彼は いつから私の彼氏? 好きと感じた時から・・・でも、別の道を進むねん

すんのはじめ

文字の大きさ
88 / 96
第12章

12-5

しおりを挟む
 1学期の期末考査、学年トップは若葉で、3点差で大路輝葉と私は2位だった。また、若葉の上にはなれなかった。(神様 どうして その3点を私に授けてくれないの? 私 悪い子だから? 翔琉と・・・しちゃったから?) だけど、私は絶対に全中個人決勝で頂点に立つと決意していた。(神様 お願い 今度は 私を・・・ 私の 脚・・・手・・・困るけど、二つあるおっぱいなら 片方あげてもいいわ ひとつあれば 赤ちゃんにあげれるし・・・翔琉には・・・兼用してもらうから・・・)

 夏休みに入って、直ぐの高校総体大阪予選では美ひろ先輩は個人戦で優勝していて、団体戦でも我が校は圧倒的強さで優勝していたのだ。その後は、私達の全中の大阪大会なのだ。

 石切監督は、団体戦の初戦に、トップ 香、2番手に白川輝葉、そしてダブルスには莉子とひなた、4番遥香、5番若葉を指名していた。2戦目はトップ 遥香、2番押切美実、ダブルスには莉子とひなた、4番香、5番若葉だった。

 個人戦では、準決勝に勝ち上がったのは、花梨、香、若葉と私 私達太子学園の四天王だった、花梨は準々決勝で忍埜山の見沼川七菜香をフルセットの末 勝ち抜いてきたのだ。私の次の相手は花梨とだったのだけど、私は監督にお願いして棄権にしてもらったのだ。時々、左の膝がビクッとすることがあるし、本当は、今 花梨と闘いたくなかったのだ。ここまでくれば、本戦には出れるはず。花梨とは、全中の本戦で決着を付けると決めていたのだ。結局、花梨と香との決勝になって、花梨が優勝していた。

 団体戦のほうも、私は大事をとって休んでいなさいという監督の言葉で、棄権していて、ダブルスは、莉子とひなたの組み合わせに若葉とひなたの組み合わせで戦っていて、二色が浜中学を破ってきた忍埜山女学園中学との決勝だったが、圧倒的に3-0で優勝していた。だけど、向こうは2年生と1年生主体のチームなので来年は強敵になるのだろう。

 翌日は休みで、その後はお盆前に3日間は強化練習なのだ。私は、膝の調子が良く無くって、かばいながら練習していたのだけど、花梨は私の異変に気付いていたのだろう、若葉に

「なぁ 今 疲れもピークや 強化練習も大切やけど ここで、身体痛めたりしたら どうもならんでー 皆には、無理せんよーに言いなぁ」と、私に聞こえるように言っていた。花梨は私のことは何でもわかっているのだろう。私の脚の調子も・・・

 練習が休みになっての初日の12日。朝 お母さんが仕事に出掛けようと玄関を開けた時

「あらっ みずきちゃん どうしたの?」と、大きな声で・・・

「水澄 水澄 みずきちゃんが門のところで待ってるのー」と、洗い物をしていた私に声を掛けてきた。

「みずき 9時からやゆうたやろー まだ8時半やでー」確かに、昨日 みずきから一緒にジョギング゛したいと言われていて、まぁ と了承していたのだけど

「いいんです 待ってます」

「待ってますって そんな暑いとこで・・・ まぁ 玄関の中ででも 待ってて」

「いいんです 動いて待ってます」

「・・・じゃぁ 早く済ませるね」と、言っていたら、お兄ちゃんが珍しく早い目に降りて来て、みずきちゃんに声を掛けていた。お兄ちゃんのお気に入りの子なんだからなのだろう。昨日までは、この暑いのに走るのかよー とか、文句言っていたくせに・・・。

 私 せかせられるように急いで着替えて、出て行って、3人で中央公園までジョギングして、少し休んで帰ってきた。往復1時間程なのだ。だけど、みずきちゃんは

「午後からも 来ますね」と

「えぇー ・・・あのね」

「お願いしますよー 私 他の子に負けとぉーない! 水澄先輩なんて 1年の時 全中の本戦にリザーブとして行ってるやないですかー 私は それから比べたら・・・ まだまだなんです どんどん厳しくして欲しい 5月に合宿に連れて行ってもらって 為になったし、勉強にもなりました あれからも 頑張ってるつもりなんですけど・・・家でも、反復横跳びしています」

「うん 確かに 頑張っているし、すごく伸びたと思うわ・・・ わかったわ 今日と明日だけね 明後日から 私のとこ留守にするからー」

「わぁ~い 有難うございます お昼 食べたら また 来ますネ」

「うっ うん 1時半よ! 早いのは ダメよ!」

  私は、お昼に誘われていたのでおばあちゃんチに行って、おにぎりを用意していてくれてたので

「ねぇ おばあちゃん? これ2つ お兄ちゃんに持って行っていい?」

「ええ いいわよー 2つで足りるのかい?」 

「うん カップ麺もあるからー」

「カップ麺ねぇ・・・こっちの海苔を巻いたのが梅干しで こっちが甘いめのちりめん山椒よっ」

 私は、急いで家に行って、お兄ちゃんに「テーブルにおにぎり置いておくからね」と伝えて、戻ってきて「感激してたよー」と、お兄ちゃんの顔は見て無いのだけど、適当なことを言っていた。

「お兄ちゃんって 達樹君のことだろう? あの子ね 少し前 庭の枝を切ってくれたのよ 私が切っていたら、通りがかって、代わりに・・・って 水澄ちゃんと同じで優しいよねー」

「へぇー そんなことがあったんだー 普段 ぶっきらぼうなんだけどね まぁ 私には優しいカナ! いつも それとなく 援護してくれるの」

「そうかい 男はね それっくらいが良いんだよ 優しくてね あと 真面目に働いてくれたらネ」

「ふ~ん ねぇ ご主人もそんな人だったの?」

「そーだね 口数も少なくて 仕事も真面目にやってたみたいよ」

「おばあちゃん 幸せだった?」

「だなー 平穏無事だったし 亡くなった後も、生活に困らないように残すもんはちゃんと残していてくれてたからねー 見送った後は、寂しくて泣いていたけどー もう 独りに慣れちゃったからね でも 今は 思いかけず 水澄ちゃんという可愛い孫も居るからね 幸せだよ」

「うん 私も ウチの両親は親戚も居ないから おばあちゃんが居てくれて楽しいよ!」

 昼からみずきが来た時に、ウチは狭いからと、おばあちゃんチのお庭を借りてトレーニングをしていた。私は、ステップするのは控えていて、もっぱら、みずきの素振りとかを見ていたのだ。次の日もそんな調子だったのだ。

 私は、少し不安になっていたのだけど、旅行の間の2日間は休むつもりだったので、その間に痛みは和らぐだろうと安易に考えていたのだが・・・
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

光のもとで2

葉野りるは
青春
一年の療養を経て高校へ入学した翠葉は「高校一年」という濃厚な時間を過ごし、 新たな気持ちで新学期を迎える。 好きな人と両思いにはなれたけれど、だからといって順風満帆にいくわけではないみたい。 少し環境が変わっただけで会う機会は減ってしまったし、気持ちがすれ違うことも多々。 それでも、同じ時間を過ごし共に歩めることに感謝を……。 この世界には当たり前のことなどひとつもなく、あるのは光のような奇跡だけだから。 何か問題が起きたとしても、一つひとつ乗り越えて行きたい―― (10万文字を一冊として、文庫本10冊ほどの長さです)

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

処理中です...