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第10章
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9月の初めに、戻ることにしていた。合宿は、もう、出る気が無いので、顔を出す程度で、良いと思っていたが、特講とかもあるし、就活の情報も必要だ。民間も受けておかないと、と思っていた。大樹と帰る前に会ったが、来年の3月に結婚するから、絢と二人で出てくれと、言われていた。
「ねえ 帰る前に、どっかに泊ろー」
「えー そんな、金無いよー 今月は、いろいろ使ったしなー」
「ウチ 出すやん いつも、モトシ、出してくれてるから 食事なしやったら、そんな高ないやん なぁ ウチ 去年泊ったホテルが良い ウチ 予約するね ダブルやったら、安いやん」
「うーん 別に、ええけどー」
僕達は、昼過ぎ、神戸のホテルの近くでピザを食べていた。相変わらず、絢はおいしいと感激していた。
「茜って、お盆の間も神戸で泊ったんやって 違うホテルやけど 就活とか言って、出てきたみたい。もう、1年たったんやね あの子変わったよね 見て ホテルの横 大きな船 あれ、ナイトクルージングかなー あんな船の上でご飯食べても、気持ち悪くなんないのかなぁー」
「大きいから、そんなに揺れないと思うよ それより、せっかくの景色がもったいないよね」
「ねぇ 夕陽 ロープウェイ乗って、上から見ようよ」
僕達は、割と歩いた、夕陽目指して。上に登ると、丁度、沈む頃だった。
「去年来た時もね 羨ましいカップルが居てね みんなで、ワァワァ言ってたんだ。今日は、ウチ等やね」と、腕組んできた。
「ふたりで、こうやって、夕陽見てるって、幸せだよね 一晩中、一緒に居られるし」
「僕等の間も、変わった。でも、絢がそばに居てくれて良かった」
「ウチも モトシで良かった 大好き」
僕達は、暗くなるまで、そこに居た。帰り道、ラーメンにしょっかと、食べて、豚まんを買ってホテルに戻った。
「あっ 船 出て行ったんや なぁ ここの教会 すてきやんか 海の近くやし ええと思わへん」
「雨 降ってたら悲惨やでー」
「そーやけど あこがれるやん 女の子は夢見るんやで―」
僕が窓の外を見ていると、絢がお風呂から出てきた時、ホテルのバスローブだったが、側にくると脱いで 胸元には、いろんな色の花のレースで飾られていて、脚元の横にはスリツトが入っている。その下のパンティーは・・・まだ、僕は、こういう姿を見るとドキドキしてしまう。
「また、しばらくの間 出来ひんようになるし、思いっきり、してな」と、言って抱き着いてきた。
― ― ― * * * ― ― ―
9月になってからは初めて、合宿中の練習に1日だけ顔を出した。
「先輩 慎二先輩はこないんですか?」と、舞野が一番に寄って、聞いてきた。
「うーん 連絡とってないけど、就活忙しいん違うかな でも、打ち上げには参加するって言ってたよ」
「そう 私 タイム縮まったから、見てほしかったのに」
葵は参加していたが、美波も来ていなかった。僕は、美咲と並んで、競っていたが、負けてしまった。葵は、1年生の横について、メガホンで叫んでいた。宏美は、相変わらず、黙々とマイペースだけど、肩周りが大きくなっていた。
「葵 調子はどうだ?」
「うん 美咲がまだ、みんなに遠慮していてね 声かけが足んないだよ 宏美はすごいんだよ うちの合宿の前に体操部の合宿もこなしてきてるのよ 逞しくなったでしょう タイムも伸びているのよ 声掛けてあげてね あの子、夜も独りで走っているの」
「うん あとでな」と言いながら、男連中を励ましていた。ふたりとも、あんまり、元気がない。淡々と練習をこなしていたからだ。
「頑張っているみたいだな」ようやく、宏美がプールから上がってきたので、話し掛けた。
「ええ 自分で 1日のノルマ決めているんです」
「身体 壊すなよ トレーナー居ないんだから」
「大丈夫です 自分を追い込まないと、上に行けませんから 私、先輩に失恋したから、ふっきれたんです」
「失恋って 何にも、無かったと思うけど」
「ええ 私 勝手に思っていただけだから、気にしないでくださいね 先輩、打ち上げには、きっときてくださいね」
― ― ― * * * ― ― ―
打ち上げには、慎二も美波も顔を出していた。
「慎二先輩 久しぶりです。 顔 見なかったから、淋しかったです」と言って、舞野が横に座ってた。
「おぉ 舞野 綺麗になったな」
「慎二 いつまでたっても、チヤライね そーいうの もう、セクハラって言うのかもよ」と、葵が嫌味ぽく言っていた。
「そうか 俺は、純粋に思ったこと言っただけなんだけどな やりにくいのぉ・・ 相手が・・・葵に言っても、ダメなのか」
「君は チャライし、バカなのか」と葵が返していたが
「美咲 今年も、学祭 店出すんか」と、慎二は話題をそらしてた。
「やりたいです 先輩に手伝っていただけるんでしたら」
「俺は、いいよ 応援するよ 頑張れよ」
「今年も、やるのか 宏美、今年も串刺しやるか」と僕は、横で黙って座っている宏美にポツンと言った
「はい いいですよ 楽しいんです」と返してきた。
「別れないんですよね あの人と」と、ビールを継ぎながら、小さい声で言ってきた。
