただけだから ありがとう 収まってきた タオル 気持ちいいよ 道弘」

「そうか こんな すみれ 初めて見たから」

 周りのみんなも「そうよ すみれがこんなに頑張るなんて 信じられないー」とか言い合っていた。

「ふふっ ウチ みゅんに少しでも近づこうと 頑張ったの」

「アホかー そんな無茶せんでも・・・ すみれには いいとこ いっぱいあるのに・・・」と、道弘君は向こうを向いて言い放っていた。私は、こいつの優しい一面をまた見てしまったのだ。

「なに 恰好つけてんだよー ほらっ 君達の1000m始まるよ 頑張れよ これがトップ取れたら6冠だろー」と、泉希ちゃんがハッパかけていたけど

「あぁー あかん 苦手やー」

「お前 すみれ 見たやろー がんばれ!」と、泉希ちゃんにけしかけられていた。


「いやぁー 君達はすごい! 水泳大会、ソフトボール大会そして今日も陸上記録会と6年生のトップだ 12種目中8種目トップだ 特に全体的に女子の頑張りはすごい 5年のときはビリだったのにー 余計なことだけど この前の中間テストも クラスの平均点がトップになったんだよ みんなが溌剌とやってくれていて 僕も 担任として誇らしいよ ありがとう」と、教室に戻った時、不忍先生がみんなの前で言っていた。

「先生 8じゃぁなくて9種目だよ 最近 先生の雰囲気が違ってきて― だけじゃぁなくて 宝の原石が飛び込んできたからネ クラスの皆が盛り上がってんるんだよ もっとも 先生が我慢して、それを磨き上げたのは偉いけどネ」

「北川 それを はっきり 言うなよー 僕も それは感じている 北川さんを初めとして、みんながうまく水島に接してくれたからな」

 ― ― ― * * * ― ― ―
 
 久しぶりにたっ君と河川敷公園でデートする日。私は、泉希じゃあないけど、タイトな白いジーンのスカートで出掛けていった。髪の毛も後ろの部分は少し伸ばし始めていたのだ。

「はぁー みゅうみゅんのスカート 初めて見た」

「うふっ ちっとは 女の子に見えるでしょ!」

「そりゃー そーだよ 可愛い・・・」

「えへっ あんがとー やっぱり たっ君にそう言ってもらえるんて うれしい」と、私は持ってきたハンカチを敷いて、たっ君に寄り添って座った。

「みゅうみゅん 僕 レギュラーになれたよ 3年生が引退したんで」

「わぉー 良かったネ ・・・なぁ 試合あったら 見に行きたいなぁー」

「別に 良いけど・・・ 構えないでー 見てるだけな」

「そーなん?」

「うーん あんまり 女の子が応援に来てるのって・・ 他のみんなにも」

「ふーん そんなもんなんカネー だって 学校に女の子のファンって おらへんのー?」

「まぁ うちの学校でやるときは何人かは・・ でも、対外試合のときはわざわざはなー」

「へぇー じゃぁさー たっ君のファンは?」

「そんなん おらへんよー だいたい 先輩のファンが多いかなー」

「そう じゃぁさー みゅうみゅんが応援に行ってあげるよー」

「だめー よその校内でやる時は 部外者立ち入り禁止やからー どっかのグラウンドでやるときにな!」

「わかったー そん時は旗もって行くよー」

「やめろよなー そんなの恥ずかしい」

「みゅうみゅんは恥ずかし~いないでー」と、その時、たっ君の手を取って私の膝の上に持ってきていた。本当は、抱き着きたかったんだけど・・・。

 その後、サッカーボールで遊んで、別れる時

「なぁ みゅうみゅんが会いたいときは、電話するやんかー でも、たっ君がウチに会いとーなった時は?」

「そーだなー ・・・桜の木の根元 踏切渡って最初の木の根元に 石ころを3つ並べて置く いつも、みゅうみゅんはそこ通るやろー それを見たら 僕に電話してくれ」

「わかったー なんだか すごい 秘密だね わくわくする」

「じゃぁさー 月曜日 試しに」

「うふっ 楽しみ」

 私が、家に帰ってきた時、ヨッさんが倉庫の整理をしていたので

「ヨッさん ただいまー」

「あぁ みゅうみゅん 泉希ちゃんとこでっか?」

「いいやー 泉希ちゃん 気になるぅー?」

「いや そんなつもりじゃぁー」

「ヨッさん 神戸行ったことある?」

「ええ まぁ 何度か」

「ふーん あのね 泉希 行ったことなくて 行ってみたいんだって!」

「はぁ じゃあ ふたりで行ってみればー ええとこでっせー」

「で なくてー カップルで歩きたいんだってー デート用の服も買ったみたいよ」

「そうでっかー ええ人おったらええですなー」

「なに言ってんのよー みゅうみゅんは知ってるんだからー 夏にプール行ったの 親友だからネ 連絡することあったら、伝言するよ 泉希 待ってるんだからー」

「・・・」 ヨッさんはその後、何にも言い返して来なかったのだ。

 そうだ 私も行ったこと無いのだ。異人さんの洋館とか中華街、元町とか波止場。たっ君と手つないで歩いてみたいなぁー。

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