私 彼のこと想い続けているんだけど・・・

すんのはじめ

文字の大きさ
10 / 29
第2章

2-4

しおりを挟む
 2月になって 彼から手紙がきた。ときめいて開けてみると、お正月には会えなくて残念でしたと、あっさり書かれていた。私は、あんなに 会いたいと恋い焦がれていたのに・・・そんなもんなのかなー・・・。夜の浜で、熱く 抱きしめてくれたのは何だったの! 遊び半分だったのかしらー

 静岡の住所が書いてあったので、私は 迷いながらも返事を出すことにした。あんまり ガツガツして 彼が遊び半分であんなこと言ってくれたのだったとしたら、退かれてしまうかもと 不安もあったのだけど・・・

 会いたいし、もう 一度抱きしめて欲しい。忘れません、毎日 あなたのことを想っていますと、自分でも恥ずかしくなるくらいの熱烈な気持ちを書いて送ったのだ。彼からも (真美のやさしい笑顔は忘れてないよ 会いたいけど、今は就活の準備でバタバタしているけど折を見て会いに行く) 返事が来た。

 私は、良かった 忘れられて無いんだと・・・ルンルン気分で 何度か手紙でやり取りをして、それとなく 春休みになったら、海と富士山を一度見たいので、静岡に会いに行くと書いていた。お泊りしても良いと、この時、私は 彼に投げうってもいいと決心していた。私の全てを・・・奪ってぇー・・・。そして、中途半端な私のを・・・奪われた私の大切な思い出・・・でも、彼を最初の男の人と思うことにしようと決めていたのだ。そういう 甘い想い出にしたい。

 ― ― ― ☆ ☆ ☆ ― ― ー

「真美 この頃 ちょこちょこ ガクさんと手紙やり取りしてるんか?」

「うん 時々ね 彼 ウチのこと忘れてへんってー」

「ふ~ん 繋がったんやー しぶといなぁー でも 立石さんのこと どーすんのん?」

「どーするってー 普通やー」

「普通ってなぁー 真美はのんびりしてるんやからー 彼はもう 卒業やろー まわりには、卒業したら真美と 正式に付き合うとゆうてるんやでー」

「そんなぁー ウチ そんなん ゆうてへんでーぇー」

「でも その気にさせてるんやー ほんまにーぃ 真美は・・・ ミマさんともウワサあったみたいやなー」

「・・・ ウチ そんなつもり・・・」

「そーいう 優柔不断なんて 魔性の女やぁー でも 立石さんとは はっきりしときやー 向こうはその気 満々なんやからなー」

「そーなんよー 直ぐにでも 結婚するみたいに言うてくるしー あのね ウチ等 卒業したら 二人して 美容学校に行って、二人でお店開こうって 話してたやんかー」

「だよ 夢やー」

「だから ウチ・・・しばらくは 結婚する気 無いしー」

「だからぁー そのことは ハッキリと相手に伝えときやー それに、結婚対象違うってことも・・・本命は ガクさんなんやろーぅ?」

「うっ うん・・・」

 ― ― ― ☆ ☆ ☆ ― ― ー


 高校の卒業式の時、私は立石さんを呼び止めて、お付き合いの話を はっきりとお断りするつもりだったんだけど、ゆっくりと話をする間も無く。逆に、越前の水仙がきれいから、観に行こうよと誘われて・・・私 試験とかでバタバタするからと断っていると、じゃぁ 終業式が終わったら、直ぐに行こうと、一方的に押し切られていた。こういう時、私 はっきり言えない無いのだ。

 そして、立石さんが家まで迎えにくるってなった時も、菜美からは バカ アホ 男を惑わす悪女とボロカスに言われていたのだ。

 8号線から逸れて海沿いの道を進んで、丘陵地に咲く水仙畑に 少し盛りは終わっていたが、それでも 段々の丘陵地に溢れるようだった。その後、カニを食べようと誘ってくれて、海沿いの漁協がやっているというお店に、平日で2時も過ぎていたので、すんなりと席に座れたのだ。もう そろそろカニのシーズンも終わりなんだろうけど、焼きガニと刺身のセットを立石さんは注文していた。値段も張るのだけで、彼は当たり前のような素振りで「もう カニも 今年の食べ納めかなー」とつぶやいていたのだ。

「あのねー 私 前も言ったと思うけど 高校卒業したら 美容師さん目指して、菜美とお店開くのが夢なの だからね しばらくは結婚も考えて無いのよね」

「うん 聞いたよ だから、俺は まなっぺがその気になるまで待つよ それに、そのお店 スポンサーになるよ 好きなとこにお店選んでよー べっこに立てるのも良し」

「あのさー だからぁ 将来の 旦那様に立石さんとは考えて無いの!」私は、少し イラッときて、強い調子で・・・(わかれよー この 鈍感)と・・・

「いいんだ いいんだ そのうち 俺になびかせるからー マナッペの夢が美容院だったら 俺の夢はマナッペを嫁さんにすることだから」

 なにを言っても通用しないと感じた。

「私ね 今 好きな人 居るんです お客さんで知り合って・・・大学生なんですけど・・・離れたとこだけど・・」

「あっ そう 大学生・・・」

「今 4年生で就活中」

「まだ 社会人じゃぁないんだろう 就活・・・将来 決まってないやんかー 離れてる? ・・・先行き どうなるかわからへんやんかー」

「でも・・・」

「だから 待ってるってゆうてるヤン まなっぺがその気になるまでー 俺の夢」

 もう何を言っても無駄だった。こいつぅ・・・でも 少し 嬉しい気持ちもあったのだ そこまで 私のことを・・・

「ねぇ 篠原さざゑさんのことは 本当にいいの?」

「うん まだ 疑ってるんかー あいつには 卒業式の時 お前は嫁にはせんからなって はっきり 言っておいた でも 心なしか 涙声で お妾さんでも良いよって 古臭いこと言いやがってなー 冗談だろうけど・・・」

「なんか それって 怖い話よねー・・・ 大丈夫かなー」

「大丈夫って まなっぺ その気になってるんかぁー?」

「ちゃうよー 立石さんのお嫁さんになる人のこと 心配してるの」

「その人って 眼の前の君のことだよ」

「もぉー しつこい!」と、私はおしぼりを投げつけていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

俺をフッた女子に拉致されて、逃げ場のない同棲生活が始まりました

ちくわ食べます
恋愛
大学のサークル飲み会。 意を決して想いを告げた相手は、学内でも有名な人気女子・一ノ瀬さくら。 しかし返ってきたのは―― 「今はちょっと……」という、曖昧な言葉だった。 完全にフラれたと思い込んで落ち込む俺。 その3日後――なぜか自分のアパートに入れなくなっていた。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

初体験の話

東雲
恋愛
筋金入りの年上好きな私の 誰にも言えない17歳の初体験の話。

Macaron Marriage〜恋をしないと決めたのに、極甘の愛に溶かされる〜

白山小梅
恋愛
 小学生の時の初恋を忘れられずにいた萌音。高校生になったある日、父から告げられたのは"婚約決定"の報告だった。受け入れることが出来ない萌音は、その後数度にわたって逃亡を繰り返す。  そんな中、通っていたカフェの店長に背中を押されて渡仏を決める。フランスでのびのびと生活していた萌音の元に飛び込んだ母の体調不良。それを機に帰国を決めるが、それは両親が仕組んだ嘘だった。  散々逃げ回った萌音はようやく観念し、あと一年だけ自由に過ごすことを条件として結婚を受け入れる。だが一年を過ごすと決めた場所で、渡仏の背中を押してくれたカフェの店長と再会して……。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

処理中です...