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第1章
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7月初め、紳お兄ちゃんが訪ねてきた。私が小学生の時、大学を中退してアメリカに行ってしまったから、ひさびさに会う。4月下旬頃に実家に帰ってきているはずだ。
駅前のホテルに泊まるというので、そのロビーで待ち合わせした。部活が終わった後、私はそこに向かった。7.8年ぶりなんだけど、わかるだろうか。
「絢 絢」手を振っている。すぐにわかったみたい。
私も「お兄ちゃん」と駆け寄ると、いきなりハグされ、背中をポンポンしながら
「かわいらしくなったな。去年の写真より、少し大人びたみたいだなぁ」
「お兄ちゃん みんな見てるから もう 恥ずかしい」
「おー そうか もうレディなんだものな アメリカだったら普通なんだけどなぁー キスだってするぞー 肉親でも 表の海鮮の店に行くか あっ でも商店街の近くが良いか その方が家近いんだろう」
と、言って路面電車で移動した
「お兄ちゃん、クリスマスのプレゼントありがとう ごめんなさい、着けてこれなくて、ウチ、学校から、そのまま来たし、もっときれいな恰好で来れば良かったんやけど」
「そんなこといいよ 急に連絡したし、それで充分可愛いよ」
「ありがとぅ あと、お父さんにウチのこと、後押ししてくれたんやろー 助かったワ」
「なんの 絢が真剣なのが、伝わってきたからなー 大学は楽しいか? 彼とは?」
「うん 順調 すごく楽しい 他にも良いお友達も出来たし」
お店に入って、お兄ちゃんは「7月に洋風雑貨のお店を東山でオープンさせるので、今、内装をやっているんだ」と言っていた。お父さんが反対していたに決まっているけど、たぶん、納得させたんだと思う。
「さっき、藤沢さんに挨拶してきたんだ。おやじからの言づけもあったしね。水島君の話も出てな、仲良くやっているそうじゃぁないか。良かったなぁー 彼にも、会ってみたかったんだけどね、おやじにも、どんな印象かを伝えたいと思ってね」
「と、思ったんやけどナ モト君、今日、家庭教師やし、あんまり、プレッシャーかけるのも嫌がるかなって思ってナ、お兄ちゃん来ること言うてへんねん それより、お兄ちゃん 恋人は? 居るのー」
「いやーぁ まだまだ 先に、仕事成功させないと」
「ウチ、日本に帰って来るいうから、アメリカからお嫁さん連れて、帰って来るんかなって思っててん」
「じょーだんだろう 向こうでは、仕事ばっかだったよ。でも、僕はあのまま大学に居るより、向こう行って良かったと思っている。実際に、実務を勉強させてもらったからな」
「絢は、夏休み帰って来るんだろ。お母さんも楽しみにしているぞ」
「ウン でも8月初めに試験があって、お盆は藤沢さんとこのお店が忙しいから、お手伝いしなきゃあなんないし・・」
「そうかー でも出来るだけ帰ってこいよ それも親孝行だぞ」
それから、私の小さい頃の話も出て、本当に私は、その頃から誰とも遊ばす゛、家ん中で絵ばっかり描いていたみたい。話をするのが苦手で、でも、私が明るく、話をするようになっていたので驚いていた。
「絢 久し振りに会ったけど 小さい頃に比べると 見違えるように 明るくなったなー きれいになったしー やっぱり この大学を選んで正解だったのか」
「うん お兄ちゃんが後押ししてくれて すごく 感謝してるんだぁー 私の 大きな 分岐点だったからー」
「僕も 親父にあー言ったものの どうなるか 心配だった」
お店を出て、家まで送ってきてくれた。挨拶もしておかなきゃと
「ただいま帰りました。実家の兄が挨拶したいと言っているんです」と、言ったら、お姉ちゃんが出てきて
「初めまして、娘の澄香です。母は今、あわてて身なりを整えてますわ。どうぞ、お上がりくださいな。私、今、晩酌始めたところですの。ご一緒に如何ですか」
「いえ それは豪快ですね。こんな美人と飲めるって嬉しいのですが、もう、時間も遅いですし失礼いたします。次回、機会ありましたらと楽しみにしています」
その時、おばさんが出てきて「どうぞ、まもなく主人も帰ってきますから」と勧めたが、やはり
「時間が遅いのでここで失礼します。改めて、ご挨拶もしなきゃぁなんないのでしょうが、実は 僕は飲み始めると、ろくなことをしゃべるみたいでー 絢に迷惑がかかるのでねー よろしくお伝えください。絢のこと、どうぞよろしくお願いいたします 大学生活も楽しくやっているみたいなので安心しました。感謝いたします」と、帰って行った。
「感じのいいお兄さんね あんなにサラリと褒められて、私うれしいわ」とお姉ちゃん、浮かれてた。
