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第9章
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じっちゃんが、お盆過ぎの恒例の会社の慰労会にクラブの仲間も呼んだらどうだと、言ってくれていたので、私はみんなに声を掛けてみた。みんなが来るんだったら、ヨッさんがたこ焼き器を借りてきまっさーと言ってくれていたのだ。
みんなに連絡をして、午前中はお盆明けの練習初日で、その後、夕方に集まることになっていた。バスと電車でみんな来るので駅前で待ち合わせをして、案内をすることになっていたのだけど、私と泉希は昼過ぎにヨッさんの設営とかたこ焼き用のタコにキャベツに紅生姜なんかを切る手伝いをしていたのだ。
そして、泉希は一度帰って、私もばっちゃんに浴衣を着せてもらって駅に向かった。申し合わせたようにみんなが浴衣姿で、泉希は薄いお化粧をしてきたみたい。
みんなを案内して、家に戻るとヨッさんはぼんぼりの飾り付けをしていて
「あぁー やっと 終わったとこですわ どうでっか? まつりっぽいでしゃろ?」と、満足げだった。
「うん ヨッさん 今年は気合 入ってるネ」
「そらぁー そーでんがなー みゅうみゅんの仲間が集まるんでっからー しょうもないこと出来まへん」
「ふふっ ヨッさんって みゅんのことになると 一生懸命なんやね」
「そんなこと・・・ 泉希こそ ヨッさんに大切にされてるヤン」泉希は私の肩をポンと叩いてきていた。
会社の人もだんだんと集まって来て、最後にじっちやんが来て、一声をして始まった。バーベキューのほうは紳おじちゃんが担当していて、今回はあんまり大きくない海老と長めのウィンナーにカボチャなんかも用意したと言っていた。ヨッさんは手ぬぐいハチ巻でさっきからたこ焼きを焼いていて、その傍には知らない間に泉希が手伝っていた。それも、たすきをしているのだ。まるで、嫁さん気取りみたいなんだ。
さすがに、ウチの中庭も女の子9人も加わると結構なもので、山本部長さんも感嘆していて
「はぁー 社長 こんだけ 女の子が集まると 昔のキャバレーの浴衣祭りみたいでんなぁー いゃー やっぱり、若い子はいいなぁー だいいち 華やかでんがなー」
「・・・」じっちゃんは声が出なかったんだけど、山本部長はばっちゃんにお尻を叩かれていた。私は、いたずらするつもりで まわぁまんまーにライン電話をつないで、中庭を映した後、はしゃいでる人が居るんよと、そのまま携帯を山本部長さんに手渡したら
「あっ いとはん お元気そうでんなー」
「元気そうでんなじゃぁないわよー 又、若い女の子の前で 下品なこと言ってるんじゃぁないわよネ! 山本さんは モトマチの幹部なんですから その風格を持ってヨッ!」と、厳しい声が聞こえてきていた。しきりに、山本さんは頭を下げていた。
「お嬢はん 殺生でっせー 勘弁してくださいよー」と、携帯を返してきたのだ。
「ふふっ 山本さんは まわぁまんまーに弱いんよねー みゅうみゅんの泳ぎの先生なのにねぇー」と、舌を出して意地悪く笑ってみせていた。
みんなが色んなものを食べていたけど、ヨッさんは、まだたこ焼きを焼いていて、あんまり飲んでいないので、泉希が時々、コップのビールを口元に持って行って飲ませているのを見たのか、さくらが私に
「ねぇ あのふたり 仲 良すぎるんじゃぁない? そんなんなの?」
「・・・ そうかぁーぁ 泉希は世話焼きだからね あんなの好きなのよ」と、はぐらかしたんだけど
「違うわ きっと だって、泉希の眼が潤んでるものー 練習の時とぜんぜん違うぅー」と、美玖も疑いの眼差しだった。
その時、ようやく たこ焼きが終了したのか ヨッさんが
「さぁ さぁ ここから イベントでっせー あそこの穴にラグビーボールを投げて入れたら、社長からのプレゼント 最初に入ったものは\3000 二番目は\1000 の商品券でっせー」と、確かに 庭の隅に大きなダンボールの箱に真ん中がくりぬかれたものが置いてあった。こんなものまで、ヨッさんは用意していてくれたんだ。