「えー いきなり、なんだよ 別れない、ずーと」と、僕は答えたが
「別れたら 知らせてくださいね 私 立候補しますから」と、宏美は僕の顔を真っ直ぐ見ていた。
僕は、その時「ひろみ」って言葉を言えないで飲み込んでいたのだ。
「ねえ 帰る前に、どっかに泊ろー」
「えー そんな、金無いよー 今月は、いろいろ使ったしなー」
「ウチ 出すやん いつも、モトシ、出してくれてるから 食事なしやったら、そんな高ないやん なぁ ウチ 去年泊ったホテルが良い ウチ 予約するね ダブルやったら、安いやん」
「うーん 別に、ええけどー」
僕達は、昼過ぎ、神戸のホテルの近くでピザを食べていた。相変わらず、絢はおいしいと感激していた。
「茜って、お盆の間も神戸で泊ったんやって 違うホテルやけど 就活とか言って、出てきたみたい。もう、1年たったんやね あの子変わったよね 見て ホテルの横 大きな船 あれ、ナイトクルージングかなー あんな船の上でご飯食べても、気持ち悪くなんないのかなぁー」
「大きいから、そんなに揺れないと思うよ それより、せっかくの景色がもったいないよね」
「ねぇ 夕陽 ロープウェイ乗って、上から見ようよ」
僕達は、割と歩いた、夕陽目指して。上に登ると、丁度、沈む頃だった。
「去年来た時もね 羨ましいカップルが居てね みんなで、ワァワァ言ってたんだ。今日は、ウチ等やね」と、腕組んできた。
「ふたりで、こうやって、夕陽見てるって、幸せだよね 一晩中、一緒に居られるし」
「僕等の間も、変わった。でも、絢がそばに居てくれて良かった」
「ウチも モトシで良かった 大好き」
僕達は、暗くなるまで、そこに居た。帰り道、ラーメンにしょっかと、食べて、豚まんを買ってホテルに戻った。
「あっ 船 出て行ったんや なぁ ここの教会 すてきやんか 海の近くやし ええと思わへん」
「雨 降ってたら悲惨やでー」
「そーやけど あこがれるやん 女の子は夢見るんやで―」
僕が窓の外を見ていると、絢がお風呂から出てきた時、ホテルのバスローブだったが、側にくると脱いで 胸元には、いろんな色の花のレースで飾られていて、脚元の横にはスリツトが入っている。その下のパンティーは・・・まだ、僕は、こういう姿を見るとドキドキしてしまう。
「また、しばらくの間 出来ひんようになるし、思いっきり、してな」と、言って抱き着いてきた。
― ― ― * * * ― ― ―
9月になってからは初めて、合宿中の練習に1日だけ顔を出した。
「先輩 慎二先輩はこないんですか?」と、舞野が一番に寄って、聞いてきた。
「うーん 連絡とってないけど、就活忙しいん違うかな でも、打ち上げには参加するって言ってたよ」
「そう 私 タイム縮まったから、見てほしかったのに」
葵は参加していたが、美波も来ていなかった。僕は、美咲と並んで、競っていたが、負けてしまった。葵は、1年生の横について、メガホンで叫んでいた。宏美は、相変わらず、黙々とマイペースだけど、肩周りが大きくなっていた。
「葵 調子はどうだ?」
「うん 美咲がまだ、みんなに遠慮していてね 声かけが足んないだよ 宏美はすごいんだよ うちの合宿の前に体操部の合宿もこなしてきてるのよ 逞しくなったでしょう タイムも伸びているのよ 声掛けてあげてね あの子、夜も独りで走っているの」
「うん あとでな」と言いながら、男連中を励ましていた。ふたりとも、あんまり、元気がない。淡々と練習をこなしていたからだ。
「頑張っているみたいだな」ようやく、宏美がプールから上がってきたので、話し掛けた。
「ええ 自分で 1日のノルマ決めているんです」
「身体 壊すなよ トレーナー居ないんだから」
「大丈夫です 自分を追い込まないと、上に行けませんから 私、先輩に失恋したから、ふっきれたんです」
「失恋って 何にも、無かったと思うけど」
「ええ 私 勝手に思っていただけだから、気にしないでくださいね 先輩、打ち上げには、きっときてくださいね」
― ― ― * * * ― ― ―
打ち上げには、慎二も美波も顔を出していた。
「慎二先輩 久しぶりです。 顔 見なかったから、淋しかったです」と言って、舞野が横に座ってた。
「おぉ 舞野 綺麗になったな」
「慎二 いつまでたっても、チヤライね そーいうの もう、セクハラって言うのかもよ」と、葵が嫌味ぽく言っていた。
「そうか 俺は、純粋に思ったこと言っただけなんだけどな やりにくいのぉ・・ 相手が・・・葵に言っても、ダメなのか」
「君は チャライし、バカなのか」と葵が返していたが
「美咲 今年も、学祭 店出すんか」と、慎二は話題をそらしてた。
「やりたいです 先輩に手伝っていただけるんでしたら」
「俺は、いいよ 応援するよ 頑張れよ」
「今年も、やるのか 宏美、今年も串刺しやるか」と僕は、横で黙って座っている宏美にポツンと言った
「はい いいですよ 楽しいんです」と返してきた。
「別れないんですよね あの人と」と、ビールを継ぎながら、小さい声で言ってきた。
「えー いきなり、なんだよ 別れない、ずーと」と、僕は答えたが
「別れたら 知らせてくださいね 私 立候補しますから」と、宏美は僕の顔を真っ直ぐ見ていた。
僕は、その時「ひろみ」って言葉を言えないで飲み込んでいたのだ。
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