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第7章
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2月に入って直ぐに、響先輩も太子女学園の高校進学が確定して、クラブの練習では高校のほうに合流していた。だけど、新人なので部員の周りの球拾いとかをしていたのだ。
そして、お兄ちゃんも入試試験があって、合格発表の日、硝磨さんと一緒に同じ高校に受かっていた。サッカー部はそんなに強く無いのだけど、二人で盛り上げていくんだと張り切っていたのだ。
それで、お母さんは早い目に帰って来て、お兄ちゃんの大好きなトンカツを用意していた。
「おめでとう 達樹 頑張ったネ」
「いや それほどでも・・・ 普通だよ」
「そんなことないよ 正直 言うと 達樹が公立に行くのと私立じゃぁ ウチの家計では大違いなのよー 授業料無料になるといっても他に係るものが違うものー」
「お母さん ごめんなさい 私・・・負担かけてしまって・・・」
「あっ ごめん 水澄は お母さんの我儘だからー」
「そーだよ 水澄は太子女学園のスターなんだから ちゃんと期待に応えているじゃん」
「そんなー スターだなんて・・・」
「このトンカツ うまい! 普段より厚いしー」
「そう 特別に厚めに切ってもらったの」
「そうかー 格別にうまいなぁー」
「ねぇ お母さん お父さんのもあるの?」
「水澄は心配しないでも 良いわよ あの人はあんまり食べないから お母さんのを2切れ程 とっとくからー」
「そーだよな 親父 帰りも遅いし いつも お酒とつまみだけだもんなー」
「ねぇ お父さん いつも そんなで身体大丈夫なの?」
「大丈夫みたいよ お昼は何だかんだで、しっかり食べているみたい」
「ふ~ん でも まだ メタボな雰囲気無いみたいだしネ」
「そうなのよー 健康よ お母さんはしっかり観察管理しているつもりよ 朝もちゃんと食べてくれているし」
「いまだに お父さんとお母さんは雰囲気いいものなー なぁ 夜もそんななのー?」
「なっ なに言い出すのよー 達樹! 水澄も居るのに・・・」
「水澄だって もう 一人前だよー なぁー」
「・・・」
「お父さんにはちゃんと愛してもらってます! だから、あなた達も普通の生活が送れてるんでしよ 夫婦ってそーいうもんなんです! お母さんだって、まだ、ぎりぎり40前よ! もう いい? これ以上は恥ずかしいワ」
その夜、私はのどが渇いて、下に降りて行くと、お父さんがリビングでお酒を飲んでい、その隣に寄り添ってお母さんも飲んでいるみたい。
「おっ 水澄 どうした 珍しい」
「うん なんか 喉が渇いて 飲みたくなってー」
「そうか 達樹は? 褒めてやろうかと・・・」
「寝ちゃったみたい ほっと したんじゃんない?」
「ほぉー あいつでも さすがに 緊張してたんかなぁー」
「あのさー お酒もほどほどにしてよね! 私もお母さんも大好きなお父さんなんだからー いつまでも元気で居てくれないとー」と、言うなり私は2階に上ってきたのだ。
ベッドに入って、寝ようとしたのだけど、さっき見たのだ お父さんが、お母さんのスカートの上からなんだけど太腿に手を置いているのを・・・初めて見る光景だった 私は、想像してしまって、自分でも、うずいてきているとこに自然と手を添えてしまっていたのだ。翔琉と抱き合ったあの時 家に帰ってきて あそこが湿っているのに気がついていたから・・・
そして、香ちゃんが、嬉しそうに「一真さん合格したよ」って言ってきたけど、私はラインで一真さんから報告をもらっていたから、もう知っていた。彼は、学校推薦入試だから、もう合格発表があったのだ。香ちゃんに知らされたのは、しばらくしてからなんだろうけど、そのことを私は黙っていた。
「ねぇ ねぇ お祝いしなきゃーね 又 一真さんのおうちかなぁー お召かししていかなきゃーね」と、はしゃいでいたけど、私は聞かないふりをしていた。
3月になって、お兄ちゃんの卒業式の夕方。私が帰ると、お母さんが
「ねぇ 聞いてよ 卒業式の時にね あの欅原さんとこのお母さんが 寄って来るのよー 私 嫌でね 避けてたんだけど、しきりに話掛けてきて、仕方ないから隣に座ることになってしまったのよー」
「ふ~ん 別にいいんじゃぁない」
「でもね 水澄ちゃんはすごいみたいネ 学年でトップらしいじゃぁない 卓球も頑張ってるみたいで優勝したんでしょう? すごいわぁー 近所の奥さんも言ってたわ きれいな娘さんになってるって 翔琉なんてくすんじゃてー だって そんなこと知らないわよーネ 翔琉君のことなんて 聞いてもいないのにー 勝手にベラベラとぉー」
「・・・」私が黙っていると続けてきて
「でもね でも 真面目で良い子ですよねって言ってしまったもんだから そうなのあの子はそれだけが取り柄なのよー とか、言っちゃってー それから、達樹と硝磨君の話になって 二人でサッカー頑張るんだって・・・これからも よろしくねっだってー うんざりよー 適当に流してたけどね」
「そうだったの ・・・ でも、あっさりとしたお母さんよね?」
