わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

すんのはじめ

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第13章

13-2

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 月曜日、練習前に私は泉希と璃々を呼び寄せて

「話があるってのはね 二人の実力は認めるよ すごいって思う だけど、それぞれはネ ウチは二人って、こんなもんじゃぁ無いって思うネン 泉希と璃々のコンビやったら 全国一になれるんやー! あのなー 桜、美玖先輩はもう代表入りしてるし、3年やからウチ等のチームから抜けるんやでー 今まで、二人がフォワード引っ張ってくれたから、突破力もあったけど 抜けたら、バックスで引っ張っていかなーあかんネン お願いやー その・・・」

「なんやねん ウチと璃々はコンビネーション足らんって言いたいんかぁー? ちゃんとやってるヤン なぁ 璃々?」

「うっ うん」

「うそやん 絶対にうそやー ウチは小学校の時から二人を見てきてるんやでー 泉希と璃々やったら 張り合うんとちごーて その能力をぶつけあって、磨いて行くつもりやったらもっと すごいことができるはずやー みゅうみゅんは 真正面からぶつかっていったはずやー 親友やと思うから・・ だから・・・泉希と璃々も・・・お互いに・・・」と、私は、涙が込み上げてきていた。

「わかった わかったよー みゅんの言いたいことはー みゅん なんかあったんかー? 熱あるんか? たっ君となんかあったんやろー?」

「ちゃうわー ただ 泉希と璃々を見てると もやもやってするんやー」

「ふ~ん 悶々となぁー たっ君に・・・」と、まだ 泉希はいたずらっぽく

「ちゃう ゆうてるヤン!」と、泉希の肩を叩くと

「ふふっ わかったよ みゅん ウチも見栄 張っとった 泉希とちゃんと向かい合うから・・・ 安心してー ウチ等ふたりのことなんかで泣かんとってーよー」と、璃々も私の手を握って言ってくれていた。

 その日の練習では、泉希と璃々はしきりと打ち合わせをしながらパスを繰り出していた。私も、どういう風にフォローしたら良いのかを考えながら走っていた。

 そして土曜日の練習の後、璃々に泉希と私に家に来るように誘われていた。お母さんも留守になるので、お昼も一緒にパンケーキを焼こうよって言われていたのだ。

 私達は一度家に帰って、駅前で待ち合わせをして璃々んちに向かった。呼び鈴を押して出てきた璃々は、白地にハイビスカスの絵柄で細い肩ひもを結んで留めて丈も短めのキャミソールワンピースのようなものを着ていた。私は、この前来た時に見ているからなんだけど、泉希は唖然としていた。

「ふふっ 今 シャワーしてきたとこなの タイミング良かったワー」と、リビングに案内してくれた。その時、電話が鳴って

「あっ すみません 警備 解除するの忘れてました お友達が来てるんです」と、璃々は電話口で謝っていて

「警備会社からよ 解除しておくの忘れちゃったー あのね 家族以外の人が侵入したら、アラームで警備会社に連絡いくようになってるの ウチ 独りのことが多いから 不用心だからってー」

「へぇー そんなのあるんだー 璃々って やっぱり お嬢様なんだネ」

「やだぁー 泉希 そんな言い方って・・・ずるいよっ」

「だってぇー そんな雰囲気なんだものー」

「まぁ いいわ パンケーキ焼こう レモンのジャムにバナナとキューイフルーツ、メイプルシロップ用意したの それと、生クリームはアレンジしようと思ってネ」

「わぁー おいしそう やろう やろう」と、私は飛びついていた。だけど、璃々は私にアイスクリームのカップとバターを渡してきて、ハンドミキサーでホイップするように言ってきて、本人はパンケーキの粉をこね始めていた。泉希はキウイを剥いてバナナも用意するように言われていた。

