彼は いつから私の彼氏? 好きと感じた時から・・・でも、別の道を進むねん

すんのはじめ

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第7章

7-6 お兄ちゃんの高校進学のお祝い

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 次の日曜日、お兄ちゃんの高校進学祝いにお父さんが天王寺のレストランのお昼を予約してくれていた。お正月に買ってくれた首元までフリルで立ち上がっている白いブラウスに赤系チェックのベストワンピースの上に臙脂色のボレロ風のブレザー。それに、フレァーになっているレースのピンクのアンダースリップも。その上からお兄ちゃんに買ってもらった七宝のペンダントも下げた。お母さんも、うっすらとオレンヂに輝くシルクのワンピースに短めのブレザーと真珠のネックレスをして、私にもお化粧を施して、うすく赤い口紅も引いてくれていた。少し、気になっていた短い髪の毛にも赤い花型のピンを用意してくれていたが、主役のお兄ちゃんは、白のポロシャツに紺のカーディガンとグレーのスラックス。

「なんだよー 二人とも着飾って 男ってつまんないのー」

「お兄ちゃん 交換してあげようか?」

「あほっ まぁ 水澄も見違えるように可愛いからいいけどー ふ~ん スカートが少しふんわりしてるんだー」

「そーなんだよ ほらっ アンダーも着てるからね!」と、私がスカートをめくって廻ってピンクのを見せると

「わかった よせよー 可愛いってばぁー お嬢様だよ!」

 レストランの入り口でお父さんが「身内だけの席なんだから、上着は脱いだらどうだ?」と、言っていたので、私とお母さんは上だけ脱いで、案内されて毛足の短いカーペットを歩いて、天芝公園を真下に、その向こうには動物園の柵と通天閣も見渡せる窓際の席に着いた。

 促されて、お母さんはビール、お兄ちゃんはコーラを頼んでいたけど、私はお水をお願いしていた。

「水澄ちゃんって 少しのことで質素よねー」

「そう? だって せっかく これから美味しい物を食べるのに 何か飲むのもったいなくない?」

「まぁ 水澄の言うことも一理あるが お酒も昔から料理の友なんだってこともな・・・じゃぁ 達樹の高校進学を祝って 乾杯! おめでとう」

そして、お料理が運ばれて来て前菜に舌鼓を打っていると

「達樹 高校でもサッカーやるんだろう?」

「うん 硝磨も居るしネ」

「そうか 今年は国立なんか?」

「そんなー まだまだだよー でも来年には大阪代表になりたいと思ってる」

「だなー そんな簡単なものじゃぁ無いよなー 水澄は全国制覇なんだろう? 今年は選ばれるのか?」

「お父さん そんなー でも 頑張って選ばれようと思ってる それに、団体なら頂点 可能性あると思う」

「そうかぁー 二人とも頼もしいのぉー お父さんなんてな 中央の大会までいったことが無いんじゃー 唯一 メダルじゃぁ無くて、お母さんを娶ったのが自慢だ 美人だろう? 水澄もなかなかのものだろうと思うが?」

「へっ 親父も言うのぉー 今日は 俺のお祝いだろう? なのに 二人とも着飾ってー」

「達樹 男っていうのはなー こんなに美しい女性が二人も側に居るのって 最高に自慢していいんだぞー」

「あなた 言い過ぎじゃぁないですの」

「どうして 僕は本当にそう思っている 幸せなんじゃ」

「私も、あなたが一生懸命遅くまでお仕事してくれて、こうやって素敵なお店に連れてきていただいて、家族みんなで・・・幸せですわ」

「ふたりとも、相変わらず仲が良いね。俺が夜食で下に降りて行っても、時間も遅いのにお母さんは何かを用意して親父を待っているものなぁー。自分だって朝、仕事に行くのに普通なら寝ているよー 親父も感謝しなきゃーな」

「なにを言うんじゃー いつも感謝してるさー 僕が仕事に打ち込めるのもお母さんのお陰なんじゃ」

「最近は土曜日には早い目に帰って来て、晩ご飯一緒して、私にいろいろと話し掛けてくれてるよねー お父さん ありがとうネ」

「うむー 達樹に言われて 反省したんじゃ あぁー 僕には、素晴らしい妻と可愛い息子と娘が居るんだ 大切にしなきゃってな!」

「そーいうとこって 私 お父さん 大好き!」

「なんだ 水澄 点数稼いでいるのぉー」

「そんなことないよ! 本当なんだものぉーぉ」

「ふふっ 水澄は可愛いのぉー そうだ 達樹 進学祝い 何が良い?」

「そうだなー かかとのところが崩れてきてるのでスパイクがいいな でも 高校に入ったら色々とお金かかるしー」

「それは、お母さんもつもりしていると思うよ なるほど わかった 水澄もすぐ誕生日だろう 何かプレゼントは? なんかアクセサリーにしようか?」

「お父さん 私はいいよー 普段から、遠征費とか出してもらってるし、今度も合宿があるし アクセサリーなんかは飾ることも無いし」

「水澄 遠慮しないで言えよー シューズ 今の フイットして無いんじゃぁないか  中敷を色々変えたり、紐を変えたりしてるじゃぁ無いか! 水澄は他の奴より動き激しいから、側も伸びてきてるんちゃう? 俺なんかとレベルが違う 水澄は全国の頂点に行くんだからー 俺なんかより大事だろう?」

「お兄ちゃん そんなん 大丈夫だよ 今のままで・・・」

「そうか 水澄は全国の頂点かー そーするとゆくゆくはオリンピックだなぁー すごいぞ」

「だからぁー お父さん そんなの夢の夢だよ」

「でも その夢を見れる位置に居るってことだろう? すごいことじゃぁないか 水澄の応援に行くのを楽しみにしてるんじゃ よし! 水澄にもシューズ買おう」

 そして、スポーツ店に行って、お兄ちゃんはすぐに決めたけど、私はいろいろと穿いてみて、アタックエクスカウンター2というのを穿いた時、今 穿いているのと違って、すごく動きやすくって、グリップもしっかりしているし気に入ってしまったんだけど高いのだ。何故かお母さんの顔色を伺ったのだけど、お母さんも頷いていたので、それをおねだりしてしまった。

 それから、お父さんは無理やりアクセサリーのお店に連れて行って、私にアクアマリンのトップがついたプラチナチェーンのネックレスを買ってくれたのだ。

「水澄は我が家の宝物なんだからな」と、お父さんは上機嫌だったみたい。 

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