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第12章
12-4 先輩 高校のエースに勝ったのだ
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6月に入ると、私と花梨が高校生との練習に呼ばれることが多くなってきて、特に私は美ひろ先輩の相手が多かったのだ。今度は、私も球の速さが鋭くなっていて、ときたま放つバックバンドも威力を増していた。だから、打ち合っていても、何回となく美ひろ先輩に打ち負けることは無かったのだ。
「水澄 すごく進化してるわね 今の調子だったらインターハイでも充分 通用するレベルよ あのね 練習相手としては すごく良いのよ でも 水澄の本気がみたいわ」
「あっ そーなんですか 私 必死で・・・」
「水澄は 前はパターン同じだったけど 今は球のスピード速くなったし、コースもセンターを突いたり、ミドルで来たり、緩急もつけてきてー 対応が慌てしまうわ 花梨もそう あなた達 ふたり 又 今年の全中決勝では 伝説の闘いになるのかもね」
美ひろ先輩には、二人とも何となく褒められていたが、花梨は
「なぁ 水澄 ウチ等このままでええんやろぅかー? 美ひろ先輩は 水澄との練習で 水澄が本気ちゃうと思ってるでー それにな! 都女学院の鐘ヶ淵翠 どんだけ 進化してるやろー 春も水澄も負けたやんかー 去年は京都で優勝して、全中には出てへんやんかー 本堂監督のもとやでー 怖いなぁー それに、忍埜山の見沼川七菜香も不気味やー」
「あの時は脚が動かへんかってんってゆうてるやろー あんなん何とかなるわー」
「そんなんゆうてもなー あん時 水澄のサーブもスマッシュも直ぐに・・・相手のサーブを返しても、直ぐ 仕掛けてきてたやん 水澄は苦労しとったやんかー あの時より もっともっと 動き速よーなってるでー」
「うん 多分なー」
「ウチ 考えてるんやー あの子 パターン 今までとちゃうんやー あの速い攻撃にどう対応したらええやろかって 前に出て、ぶつけ合うか 後ろに下がって、かわしたほうがええんやろかーって」
「そんなん もっと回転掛けるように打ち込んで 簡単に返されへんよーにしたらええんちゃう?」
「う~ん なんともなー・・・」花梨は天才だから、何とか考えるやろー
「水澄 美ひろ先輩がな 明日 試合形式でやりたいって言ってきたわよ 今のままやと水澄も本気出さへんから、お互いに伸びひんからって・・・だから本気で向かってきなさいって・・・」と、若葉が告げに来た。
「へぇー そんなん 何で若葉に言ってくるん? 直接 私に、ゆうたらええやん」
「まぁ 監督には了解をもらったって言ってたけど、キャプテンやからウチに話通したんちゃう?」
「ほらっ みぃー 美ひろ先輩 口では褒めてたけど、ほんまは 怒ってるんちゃうやろかー ウチが見とっても 水澄・・・本気のスマッシュちゃうヤン」と、花梨が
「あぁー でも それは・・・そんなん仕掛ける余裕も無いし・・・先輩に対して失礼かなって・・・」
「そんなん気使うことないヤン 怒らせてしもーてー 明日 ボコボコにされて泣いても知らんでー」
「花梨・・・どーしよぉー」
翌日、試合前に美ひろ先輩から
「良い? 全力よ! いい加減だったら、立ち直れないくらいにするからね!」と、威圧的に言われていた。
「水澄 普段どうりで良いんだからね 緊張しないでね」と、響先輩も心配してくれる程だった。
試合が始まって、最初 私のフォアーハンドが相手の逆サイドの隅に決まっていて5-1でリードしていたのだけど、それから、美ひろ先輩は私からは遠いところに返してくるようになって、あっという間にリードされて、それでも私は、ミドルとかフォアサイドの短い所に振るように対応するようにしていたのだが、美ひろ先輩の球の速さについていけずに7-11で1ゲーム目を落としていた。
そして、2ゲーム目も、私が得意のスマッシュを放っても放っても返されて、3-11と圧倒的に負かされていた。
「水澄 意地になっとるでー なんぼ水澄のスマッシュが強烈でも眼が慣れてしまうからー・・・でもな 美ひろ先輩は同じとこに返してるやろ? 水澄から遠いとこ 逆に考えたら、そこにしか よー返さんねんやーと思うでー」と、ゲームの間の時間に花梨が言ってくれた。
次のゲームからは、花梨に言われたように、相手の返球を待ち受けるようにして、フォァサイドにバックハンドで短く返したり、センターを突いたり、もう一度強烈なフォァハンドに捻りを加えたりして、9-9になった時、浮いて返ってきたボールを私は、飛び跳ねながら相手の逆サイドの台の真ん中あたりを目掛けて捻りながら思いっ切り打ち込んでいった。美ひろ先輩のラケットも届かずで、私のゲームポイントになって、次も私のスマッシュは魔球になって美ひろ先輩のラケットの先を横にかすめていたのだ。