そして、全員でくじを引いて順番を決めて・・・じっちゃんとばっちゃんも参加していたのだ。そして、私の練習用のボールを使って・・・一番目はさくらだったんだけど穴の縁に当たって入らなくて、一巡目は誰も入らなかった。
「なぁ ヨッさん 穴が小さすぎるんちゃう?」
「いいや これっくらい 入らんとー」
2巡目になって、美玖は片手で投げてボールが回転してくぐり抜けていた。
「やったぁー」と、最初に美玖に喜んで飛びついていたのはさくらだった。そして、次の私のは、穴の縁に当たったけど入らなくて、次の泉希は・・・回転したボールが横向きに弾丸のように すんなり 通り抜けていた。泉希自身もびっくりしたのか、しばらくの間があって
「できたぁー」と、ヨッさんに駆け寄って手を握っていたのだ。
「えぇー」と、私達は泉希が投げたボールのこともだけど、ヨッさんの手を握って飛び跳ねて喜んでいる泉希の姿に唖然としていた。それは、会社の人もみんな同じだったのだ。そして、終わりに近づいて、璃々が「跳んで 跳ねるぞ! キャンキャンズ」とやって、一斉に「オー」と、女の子が拳を突きあげたものだから、会社の人達は また 唖然としていた。
皆が帰る時になって、朝陽は家の人が迎えに来ると言っていたので、その車にそっち方面の3人が乗せてもらって、さくらと栞奈、美玖は山本部長がタクシーで送り届けることになった。璃々は駅にお母さんが迎えに来るから歩いて帰ると言っていた。そして、泉希は最後まで片付けを手伝っていて、ヨッさんに送ってもらうつもりしてるのだろう。
ほぼ、片付いた時に私のほうから
「ヨッさん 又 泉希を送って行くの 頼んで良いかなぁー」と、切り出した。
「あぁー 良いっすよー 明日から休みですし そのつもりだったすからー」
と、泉希も嬉しそうに、ふたりで出て行ったのだ。私が見送るので表に出て行くと、ふたりは並んで歩いているだけ。泉希は、突然振り返って、私に向かって手を振って ベロを出したかと思ったら、ヨッさんの腕に嬉しそうにすがりついていたのだ。
みんなに連絡をして、午前中はお盆明けの練習初日で、その後、夕方に集まることになっていた。バスと電車でみんな来るので駅前で待ち合わせをして、案内をすることになっていたのだけど、私と泉希は昼過ぎにヨッさんの設営とかたこ焼き用のタコにキャベツに紅生姜なんかを切る手伝いをしていたのだ。
そして、泉希は一度帰って、私もばっちゃんに浴衣を着せてもらって駅に向かった。申し合わせたようにみんなが浴衣姿で、泉希は薄いお化粧をしてきたみたい。
みんなを案内して、家に戻るとヨッさんはぼんぼりの飾り付けをしていて
「あぁー やっと 終わったとこですわ どうでっか? まつりっぽいでしゃろ?」と、満足げだった。
「うん ヨッさん 今年は気合 入ってるネ」
「そらぁー そーでんがなー みゅうみゅんの仲間が集まるんでっからー しょうもないこと出来まへん」
「ふふっ ヨッさんって みゅんのことになると 一生懸命なんやね」
「そんなこと・・・ 泉希こそ ヨッさんに大切にされてるヤン」泉希は私の肩をポンと叩いてきていた。
会社の人もだんだんと集まって来て、最後にじっちやんが来て、一声をして始まった。バーベキューのほうは紳おじちゃんが担当していて、今回はあんまり大きくない海老と長めのウィンナーにカボチャなんかも用意したと言っていた。ヨッさんは手ぬぐいハチ巻でさっきからたこ焼きを焼いていて、その傍には知らない間に泉希が手伝っていた。それも、たすきをしているのだ。まるで、嫁さん気取りみたいなんだ。
さすがに、ウチの中庭も女の子9人も加わると結構なもので、山本部長さんも感嘆していて
「はぁー 社長 こんだけ 女の子が集まると 昔のキャバレーの浴衣祭りみたいでんなぁー いゃー やっぱり、若い子はいいなぁー だいいち 華やかでんがなー」
