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第4章
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「ルリちゃん 最近 増井さんばっか 眼で追っているね なんかあったの」と、向かいに座っている事務所の山田さんが聞いてきた。
2階が事務所になっていて、ガラス窓を通して1階の製造所が見えるようになっているのだ。だから、製造所に行っている増井さんのことが、気になって、知らずに見ていてしまっていたのだ。
「そうですかー 上司だから、何してるかなって・・ なんでもないですよー」
「そう 増井さんのことが気になっているんじゃぁないのー? ダメよー あの人のことは・・競争 激しいよ」
「なんですか? その競争って」
「若いパートさん 何人かいるでしょ ウチはローテーションで平日のお休みがあるでしょ だから そのお休みにね みんなお相手を探しているのよ 遊び相手 増井さんなんて、みんなが狙ってるのよ ほどほどに、大人だから 危なくないでしょ だから、あんまり、増井さんと仲良くなると、みんなから嫉妬されるよ」
「えー そうなんですか」と、上から見ていると、確かに、増井さんが近寄ると何人かは、はしゃいだように愛想を振りまいているのがわかった。それも若い女の人。増井さんも、デレデレして笑っているのがマスク越しでもわかった。
私は、それを見ているとムカついてきているのが自分でもわかったのだ。なによー あの人 誰にでも、デレデレと・・
そんな時、事務所に戻ってきた増井さんが
「ルリちゃん このレシピで試作サンプル 作ってくれないか プリフライの唐揚」
私は、気分がすぐれなかったんだけど、返事もしないまま、試作をやるために製造所に向かっていった。そして、調合とかしている時に、増井さんが側に来て
「大丈夫かなー ひとりで出来るかなー」って声を掛けて来た。私は、その時カチンときて、 バカにしないでよー ウチだって これっくらい出来るわよー と思ってしまって
「出来ます 心配だったら ウチなんかに頼まなきゃーいいのにー」と、イラっとして言ってしまった。そしたら、増井さんは何にも言わないで行ってしまったのだ。
うー なんてことを・・ 後悔していた。
そして、私が帰る時、更衣室から出て来た私を待っていたのように
「ルリと過ごしたい 泊まりで 考えてくれ」と、一言
私は、その瞬間、頭の中は甘ーい時間を想像してしまっていた。それまでのイライラも忘れてしまっていた。なんて、軽いんだろうとは思ったが・・もう、止まらなかったのだ。この想い。
増井さんは、毎朝、社員食堂でコーヒーを飲んで始業時間まで過ごしているのを知っていたので、次の日、私は、食堂へ・・私を見るなり、部屋の隅に連れていかれて
「どう 考えた?」
「うん 来週のお休みの日」と、返事したら、抱きしめられて、チュッと
それだけで、私は、とっても嬉しかった。そして、そのお泊りの期待も・・
― ― ― ☆ ☆ ☆ ― ― ー
その日、少し離れた駅で待ち合わせをしていた。私は、ジーンとトレーナーしかなかった。あのワンピースは嫌な想い出だったし、家には会社の人とキャンプってうそついていたから。それに、下着だって、派手な色のものは、あの男と別れた時、捨てたし。幼児用のものも・・。だから、薄いブルーの飾りも少ないおとなしいものしかなかった。増井さん、つまんないだろうなと思いながら・・。そんなことにこだわる人じゃぁないか・・。
「どこへ 向かうんですか? ウチこの駅までしかキップ買ってないんよ」
「あー 悪い なまじ、知らない方が良いかなって 奈良公園に行こうと思う 鹿を見にね」
「あっ そう 小学校の遠足以来かなー」
奈良駅に着いて、増井さんが朝ご飯まだだからって、近くの喫茶店に入って、その後、南大門の大仏さんに向かって歩き出した。私は、腕を後ろから組んでいったんだけど、増井さんは、少し恥ずかしったのか、ためらっていた。だけど、私は「嫌」って言ってそのまま組んで歩いた。
「ねぇ パートさんと仲良いみたいやねー 特に、陽子さんと 何かあるの― ウワサやでー」
「別に 特別なことなんかないよ パートさんと仲が悪くなると、最悪やからね 適当に、やっておかないとね やりにくくなるから・・」
「ふぅーん ウチとも そうなん?」
「ルリちゃんとは 違うよ 別や」
「いやや ルリちゃんて ルリって、ゆうてぇーなぁー」
「わかった ルリ じゃぁ僕のことも」
「そうね 築路って 呼びにくいな― うー チーさん で 良い?」
鹿におせんべいをやったりしながら、途中のお茶屋さんで休んだ。焼き団子とわらび餅を頼んで、出てきたときに、私は「やっぱり、隣がいい」と座ってる場所を移って、わらび餅にきな粉をまぶして、木のスプーンでチーさんの口元に「アーン」と持っていった。
パクリと食べてくれて・・「ウチにもー」と甘えると、今度はチーさんがウチの持っているスプーンで食べさせてくれた。私は、少し幸せ感じていた。
「ねぇ はたから見たら、ウチ等 どう見えるんやろね 仲の良い親子 危険な関係のカップル? カナ」
「年のはなれた恋人同士」と、ポツンと言って、レシートを持って・・。私は、後を追いかけて、寄りかかるように腕を組んでいった。
そのまま春日大社を見て出てくると、もう3時を過ぎていた。チーさんが
「疲れた 少し、早いけど、もうホテル入れるかなー」と、そっちに向かって、猿沢の池のほとりにチェックインした。
そして、部屋に入ると、待ちわびたように私達は愛し合っていた。
「チーさん 下着って もっと派手なのほうが良い?」
「うーん そのほうが興奮するかなー 男なんだから」
私は、考えていた。じゃぁ次は、もっとね。
夕飯の後、池のまわりを散策に出て、暗がりになると私は、キスをねだっていったのだ。それから、部屋に帰ってからも、チーさんは、ずーと私の身体を愛撫してくれて、チーさんが入ってきた時、私はそれまでにない快感で 「うぅうーあー あーぁ」とチーさんに手も足も廻してしがみついていた。あの男の時とは、感じ方がぜんぜん違っていた。そして、終わった後、私はすごく幸せを感じていたのだ。他になんにも、要らないと・・。
2階が事務所になっていて、ガラス窓を通して1階の製造所が見えるようになっているのだ。だから、製造所に行っている増井さんのことが、気になって、知らずに見ていてしまっていたのだ。
「そうですかー 上司だから、何してるかなって・・ なんでもないですよー」
「そう 増井さんのことが気になっているんじゃぁないのー? ダメよー あの人のことは・・競争 激しいよ」
「なんですか? その競争って」
「若いパートさん 何人かいるでしょ ウチはローテーションで平日のお休みがあるでしょ だから そのお休みにね みんなお相手を探しているのよ 遊び相手 増井さんなんて、みんなが狙ってるのよ ほどほどに、大人だから 危なくないでしょ だから、あんまり、増井さんと仲良くなると、みんなから嫉妬されるよ」
「えー そうなんですか」と、上から見ていると、確かに、増井さんが近寄ると何人かは、はしゃいだように愛想を振りまいているのがわかった。それも若い女の人。増井さんも、デレデレして笑っているのがマスク越しでもわかった。
私は、それを見ているとムカついてきているのが自分でもわかったのだ。なによー あの人 誰にでも、デレデレと・・
そんな時、事務所に戻ってきた増井さんが
「ルリちゃん このレシピで試作サンプル 作ってくれないか プリフライの唐揚」
私は、気分がすぐれなかったんだけど、返事もしないまま、試作をやるために製造所に向かっていった。そして、調合とかしている時に、増井さんが側に来て
「大丈夫かなー ひとりで出来るかなー」って声を掛けて来た。私は、その時カチンときて、 バカにしないでよー ウチだって これっくらい出来るわよー と思ってしまって
「出来ます 心配だったら ウチなんかに頼まなきゃーいいのにー」と、イラっとして言ってしまった。そしたら、増井さんは何にも言わないで行ってしまったのだ。
うー なんてことを・・ 後悔していた。
そして、私が帰る時、更衣室から出て来た私を待っていたのように
「ルリと過ごしたい 泊まりで 考えてくれ」と、一言
私は、その瞬間、頭の中は甘ーい時間を想像してしまっていた。それまでのイライラも忘れてしまっていた。なんて、軽いんだろうとは思ったが・・もう、止まらなかったのだ。この想い。
増井さんは、毎朝、社員食堂でコーヒーを飲んで始業時間まで過ごしているのを知っていたので、次の日、私は、食堂へ・・私を見るなり、部屋の隅に連れていかれて
「どう 考えた?」
「うん 来週のお休みの日」と、返事したら、抱きしめられて、チュッと
それだけで、私は、とっても嬉しかった。そして、そのお泊りの期待も・・
― ― ― ☆ ☆ ☆ ― ― ー
その日、少し離れた駅で待ち合わせをしていた。私は、ジーンとトレーナーしかなかった。あのワンピースは嫌な想い出だったし、家には会社の人とキャンプってうそついていたから。それに、下着だって、派手な色のものは、あの男と別れた時、捨てたし。幼児用のものも・・。だから、薄いブルーの飾りも少ないおとなしいものしかなかった。増井さん、つまんないだろうなと思いながら・・。そんなことにこだわる人じゃぁないか・・。
「どこへ 向かうんですか? ウチこの駅までしかキップ買ってないんよ」
「あー 悪い なまじ、知らない方が良いかなって 奈良公園に行こうと思う 鹿を見にね」
「あっ そう 小学校の遠足以来かなー」
奈良駅に着いて、増井さんが朝ご飯まだだからって、近くの喫茶店に入って、その後、南大門の大仏さんに向かって歩き出した。私は、腕を後ろから組んでいったんだけど、増井さんは、少し恥ずかしったのか、ためらっていた。だけど、私は「嫌」って言ってそのまま組んで歩いた。
「ねぇ パートさんと仲良いみたいやねー 特に、陽子さんと 何かあるの― ウワサやでー」
「別に 特別なことなんかないよ パートさんと仲が悪くなると、最悪やからね 適当に、やっておかないとね やりにくくなるから・・」
「ふぅーん ウチとも そうなん?」
「ルリちゃんとは 違うよ 別や」
「いやや ルリちゃんて ルリって、ゆうてぇーなぁー」
「わかった ルリ じゃぁ僕のことも」
「そうね 築路って 呼びにくいな― うー チーさん で 良い?」
鹿におせんべいをやったりしながら、途中のお茶屋さんで休んだ。焼き団子とわらび餅を頼んで、出てきたときに、私は「やっぱり、隣がいい」と座ってる場所を移って、わらび餅にきな粉をまぶして、木のスプーンでチーさんの口元に「アーン」と持っていった。
パクリと食べてくれて・・「ウチにもー」と甘えると、今度はチーさんがウチの持っているスプーンで食べさせてくれた。私は、少し幸せ感じていた。
「ねぇ はたから見たら、ウチ等 どう見えるんやろね 仲の良い親子 危険な関係のカップル? カナ」
「年のはなれた恋人同士」と、ポツンと言って、レシートを持って・・。私は、後を追いかけて、寄りかかるように腕を組んでいった。
そのまま春日大社を見て出てくると、もう3時を過ぎていた。チーさんが
「疲れた 少し、早いけど、もうホテル入れるかなー」と、そっちに向かって、猿沢の池のほとりにチェックインした。
そして、部屋に入ると、待ちわびたように私達は愛し合っていた。
「チーさん 下着って もっと派手なのほうが良い?」
「うーん そのほうが興奮するかなー 男なんだから」
私は、考えていた。じゃぁ次は、もっとね。
夕飯の後、池のまわりを散策に出て、暗がりになると私は、キスをねだっていったのだ。それから、部屋に帰ってからも、チーさんは、ずーと私の身体を愛撫してくれて、チーさんが入ってきた時、私はそれまでにない快感で 「うぅうーあー あーぁ」とチーさんに手も足も廻してしがみついていた。あの男の時とは、感じ方がぜんぜん違っていた。そして、終わった後、私はすごく幸せを感じていたのだ。他になんにも、要らないと・・。
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