「水澄 調子良いよー 先輩は水澄のスマッシュがストレートにくるのか変化するのか迷ってるみたいよ それに、速い仕掛けに戸惑ってるわよ この 調子ネ 勝てるかもネ」と、花梨は勇気をくれていた。
次のゲームも拮抗していたが、私が常にリードしていて、大事なところでは、必殺のスマッシュで相手を崩していたのだ。そして、私はゲームポイントを迎えていて、勝つつもりのあのスマッシュを・・・だけど、美ひろ先輩は予測していかのようにラケットを伸ばして、ポトンと私の遠いネット際に・・・あの時の花梨と同じ・・・私も 予測していたのだ。だから、ラケットを差し出して、相手のネット際にポトンと返していた。やったー これでゲームポイント2-2のタイに持ち込んだのだ。
(どうですか これが あなたの後輩の本気の実力ですよ)と、私には、自信が湧いていた。相手の球の速さにも慣れてきていたし、確実に相手を翻弄していると・・・。
最終ゲームは7-7で拮抗していて、その後、私はセンターに打ち込んで連続ポイントで9-7とリードしたのだ。それまでは、見ていた部員達も声をあげていたのだが、それからは試合の行方を見守ってか声も出なくなっていた。
私のサーブの時、帰ってきたボールを思いっ切り叩きつけて相手のバックサイドに・・・ボールはバウンドの後、イレギュラーに変化したが、美ひろ先輩は追いついて返してきた。そのボールを私はラケットの位置を下げて擦りながらその後は、フォァサイド手前に低い弾道で打ち返していった。それは、バウンドした後、内側に低く跳ねていて、美ひろ先輩も戻ってきていたがラケットで捕らえたボールは力無くネットを越えなかった。私の第2の魔球だ。そして、次のサーブでは帰ってきたボールを直接、私はボールの下を擦りながらステップして叩きつけるようにしたのだが、バウンドした後は真横に跳ねるように・・・美ひろ先輩は最後はラケットを突き放すようにしてボールに当てようとしていたが、そのままボールはラケットを超えて、台の上を転がっていったのだ。その瞬間、美ひろ先輩は台にしばらく突っ伏していて、中学の部員は歓声をあげていたけど、高校の部員は唖然としていた。その後
「本気でやれって言ったけどー・・・先輩のメンツはどうしてくれるんやー 一応エースなんやからなーっ」と、その時、皆に一瞬の緊張が流れ、沈黙の時があった。そして、先輩は私を抱きしめてきて、叱られると思ったら
「水澄 すごい こんな すごい後輩が居るなんて ワクワクするわー」
「あっ はい 夢中で・・・」
「ふふっ 最後の あんなスマッシュ 返せるわけないじゃぁない?」
「あれは たまたまなんです・・・」
「花梨 ありがとう アドバイスしてくれて」
「あたりまえヤン 水澄とは 一心同体やろー でも 水澄の最後 なんなん? あんなの・・・恐ろしいわー」
「水澄 すごく進化してるわね 今の調子だったらインターハイでも充分 通用するレベルよ あのね 練習相手としては すごく良いのよ でも 水澄の本気がみたいわ」
「あっ そーなんですか 私 必死で・・・」
「水澄は 前はパターン同じだったけど 今は球のスピード速くなったし、コースもセンターを突いたり、ミドルで来たり、緩急もつけてきてー 対応が慌てしまうわ 花梨もそう あなた達 ふたり 又 今年の全中決勝では 伝説の闘いになるのかもね」
美ひろ先輩には、二人とも何となく褒められていたが、花梨は
「なぁ 水澄 ウチ等このままでええんやろぅかー? 美ひろ先輩は 水澄との練習で 水澄が本気ちゃうと思ってるでー それにな! 都女学院の鐘ヶ淵翠 どんだけ 進化してるやろー 春も水澄も負けたやんかー 去年は京都で優勝して、全中には出てへんやんかー 本堂監督のもとやでー 怖いなぁー それに、忍埜山の見沼川七菜香も不気味やー」
「あの時は脚が動かへんかってんってゆうてるやろー あんなん何とかなるわー」
「そんなんゆうてもなー あん時 水澄のサーブもスマッシュも直ぐに・・・相手のサーブを返しても、直ぐ 仕掛けてきてたやん 水澄は苦労しとったやんかー あの時より もっともっと 動き速よーなってるでー」
「うん 多分なー」
「ウチ 考えてるんやー あの子 パターン 今までとちゃうんやー あの速い攻撃にどう対応したらええやろかって 前に出て、ぶつけ合うか 後ろに下がって、かわしたほうがええんやろかーって」
「そんなん もっと回転掛けるように打ち込んで 簡単に返されへんよーにしたらええんちゃう?」
「う~ん なんともなー・・・」花梨は天才だから、何とか考えるやろー
「水澄 美ひろ先輩がな 明日 試合形式でやりたいって言ってきたわよ 今のままやと水澄も本気出さへんから、お互いに伸びひんからって・・・だから本気で向かってきなさいって・・・」と、若葉が告げに来た。
「へぇー そんなん 何で若葉に言ってくるん? 直接 私に、ゆうたらええやん」
「まぁ 監督には了解をもらったって言ってたけど、キャプテンやからウチに話通したんちゃう?」