「・・・」じっちゃんは声が出なかったんだけど、山本部長はばっちゃんにお尻を叩かれていた。私は、いたずらするつもりで まわぁまんまーにライン電話をつないで、中庭を映した後、はしゃいでる人が居るんよと、そのまま携帯を山本部長さんに手渡したら
「あっ いとはん お元気そうでんなー」
「元気そうでんなじゃぁないわよー 又、若い女の子の前で 下品なこと言ってるんじゃぁないわよネ! 山本さんは モトマチの幹部なんですから その風格を持ってヨッ!」と、厳しい声が聞こえてきていた。しきりに、山本さんは頭を下げていた。
「お嬢はん 殺生でっせー 勘弁してくださいよー」と、携帯を返してきたのだ。
「ふふっ 山本さんは まわぁまんまーに弱いんよねー みゅうみゅんの泳ぎの先生なのにねぇー」と、舌を出して意地悪く笑ってみせていた。
みんなが色んなものを食べていたけど、ヨッさんは、まだたこ焼きを焼いていて、あんまり飲んでいないので、泉希が時々、コップのビールを口元に持って行って飲ませているのを見たのか、さくらが私に
「ねぇ あのふたり 仲 良すぎるんじゃぁない? そんなんなの?」
「・・・ そうかぁーぁ 泉希は世話焼きだからね あんなの好きなのよ」と、はぐらかしたんだけど
「違うわ きっと だって、泉希の眼が潤んでるものー 練習の時とぜんぜん違うぅー」と、美玖も疑いの眼差しだった。
その時、ようやく たこ焼きが終了したのか ヨッさんが
「さぁ さぁ ここから イベントでっせー あそこの穴にラグビーボールを投げて入れたら、社長からのプレゼント 最初に入ったものは\3000 二番目は\1000 の商品券でっせー」と、確かに 庭の隅に大きなダンボールの箱に真ん中がくりぬかれたものが置いてあった。こんなものまで、ヨッさんは用意していてくれたんだ。
そして、全員でくじを引いて順番を決めて・・・じっちゃんとばっちゃんも参加していたのだ。そして、私の練習用のボールを使って・・・一番目はさくらだったんだけど穴の縁に当たって入らなくて、一巡目は誰も入らなかった。
「なぁ ヨッさん 穴が小さすぎるんちゃう?」
「いいや これっくらい 入らんとー」
2巡目になって、美玖は片手で投げてボールが回転してくぐり抜けていた。
「やったぁー」と、最初に美玖に喜んで飛びついていたのはさくらだった。そして、次の私のは、穴の縁に当たったけど入らなくて、次の泉希は・・・回転したボールが横向きに弾丸のように すんなり 通り抜けていた。泉希自身もびっくりしたのか、しばらくの間があって
「できたぁー」と、ヨッさんに駆け寄って手を握っていたのだ。
「えぇー」と、私達は泉希が投げたボールのこともだけど、ヨッさんの手を握って飛び跳ねて喜んでいる泉希の姿に唖然としていた。それは、会社の人もみんな同じだったのだ。そして、終わりに近づいて、璃々が「跳んで 跳ねるぞ! キャンキャンズ」とやって、一斉に「オー」と、女の子が拳を突きあげたものだから、会社の人達は また 唖然としていた。
皆が帰る時になって、朝陽は家の人が迎えに来ると言っていたので、その車にそっち方面の3人が乗せてもらって、さくらと栞奈、美玖は山本部長がタクシーで送り届けることになった。璃々は駅にお母さんが迎えに来るから歩いて帰ると言っていた。そして、泉希は最後まで片付けを手伝っていて、ヨッさんに送ってもらうつもりしてるのだろう。
ほぼ、片付いた時に私のほうから
「ヨッさん 又 泉希を送って行くの 頼んで良いかなぁー」と、切り出した。
「あぁー 良いっすよー 明日から休みですし そのつもりだったすからー」
と、泉希も嬉しそうに、ふたりで出て行ったのだ。私が見送るので表に出て行くと、ふたりは並んで歩いているだけ。泉希は、突然振り返って、私に向かって手を振って ベロを出したかと思ったら、ヨッさんの腕に嬉しそうにすがりついていたのだ。
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