わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

すんのはじめ

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第5章

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「実海 クリスマス 何の予定もないんだろう? ウチの家はクリスマスは行事じゃぁないから ケーキも無いぞー もちろん ツリーも飾って無いだろう?」と、紳おじちゃんが声を掛けてくれていた。

「うーん パーティで集まろうかって話もあったけど、消えちゃった」

「そうか じゃーぁ 京都に飯にでも 連れてってやろうか 雰囲気だけでもな」

「うん 行きたい! 島でもなっ クリスマスだからって特別なこと無かったから・・ 京都なんて賑やかなんでしょ?」

「まぁ どうだろう ついでにウチの店にも案内するよ」

 ばっちゃんが、紳おじちゃんから聞いたのか、お出掛けするんだからと、お洋服をと言うので、一緒にお買い物に出掛けて、ベルベットの深いローズレッドのワンピースを選んでくれた。ウエストが友生地の後ろリボンで絞ってある。

「実海ちゃんは 髪の毛短いから、髪飾りも選べやしないよ リボンも付けられないしー しょうがないネ」

「ごめんなさい みゅうみゅんは長いの うっとーぉしいから・・」

「いいんだよ そのかわり 少し お化粧してあげるから」

 当日は、紳おじちゃんと一緒に家を出る予定だったけど、急遽用事ができたとかで、紳おじちゃんは朝早くに出て行った。独りで京都の祇園四条まで昼過ぎに来いと言うのだ。

「しょうがない奴だなー 女の子 独りでってー」と、じっちゃんがブツブツ言っていて

「平気だよ 紳おじちゃん 忙しいんだよ みゅうみゅんは 電車に乗るだけだから、独りでも」

「そうかー じゃーぁ 散歩がてら 駅まで送ってくな!」

 と、私は襟がファファのチェスターコートを着て・・・駅まで歩く時、じっちゃんに後ろから腕を組んでいった。じっちゃんもまんざらでもない様子で見送ってくれたのだ。

 四条の駅に着いて、おじちゃんがわからないので、改札を出ないで居たら、見つけてくれて声を掛けてくれた。

「親父から 今 電車乗ったからって電話もらってな うん 普段と違うので 一瞬 迷ったけどな やっぱり 実海だった」

「うふっ ばっちゃんが、お化粧してくれたの おかしい?」

「いいやー 立派なレディだよ まずは ウチの店の本店から・・ ちょっと 歩くけどな」

 紳おじちゃんは、直ぐに手を取って歩き出していた。すごく、人が多いので、脇道に逸れてくれて、白川というきれいな川沿いを歩いてくれた。ここが、ドラマなんかによく出る巽橋だよって・・・立ち止まって、写真も撮ってくれた。

「ウン しっかり モデルさんみたいに可愛いなぁー」

 そこから、少し歩いて、大通りから小路を入ったところにお店があった。表には、木のタルの上に女の人がスカートを抑えている人形とかアメリカン調のプレートとか・・・そして、派手なツリーが、中にはアンティークなキーホルダーとか端っこのほうには色とりどりの食器が並べてあって、数人の女の子のお客さんが物色しながら賑やかな声を出していた。それを応対しているのは、背の高い若い男の人。髪の毛は紫とか赤とか緑に染めているみたい。でも、顔はなんだか日本人じゃぁないみたいで、所謂恰好良いんだろう。その人は、紳おじちゃんの姿を見るなり、頭を下げていたのだ。

「僕は ここから このアメリカンテンペストを始めたんだ。君のお父さんとも、ここで初めて会った。絢が連れてきてね。芯の強い子だと・・・絢をきっと幸せにしてくれると感じたんだ」

「へぇー おとんと・・・ きっと ラブラブの時だったんだろうなぁー」

「ふふっ お昼を一緒したんだが ず~ぅっと テーブルの下で指を絡ませていた。こいつらぁーって思ったネ 実海は幸せかい?」

「ウン 世界一のおとんとまわぁまんまー だから それに、今は、じっちゃんとばっちゃんに守られてるしー 友達も」

「そうか 君はその幸せを無駄にしないように 生きるんだよ」

「なんやー それっ お説教かぁー」

「いや そんなつもりじゃぁー ちょっと 余計なことだったかなー」

「なぁ なんで 男の人なん? 普通 店員さんって 女の子やろぅ?」

「あぁ 前は女性だったんだけど、新店をオープンした時をきっかけに、男性にした。客層がな男から女の子に変わってきたんだよ それで、恰好良さげな男の子に・・・恰好良いだろう? あの子 ハーフだ 良く、やってくれている 女の子を一人つけて・・・ 店を任している 客受けも良いんだ」

「ふ~ん だから、さっきのお客さんも キャーキャー言ってたんだぁ そんなもんなの?」

「あぁ そんなもんだよ 実海 だって 自分の身に付けたいとか、好きな男の子にプレゼントしたい時って 女から勧められたより 恰好良い男の子から勧められたほうが その気になるだろー?」

「わかんない そんな経験ないモン」

「じゃあ 試しに 好きな男の子にプレゼントするつもりで お客さんになって選んでみな 好きな子ぐらい居るんだろう?」

「うぅー うん」と、勧められるままに、お店に入って、しばらく選んでいると、その店員さんが声を掛けてきた。

「なんか 迷ってる? お手伝いしましょうか?」

「うん ペァで持つもの なにが良いかなぁー バッヂかホルダーか それともブレスレットかな」

「そう 彼氏と?」

「うん まぁ」

「良ければ 君は幾つ?」

「はぁ・・ 6年生」

「へぇー 見えない こんな妖精のような子 僕は今日は幸せだー こんな可愛い子に会えて」

「んんまぁー そんな 軽いこと言ってーぇ」

「そなんことないよ 女神の像でも 事実は変えられない!」

「ふふっ いいから お手伝いは?」

「あっ そうだね 小学生にはブレスレットは早いと思うんだよね バッヂなら 君が胸に付けても彼と近づくように いつも 気持ちは一緒だよって 彼が恥ずかしがっても バッグとかに付けてくれるじゃぁない?」

「そーだよね それっ いいなぁー」

「じゃぁー このタイリクウルフのがお勧め カッコいいし ず~っと ペァが一緒で奥さんを大切にするんだって それに、似合うと思う 君は恰好良いものー 髪の毛も昔のウルフカット風だ」

「へぇー ウルフって狼? んっ それに決めた!」

「そう これ プレゼントしたら きっと 彼とず~っと一緒だぜー お幸せに」

 私、ウキウキして買ってしまった。

「どうだった?」

「うん あの店員さんに乗せられてしまった あの人に褒められると悪い気がしないし 男の人が言うから信頼できる」

「だろうー それは僕が プレゼントするよ お金払う」

「いいよーぅ ばっちゃんから お小遣いもらってきたモン」

「そう じゃぁ お買い上げありがとうございます」と、紳おじちゃんはふざけてか頭を下げてきていた。 
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