「ほらっ みぃー 美ひろ先輩 口では褒めてたけど、ほんまは 怒ってるんちゃうやろかー ウチが見とっても 水澄・・・本気のスマッシュちゃうヤン」と、花梨が
「あぁー でも それは・・・そんなん仕掛ける余裕も無いし・・・先輩に対して失礼かなって・・・」
「そんなん気使うことないヤン 怒らせてしもーてー 明日 ボコボコにされて泣いても知らんでー」
「花梨・・・どーしよぉー」
翌日、試合前に美ひろ先輩から
「良い? 全力よ! いい加減だったら、立ち直れないくらいにするからね!」と、威圧的に言われていた。
「水澄 普段どうりで良いんだからね 緊張しないでね」と、響先輩も心配してくれる程だった。
試合が始まって、最初 私のフォアーハンドが相手の逆サイドの隅に決まっていて5-1でリードしていたのだけど、それから、美ひろ先輩は私からは遠いところに返してくるようになって、あっという間にリードされて、それでも私は、ミドルとかフォアサイドの短い所に振るように対応するようにしていたのだが、美ひろ先輩の球の速さについていけずに7-11で1ゲーム目を落としていた。
そして、2ゲーム目も、私が得意のスマッシュを放っても放っても返されて、3-11と圧倒的に負かされていた。
「水澄 意地になっとるでー なんぼ水澄のスマッシュが強烈でも眼が慣れてしまうからー・・・でもな 美ひろ先輩は同じとこに返してるやろ? 水澄から遠いとこ 逆に考えたら、そこにしか よー返さんねんやーと思うでー」と、ゲームの間の時間に花梨が言ってくれた。
次のゲームからは、花梨に言われたように、相手の返球を待ち受けるようにして、フォァサイドにバックハンドで短く返したり、センターを突いたり、もう一度強烈なフォァハンドに捻りを加えたりして、9-9になった時、浮いて返ってきたボールを私は、飛び跳ねながら相手の逆サイドの台の真ん中あたりを目掛けて捻りながら思いっ切り打ち込んでいった。美ひろ先輩のラケットも届かずで、私のゲームポイントになって、次も私のスマッシュは魔球になって美ひろ先輩のラケットの先を横にかすめていたのだ。
「水澄 調子良いよー 先輩は水澄のスマッシュがストレートにくるのか変化するのか迷ってるみたいよ それに、速い仕掛けに戸惑ってるわよ この 調子ネ 勝てるかもネ」と、花梨は勇気をくれていた。
次のゲームも拮抗していたが、私が常にリードしていて、大事なところでは、必殺のスマッシュで相手を崩していたのだ。そして、私はゲームポイントを迎えていて、勝つつもりのあのスマッシュを・・・だけど、美ひろ先輩は予測していかのようにラケットを伸ばして、ポトンと私の遠いネット際に・・・あの時の花梨と同じ・・・私も 予測していたのだ。だから、ラケットを差し出して、相手のネット際にポトンと返していた。やったー これでゲームポイント2-2のタイに持ち込んだのだ。
(どうですか これが あなたの後輩の本気の実力ですよ)と、私には、自信が湧いていた。相手の球の速さにも慣れてきていたし、確実に相手を翻弄していると・・・。
最終ゲームは7-7で拮抗していて、その後、私はセンターに打ち込んで連続ポイントで9-7とリードしたのだ。それまでは、見ていた部員達も声をあげていたのだが、それからは試合の行方を見守ってか声も出なくなっていた。
私のサーブの時、帰ってきたボールを思いっ切り叩きつけて相手のバックサイドに・・・ボールはバウンドの後、イレギュラーに変化したが、美ひろ先輩は追いついて返してきた。そのボールを私はラケットの位置を下げて擦りながらその後は、フォァサイド手前に低い弾道で打ち返していった。それは、バウンドした後、内側に低く跳ねていて、美ひろ先輩も戻ってきていたがラケットで捕らえたボールは力無くネットを越えなかった。私の第2の魔球だ。そして、次のサーブでは帰ってきたボールを直接、私はボールの下を擦りながらステップして叩きつけるようにしたのだが、バウンドした後は真横に跳ねるように・・・美ひろ先輩は最後はラケットを突き放すようにしてボールに当てようとしていたが、そのままボールはラケットを超えて、台の上を転がっていったのだ。その瞬間、美ひろ先輩は台にしばらく突っ伏していて、中学の部員は歓声をあげていたけど、高校の部員は唖然としていた。その後
「本気でやれって言ったけどー・・・先輩のメンツはどうしてくれるんやー 一応エースなんやからなーっ」と、その時、皆に一瞬の緊張が流れ、沈黙の時があった。そして、先輩は私を抱きしめてきて、叱られると思ったら
「水澄 すごい こんな すごい後輩が居るなんて ワクワクするわー」
「あっ はい 夢中で・・・」
「ふふっ 最後の あんなスマッシュ 返せるわけないじゃぁない?」
「あれは たまたまなんです・・・」
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