だけど、お兄ちゃんは、翌日 おじさんの会社に行って、また 挨拶をして帰ったみたいで、おじさんから、そのことを聞かされて「本町君も いい跡継ぎが居て 羨ましい」と、言っていた。
駅前のホテルに泊まるというので、そのロビーで待ち合わせした。部活が終わった後、私はそこに向かった。7.8年ぶりなんだけど、わかるだろうか。
「絢 絢」手を振っている。すぐにわかったみたい。
私も「お兄ちゃん」と駆け寄ると、いきなりハグされ、背中をポンポンしながら
「かわいらしくなったな。去年の写真より、少し大人びたみたいだなぁ」
「お兄ちゃん みんな見てるから もう 恥ずかしい」
「おー そうか もうレディなんだものな アメリカだったら普通なんだけどなぁー キスだってするぞー 肉親でも 表の海鮮の店に行くか あっ でも商店街の近くが良いか その方が家近いんだろう」
と、言って路面電車で移動した
「お兄ちゃん、クリスマスのプレゼントありがとう ごめんなさい、着けてこれなくて、ウチ、学校から、そのまま来たし、もっときれいな恰好で来れば良かったんやけど」
「そんなこといいよ 急に連絡したし、それで充分可愛いよ」
「ありがとぅ あと、お父さんにウチのこと、後押ししてくれたんやろー 助かったワ」
「なんの 絢が真剣なのが、伝わってきたからなー 大学は楽しいか? 彼とは?」
「うん 順調 すごく楽しい 他にも良いお友達も出来たし」
お店に入って、お兄ちゃんは「7月に洋風雑貨のお店を東山でオープンさせるので、今、内装をやっているんだ」と言っていた。お父さんが反対していたに決まっているけど、たぶん、納得させたんだと思う。
「さっき、藤沢さんに挨拶してきたんだ。おやじからの言づけもあったしね。水島君の話も出てな、仲良くやっているそうじゃぁないか。良かったなぁー 彼にも、会ってみたかったんだけどね、おやじにも、どんな印象かを伝えたいと思ってね」
「と、思ったんやけどナ モト君、今日、家庭教師やし、あんまり、プレッシャーかけるのも嫌がるかなって思ってナ、お兄ちゃん来ること言うてへんねん それより、お兄ちゃん 恋人は? 居るのー」
「いやーぁ まだまだ 先に、仕事成功させないと」
「ウチ、日本に帰って来るいうから、アメリカからお嫁さん連れて、帰って来るんかなって思っててん」
「じょーだんだろう 向こうでは、仕事ばっかだったよ。でも、僕はあのまま大学に居るより、向こう行って良かったと思っている。実際に、実務を勉強させてもらったからな」
「絢は、夏休み帰って来るんだろ。お母さんも楽しみにしているぞ」
「ウン でも8月初めに試験があって、お盆は藤沢さんとこのお店が忙しいから、お手伝いしなきゃあなんないし・・」
「そうかー でも出来るだけ帰ってこいよ それも親孝行だぞ」
それから、私の小さい頃の話も出て、本当に私は、その頃から誰とも遊ばす゛、家ん中で絵ばっかり描いていたみたい。話をするのが苦手で、でも、私が明るく、話をするようになっていたので驚いていた。
「絢 久し振りに会ったけど 小さい頃に比べると 見違えるように 明るくなったなー きれいになったしー やっぱり この大学を選んで正解だったのか」
「うん お兄ちゃんが後押ししてくれて すごく 感謝してるんだぁー 私の 大きな 分岐点だったからー」
「僕も 親父にあー言ったものの どうなるか 心配だった」
お店を出て、家まで送ってきてくれた。挨拶もしておかなきゃと
「ただいま帰りました。実家の兄が挨拶したいと言っているんです」と、言ったら、お姉ちゃんが出てきて
「初めまして、娘の澄香です。母は今、あわてて身なりを整えてますわ。どうぞ、お上がりくださいな。私、今、晩酌始めたところですの。ご一緒に如何ですか」
「いえ それは豪快ですね。こんな美人と飲めるって嬉しいのですが、もう、時間も遅いですし失礼いたします。次回、機会ありましたらと楽しみにしています」
その時、おばさんが出てきて「どうぞ、まもなく主人も帰ってきますから」と勧めたが、やはり
「時間が遅いのでここで失礼します。改めて、ご挨拶もしなきゃぁなんないのでしょうが、実は 僕は飲み始めると、ろくなことをしゃべるみたいでー 絢に迷惑がかかるのでねー よろしくお伝えください。絢のこと、どうぞよろしくお願いいたします 大学生活も楽しくやっているみたいなので安心しました。感謝いたします」と、帰って行った。
「感じのいいお兄さんね あんなにサラリと褒められて、私うれしいわ」とお姉ちゃん、浮かれてた。
だけど、お兄ちゃんは、翌日 おじさんの会社に行って、また 挨拶をして帰ったみたいで、おじさんから、そのことを聞かされて「本町君も いい跡継ぎが居て 羨ましい」と、言っていた。
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