 焼き始めて、最初はホイップクリームにバナナとキウイにメイプルシロップをかけて、みんなで口々に美味しぃーと言いながら食べていて、泉希が

「なぁ 璃々 そっちのフローリングの広間ってなんかするの?」

「あぁー パパとママが社交ダンスが趣味でね 今日もママはそれで出掛けているの」

「ふぅーん で 璃々はひとりっ子なの?」

「ちがうよ お兄ちゃんがいるんだけど、野球やってて全寮制だから・・・ みゅんってウチのこと何にも話して無いんだね」

「だって 勝手に 人のことまでしゃべられへんヤン」

「ふふっ やっぱり みゅんは信用できるんやねー あのね 泉希 みゅんにも少し話したけど ウチなぁー 幼稚園から2年生ぐらいまで イジメられてたんやー 割と、ヒラヒラしたもん着てたんやけど ママの好みでな そのせいか男の子なんかは構いたかったんやろなー いつもちょっかいだされて、パンツ見せてみろっていう時もあったし、ひどいときには、スカートめくられて、パンツに水鉄砲でな・・・ 漏らしたとかはやし立てられたりもしたんや 誰も助けてくれへんから、家に帰って来ても、ママも留守で居なくって、ひとりで泣いていたの だけど、負けるもんかって 勉強も運動も頑張るようにしたんやー でも、人を信用せんようになってたんやろーな そのうち、誰からも手を出して来なくなって・・・ だから、男の子って自分勝手で乱暴な生き物やって思うようになったの いまでも、心の中では そう思ってるよ バカどもって」

「はっ そう そーなんやー そんなんやったんやー だから 璃々って強いんかー 男の子には特に冷たいもんなぁー」

「そんなんちゃうけど・・・なんとなくなー でも、泉希が転校してきたやんかー 運動できて勉強も いつも凛としていて、だけど、すぐに、みんなに慕われて、クラスのリーダー的存在になって ウチは、嫉妬したんやろな そのうち敵対するようになって・・・そしたら、今度は、みゅんが現れたんやー 破天荒な女の子 いじめっ子の男の子にも平気で向かっていく ウチ 心の中では痛快って思ってたの でも 男の子もみんな すぐにみゅんのとりこになってしまってー ウチは嫉妬っていうか戸惑ってたんやー こんなに伸び伸びと育った子って だんだんと意識するようになってた だから、みゅんから声をかけられた時・・・この子と・・って その二人に仲間って言ってもらえて すごく 嬉しいんやー」

「璃々 ごめんな ウチ 間違ってた 璃々のこと お高く留まってるだけやんかって でも、辛いことを乗り越えようと努力してたんやなー ごめんなさい」

「ええんよー 謝らんでも ウチも自分からそんな風にしてたからなー だけど、みゅんを見てると教えられたの 自分をさらけ出してぶつかっていかんとなーって だから、泉希ともぶつかりあって、もっと上にって そしたら、自分ももっと伸びるヤン」

「うん うん みゅんは不思議ちゃんゃねー ウチも璃々ともっと上を目指すでー」

「なぁ 食べたら、二人の間のシミュレーションしょーぅ パソコン使って」

 その後、璃々の部屋に案内されて、二人はパソコン上でコマを動かしながら話し合っていたのだが、私は、二人の間の動きなので途中で飽きてしまって、本棚とかを物色していた。そのうち二人の机の下に入り込んで

「みゅん なにしてんのー そんなとこでー」と、泉希が突然

「えっ あぁー あのなー 璃々が今日はどんなん穿いてるんかなーって」

「どんなんって?」

「璃々って 可愛いパンツなんやでー きっと」

「変態かー それを覗こうとしてたん? バッカじゃないの?」

「ふふっ いいわよ 見せてあげる」と、璃々はワンピースの裾を持ち上げて・・・レインボーカラーでフリルがいっぱい付いているもので

「わぁー 可愛いぃー」

「みゅんは こんなの好きなんだものねー」

「うん でも ウチはそんなの・・・勇気ないし」

 泉希は呆れていたのか、黙ったまま聞いているだけだった。 
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