37 / 96
第6章
6-2
しおりを挟む
次の日 朝 私とお母さんは電車内で待ち合わせている竹道さんと伝教寺さんとこと落ち合っていた。お母さんは、私の為に白い綿レースのワンピースに衿元にキラキラするブローチを揃えてくれていた。香ちゃんも半袖がふっくらとしていて衿元には細いリボンのブルーのワンピースで、どっちもお嬢さん風だった。
「香 可愛いね」
「水澄も可愛いよー ウチ等 アイドルのスカウト来るかもね」
「うふっ この 刈り上げじゃぁ 無理よー 男女なんだものー」
一真さんは相変わらずの白のポロシャツにベージュ色の綿のスラックス姿でシンプルなのだ。
「君達はいつも可愛い服で着飾って良いよなー お母さんが羨ましがっている 男の子はつまんないって」
「ふ~ん ウチ等は着せ替え人形じゃーぁないよですよー」
「いや それは お母さんが・・・」
「一真さんは いつも 白ですね 白が好きなんですか?」
「うん まぁ 無難かなって思ってー 白は好きなんだ 今日の水澄ちやんの白も眩しいよ」
「なんだー ウチも白の方が良かったのかなー」
「そーゆーぅ 意味じゃぁー 似合っているよ 香ちゃんも 可愛い」
「そーですかぁー 良かったぁー」と、香ちゃんはすぐに上機嫌になるのだ。
その後も、香ちゃんと一真さんは色んな話をしていたので
「香 ずいぶん 親密そうね」
「ウン ウチ 時々 一真さんのとこに行ってるネン ご飯の用意なんかもお手伝いしてる」
「へぇー そーなん? 彼女みたいやんかー」
「えへぇー まぁ 押しかけ彼女や」
と、言っているのに、一真さんは黙って聞いているだけで、否定もしていなかった。私も、どうでも良かったのだけど
「水澄ちゃんは 彼氏は?」と、突然の問いかけに
「えっ はぁ まぁ 特定の じゃーぁないですけどー」と、応えると
「ウソッ」と、香ちゃんが小さく言うのが聞こえた。まだ、知り合って間もないのだけど、やっぱり智子とは違うんだと思っていた。
「水澄ちゃん 日焼けしてるね」
「うん 福井の海に行ってたからー」
「福井かー 北之庄だね 現在の福井城は柴田勝家の時のとは違う場所なのだろうって知ってた?」
「あっ 柴田勝家ってお市の方と三姉妹を引き取った人でしょ!」
「そーだよ 水澄ちゃん 詳しいね お市の方は最初 嫌がっていたのだけど、浅井長政に嫁いで、仲睦まじくなって、三姉妹を生んだのだけど、長政が信長に滅ぼされて、その後は信長のもとで暮らしていてね。今度は、信長が明智光秀の謀反にあって、その後の信長配下の武将の会議で勝家に嫁ぐことになったんだよー」
「へぇー 一真さんの方が詳しい 受験勉強にそこまで必要ですかぁー?」
「いや たまたま 興味あったから、息抜きに・・・ こんな話もあるんだよ 勝家とお市さんは歳が離れていたからか 勝家はお市さんとは夫婦の間のことが無かったらしい そーいうこともあるからか、勝家の武将としての男らしさに お市さんは次第に情がわいて、最後は秀吉に攻められた時も、三姉妹は秀吉に託して、勝家とともに自害したとか」
「ふ~ん 夫婦になったのに してなかったんだー」
「ふふっ そう してなかったらしい もともと、信長の下についた時から、勝家はお市さんに憧れみたいものを感じていて、崇拝してたみたいだからー 手も触れられなかったんだろう」
「へぇー そこまでになると 男の人って 手を出しにくくなるんだー」と、香ちゃんも話に乗ってきた。
「・・・それは・・・どうだか・・・。信長が死んだ後の会議で、お市さんを勝家のもとにって、押したのは秀吉らしいんだ。当時、勝家が信長の筆頭家老みたいなもんだったから、秀吉は恩を売るつもりだったんだろう。勝家がお市さんのことを慕っているのを以前から知っていただろうからー それに、秀吉もねらっていたと思うけど、当時はまだ ねねさんも まだ若かったし、怖かったのだろう」
「そうかぁー 秀吉って女ったらしだもんねー」
「かもな 結局三姉妹のうち二人もものにしたもんなー それ以外にも、戦で留守にしている武将の妻を呼び寄せて、言い寄ったらしい 天下人だからやりたい放題なんだろう」
「男って 権力とお金を手に入れると 結局 女を弄ぶんだよねー 一真さんも そう?」
「えっ なんだよー 水澄ちゃん 厳しいこと聞いて来るなぁー そんなの そーなってみないと わかんないよー どんな気持ちなのか」
お昼すぎにホテルに着いて、すぐに私達3人は海に向かって、お母さん達は海辺のカフェでお茶をしていた。最初、私等女の子を前にぎこちなかった彼も、次第に浮き輪の取りっこをしているうちに、身体が触れ合っても自然と振舞っていたのだ。
そして、次の日はアドベンチャーワールドに行ったのだけど、香ちゃんは時々 彼と手を繋いだりして恋人気取りなのだ。私は、ふたりのデートに付き添いで来ているようなものだった。ちっとも 私は楽しいことも無く、翔琉達ともう 1泊の方がよかったのになー・・・。
「香 可愛いね」
「水澄も可愛いよー ウチ等 アイドルのスカウト来るかもね」
「うふっ この 刈り上げじゃぁ 無理よー 男女なんだものー」
一真さんは相変わらずの白のポロシャツにベージュ色の綿のスラックス姿でシンプルなのだ。