「まぁ かも知れないけど・・・ あの家 私は好かない お付き合いするのは達樹だけよ!」
「私は?」という言葉が出せなかった。どうしても、私と翔琉との間を疎遠にしたいみたいなのだ。
そして、お兄ちゃんも入試試験があって、合格発表の日、硝磨さんと一緒に同じ高校に受かっていた。サッカー部はそんなに強く無いのだけど、二人で盛り上げていくんだと張り切っていたのだ。
それで、お母さんは早い目に帰って来て、お兄ちゃんの大好きなトンカツを用意していた。
「おめでとう 達樹 頑張ったネ」
「いや それほどでも・・・ 普通だよ」
「そんなことないよ 正直 言うと 達樹が公立に行くのと私立じゃぁ ウチの家計では大違いなのよー 授業料無料になるといっても他に係るものが違うものー」
「お母さん ごめんなさい 私・・・負担かけてしまって・・・」
「あっ ごめん 水澄は お母さんの我儘だからー」
「そーだよ 水澄は太子女学園のスターなんだから ちゃんと期待に応えているじゃん」
「そんなー スターだなんて・・・」
「このトンカツ うまい! 普段より厚いしー」
「そう 特別に厚めに切ってもらったの」
「そうかー 格別にうまいなぁー」
「ねぇ お母さん お父さんのもあるの?」
「水澄は心配しないでも 良いわよ あの人はあんまり食べないから お母さんのを2切れ程 とっとくからー」
「そーだよな 親父 帰りも遅いし いつも お酒とつまみだけだもんなー」
「ねぇ お父さん いつも そんなで身体大丈夫なの?」
「大丈夫みたいよ お昼は何だかんだで、しっかり食べているみたい」
「ふ~ん でも まだ メタボな雰囲気無いみたいだしネ」
「そうなのよー 健康よ お母さんはしっかり観察管理しているつもりよ 朝もちゃんと食べてくれているし」
「いまだに お父さんとお母さんは雰囲気いいものなー なぁ 夜もそんななのー?」
「なっ なに言い出すのよー 達樹! 水澄も居るのに・・・」
「水澄だって もう 一人前だよー なぁー」
「・・・」
「お父さんにはちゃんと愛してもらってます! だから、あなた達も普通の生活が送れてるんでしよ 夫婦ってそーいうもんなんです! お母さんだって、まだ、ぎりぎり40前よ! もう いい? これ以上は恥ずかしいワ」
その夜、私はのどが渇いて、下に降りて行くと、お父さんがリビングでお酒を飲んでい、その隣に寄り添ってお母さんも飲んでいるみたい。
「おっ 水澄 どうした 珍しい」
「うん なんか 喉が渇いて 飲みたくなってー」
「そうか 達樹は? 褒めてやろうかと・・・」
「寝ちゃったみたい ほっと したんじゃんない?」
「ほぉー あいつでも さすがに 緊張してたんかなぁー」
「あのさー お酒もほどほどにしてよね! 私もお母さんも大好きなお父さんなんだからー いつまでも元気で居てくれないとー」と、言うなり私は2階に上ってきたのだ。
ベッドに入って、寝ようとしたのだけど、さっき見たのだ お父さんが、お母さんのスカートの上からなんだけど太腿に手を置いているのを・・・初めて見る光景だった 私は、想像してしまって、自分でも、うずいてきているとこに自然と手を添えてしまっていたのだ。翔琉と抱き合ったあの時 家に帰ってきて あそこが湿っているのに気がついていたから・・・
そして、香ちゃんが、嬉しそうに「一真さん合格したよ」って言ってきたけど、私はラインで一真さんから報告をもらっていたから、もう知っていた。彼は、学校推薦入試だから、もう合格発表があったのだ。香ちゃんに知らされたのは、しばらくしてからなんだろうけど、そのことを私は黙っていた。
「ねぇ ねぇ お祝いしなきゃーね 又 一真さんのおうちかなぁー お召かししていかなきゃーね」と、はしゃいでいたけど、私は聞かないふりをしていた。
3月になって、お兄ちゃんの卒業式の夕方。私が帰ると、お母さんが
「ねぇ 聞いてよ 卒業式の時にね あの欅原さんとこのお母さんが 寄って来るのよー 私 嫌でね 避けてたんだけど、しきりに話掛けてきて、仕方ないから隣に座ることになってしまったのよー」
「ふ~ん 別にいいんじゃぁない」
「でもね 水澄ちゃんはすごいみたいネ 学年でトップらしいじゃぁない 卓球も頑張ってるみたいで優勝したんでしょう? すごいわぁー 近所の奥さんも言ってたわ きれいな娘さんになってるって 翔琉なんてくすんじゃてー だって そんなこと知らないわよーネ 翔琉君のことなんて 聞いてもいないのにー 勝手にベラベラとぉー」
「・・・」私が黙っていると続けてきて
「でもね でも 真面目で良い子ですよねって言ってしまったもんだから そうなのあの子はそれだけが取り柄なのよー とか、言っちゃってー それから、達樹と硝磨君の話になって 二人でサッカー頑張るんだって・・・これからも よろしくねっだってー うんざりよー 適当に流してたけどね」
「そうだったの ・・・ でも、あっさりとしたお母さんよね?」
「まぁ かも知れないけど・・・ あの家 私は好かない お付き合いするのは達樹だけよ!」
「私は?」という言葉が出せなかった。どうしても、私と翔琉との間を疎遠にしたいみたいなのだ。
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