「君達はいつも可愛い服で着飾って良いよなー お母さんが羨ましがっている 男の子はつまんないって」
「ふ~ん ウチ等は着せ替え人形じゃーぁないよですよー」
「いや それは お母さんが・・・」
「一真さんは いつも 白ですね 白が好きなんですか?」
「うん まぁ 無難かなって思ってー 白は好きなんだ 今日の水澄ちやんの白も眩しいよ」
「なんだー ウチも白の方が良かったのかなー」
「そーゆーぅ 意味じゃぁー 似合っているよ 香ちゃんも 可愛い」
「そーですかぁー 良かったぁー」と、香ちゃんはすぐに上機嫌になるのだ。
その後も、香ちゃんと一真さんは色んな話をしていたので
「香 ずいぶん 親密そうね」
「ウン ウチ 時々 一真さんのとこに行ってるネン ご飯の用意なんかもお手伝いしてる」
「へぇー そーなん? 彼女みたいやんかー」
「えへぇー まぁ 押しかけ彼女や」
と、言っているのに、一真さんは黙って聞いているだけで、否定もしていなかった。私も、どうでも良かったのだけど
「水澄ちゃんは 彼氏は?」と、突然の問いかけに
「えっ はぁ まぁ 特定の じゃーぁないですけどー」と、応えると
「ウソッ」と、香ちゃんが小さく言うのが聞こえた。まだ、知り合って間もないのだけど、やっぱり智子とは違うんだと思っていた。
「水澄ちゃん 日焼けしてるね」
「うん 福井の海に行ってたからー」
「福井かー 北之庄だね 現在の福井城は柴田勝家の時のとは違う場所なのだろうって知ってた?」
「あっ 柴田勝家ってお市の方と三姉妹を引き取った人でしょ!」
「そーだよ 水澄ちゃん 詳しいね お市の方は最初 嫌がっていたのだけど、浅井長政に嫁いで、仲睦まじくなって、三姉妹を生んだのだけど、長政が信長に滅ぼされて、その後は信長のもとで暮らしていてね。今度は、信長が明智光秀の謀反にあって、その後の信長配下の武将の会議で勝家に嫁ぐことになったんだよー」
「へぇー 一真さんの方が詳しい 受験勉強にそこまで必要ですかぁー?」
「いや たまたま 興味あったから、息抜きに・・・ こんな話もあるんだよ 勝家とお市さんは歳が離れていたからか 勝家はお市さんとは夫婦の間のことが無かったらしい そーいうこともあるからか、勝家の武将としての男らしさに お市さんは次第に情がわいて、最後は秀吉に攻められた時も、三姉妹は秀吉に託して、勝家とともに自害したとか」
「ふ~ん 夫婦になったのに してなかったんだー」
「ふふっ そう してなかったらしい もともと、信長の下についた時から、勝家はお市さんに憧れみたいものを感じていて、崇拝してたみたいだからー 手も触れられなかったんだろう」
「へぇー そこまでになると 男の人って 手を出しにくくなるんだー」と、香ちゃんも話に乗ってきた。
「・・・それは・・・どうだか・・・。信長が死んだ後の会議で、お市さんを勝家のもとにって、押したのは秀吉らしいんだ。当時、勝家が信長の筆頭家老みたいなもんだったから、秀吉は恩を売るつもりだったんだろう。勝家がお市さんのことを慕っているのを以前から知っていただろうからー それに、秀吉もねらっていたと思うけど、当時はまだ ねねさんも まだ若かったし、怖かったのだろう」
「そうかぁー 秀吉って女ったらしだもんねー」
「かもな 結局三姉妹のうち二人もものにしたもんなー それ以外にも、戦で留守にしている武将の妻を呼び寄せて、言い寄ったらしい 天下人だからやりたい放題なんだろう」
「男って 権力とお金を手に入れると 結局 女を弄ぶんだよねー 一真さんも そう?」
「えっ なんだよー 水澄ちゃん 厳しいこと聞いて来るなぁー そんなの そーなってみないと わかんないよー どんな気持ちなのか」
お昼すぎにホテルに着いて、すぐに私達3人は海に向かって、お母さん達は海辺のカフェでお茶をしていた。最初、私等女の子を前にぎこちなかった彼も、次第に浮き輪の取りっこをしているうちに、身体が触れ合っても自然と振舞っていたのだ。
そして、次の日はアドベンチャーワールドに行ったのだけど、香ちゃんは時々 彼と手を繋いだりして恋人気取りなのだ。私は、ふたりのデートに付き添いで来ているようなものだった。ちっとも 私は楽しいことも無く、翔琉達ともう 1泊の方がよかったのになー・・・。
10
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
光のもとで2
葉野りるは
青春
一年の療養を経て高校へ入学した翠葉は「高校一年」という濃厚な時間を過ごし、
新たな気持ちで新学期を迎える。
好きな人と両思いにはなれたけれど、だからといって順風満帆にいくわけではないみたい。
少し環境が変わっただけで会う機会は減ってしまったし、気持ちがすれ違うことも多々。
それでも、同じ時間を過ごし共に歩めることに感謝を……。
この世界には当たり前のことなどひとつもなく、あるのは光のような奇跡だけだから。
何か問題が起きたとしても、一つひとつ乗り越えて行きたい――
(10万文字を一冊として、文庫本10冊ほどの長さです)
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる