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第6章
6-2
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あの試合が終わってからは、ダブルスは杉田みく美ちゃんと組むようになって、織部部長のペァを相手に練習するんだけど、璃々香先輩の時のように、あんまりしっくりこないのだ。みく美はバレーボールで鍛えたのか、ジャンプしてのスマッシュもショットも威力があるんだけど、ストレート過ぎて、簡単に返されてしまうのだ。
別に悪い所も無いし、私にもどうすればいいのかわからず、コーチも何にも指摘しないので、悶々としていたのだ。璃々香先輩にそれとなく相談しても
「山葵は今は私達のライバルなんだよ 山葵が引っ張って行くんだから、自分たちで何とかしなさいよ!」と、冷たく突っぱねられたのだ。
「山葵は特別なんだから 誰でも、自分のように出来ると思っていたら、大間違いよ みく美にはみく美の良い所があるから、お互いの良い所を生かすのがペァよ それと、自分のことも考えなさいよ!」と、付け加えて言われたのだ。
私は美湖にも、相談したんだけど
「みく美はね 丁寧にコーナーめがけて狙ってくるんだよ 正確なの だから、みく美と話合えば 開けてくるかもよ」と、言ってくれた。
次の日からは、みく美と話合って、みく美が後衛の時は、私がミドルの位置からのボレーとか[参の型]を、私が後衛の時は、みく美にボレーの練習を、集中してやりだしたのだ。
織部部長のペァに相手をしてもらっていたのだけど、徐々に私のイメージに近づいていたのだ。それに、みく美のサーブも威力を増すようになって、サービスエースも奪えるほどになっていった。
練習が終わった後、みく美に付き合ってと言われていて、美湖も伴って、岡崎公園のテニスコートに来ていた。先輩たちに内緒で練習したいと言っていたのだ。
みく美は最初はジャンピングスマッシュを、それもコーナーを狙って練習していたのだが、そのうち、ラリーを続けて行くうちにスライスショットを打つようになってきて、段々と回転が強烈になってきて、バウンドの後が低く左右にぶれるのだ。私も美湖も驚いて、みく美に駆け寄って
「なによ みく美 今のをー」
「ふふっ やっと ちゃんと打てるようになってきたわ 山葵と同じように ウチの必殺技 ウチな 山葵のお荷物にならんよーにと思うてなー それでも、学校では、自由にコートも使われへんやんかー それで、家に帰ってから、自分で練習してきたんやー」
「うん みく美 すごいよー ねぇ 今度 先輩たちに練習試合申し込もうよ もう 太刀打ち出来るような気がしてきた 後は、ウチ等でコンビネーションをうまく打ち合わせてさー 先輩たちを驚かそうヨ!」
「ウン ウチ まだまだやけど 山葵となら もっと 伸びると思う」
「あんた等 うらやましいネ お互いが・・・」
「別に 美湖を仲間はずれにしてるんちゃうヤン シングルでは競い合う仲間ヤン」と、私達 結束を強めていったのだ。だけど、璃々香先輩から「自分のことも考えなさいよ」って言われたことが引っかかっていた。
— — — * * * — — —
そして、織部部長のペァと1セット6ゲームマッチの試合形式で対戦する日がやってきた。試合前、璃々香先輩のペァに軽く練習相手になってもらっていたのだけど、試合前
「みく美 ちょっと来なさい 緊張してるでしょっ 学内の練習試合なのに そんなでどうすんの 勝とうと思ってるんでしょ? 勝てる訳ないんだから、ぶつかっていく気持ちでね」と、璃々香先輩はみく美のお尻をポンと叩いていて
「やだーぁ 先輩」と、みく美は笑っていたが
「やだぁー じゃぁないわよ 負けても良いからなんだけど 不細工なプレーしていたら もっと お仕置きするからね」
向こうのサーブから試合は始まった。だけど、途中でも後衛のみく美を狙ってきていて、みく美のリターンもコーナーにいかないでセンター寄りになっていた。結局、私が1回だけボレーを決めたけど、一方的にゲームを取られた。そして、次のゲームもみく美のサーブも腕が伸び切らないみたいで精細なくて、みく美も左右に走らされて連取されてしまった。
「みく美 璃々香先輩にお尻 ペンペンされたいの? まだ、固いよ 次は、ウチの邪魔してもええから、思い切ってボレーしてってー ウチも思いっ切り打ち込むから」
「わかった た ん じ ろーぅ」と、微笑みを返してきていた。
私は、最初から[参の型]のサーブで、そして、3連続でエースを取った。その後は、ストレートで、浮いてきたボールをみく美がボレーを決めて、あっと言う間に3ゲーム目取っていた。だけど、その次は、私がダイレクトスマッシュを焦りすぎていて前に出過ぎていたせいか、最後には連続でポイントを取られて2-4になってしまった。
次のみく美のサーブは、もう速さがあって威力のあるものに戻っていた。そして、浮いてきたところを私もみく美もジャンプスマッシュを決めて、そのゲームを取って、次のゲームでは、私の[滝壺] そして、みく美も[必殺技という 波切] で、水平にボールが伸びて行って、ライン際でストンと落ちて、斜めに低いバウンドで。その時、織部先輩は唖然としていた。その後も、私達は面白いようにポイントを取っていった。織部先輩も戸惑ったようで、審判をしているコーチもびっくりしていたみたい。その後も、私達は楽しむように、自由に代わる代わるスマッシュを決めて、連続でゲームポイントを奪って、終わってみると6-4で勝ってしまったのだ。
「あなた達 すごいワ みく美には驚かされたワ 悔しいけど、最後のほうは、とても歯が立たなかったワ いつの間に・・ 最強のペァの誕生ネ」と、織部先輩が言ってくれた。
「山葵 みく美 素晴らしかったワ よく短期間でここまで成長したわね 山葵のリーダーシップは立派よ あぁー 残念だわー お仕置き出来なくてーぇ」と、璃々香先輩からも褒め言葉で
「あっ ウチ して欲しかったのにー」と、みく美も浮かれていた。
「こらーっ みく美 ウチというものがありながらー」と、私も嬉しかったのだけど
「かと言って、私達はあなた達とはやらないわよー 今は、どっちが勝っても負けても ショックでしょ 山葵 お陰様で今のゲームで、山葵の弱点 みつけたワ どうするー? 楽しみねぇー」と、又、冷酷な言葉を・・・ どうして、この人はいつも私に冷ややかなんだろう。
私は、自分でもうすうす気づきかけていたのだ。ジャンプ主体の攻撃だから、思う様にならないこともある・・・今までは璃々香先輩がカバーしてくれていて、自分でもわからなかったのだが・・・。
別に悪い所も無いし、私にもどうすればいいのかわからず、コーチも何にも指摘しないので、悶々としていたのだ。璃々香先輩にそれとなく相談しても
「山葵は今は私達のライバルなんだよ 山葵が引っ張って行くんだから、自分たちで何とかしなさいよ!」と、冷たく突っぱねられたのだ。
「山葵は特別なんだから 誰でも、自分のように出来ると思っていたら、大間違いよ みく美にはみく美の良い所があるから、お互いの良い所を生かすのがペァよ それと、自分のことも考えなさいよ!」と、付け加えて言われたのだ。
私は美湖にも、相談したんだけど
「みく美はね 丁寧にコーナーめがけて狙ってくるんだよ 正確なの だから、みく美と話合えば 開けてくるかもよ」と、言ってくれた。
次の日からは、みく美と話合って、みく美が後衛の時は、私がミドルの位置からのボレーとか[参の型]を、私が後衛の時は、みく美にボレーの練習を、集中してやりだしたのだ。
織部部長のペァに相手をしてもらっていたのだけど、徐々に私のイメージに近づいていたのだ。それに、みく美のサーブも威力を増すようになって、サービスエースも奪えるほどになっていった。
練習が終わった後、みく美に付き合ってと言われていて、美湖も伴って、岡崎公園のテニスコートに来ていた。先輩たちに内緒で練習したいと言っていたのだ。
みく美は最初はジャンピングスマッシュを、それもコーナーを狙って練習していたのだが、そのうち、ラリーを続けて行くうちにスライスショットを打つようになってきて、段々と回転が強烈になってきて、バウンドの後が低く左右にぶれるのだ。私も美湖も驚いて、みく美に駆け寄って
「なによ みく美 今のをー」
「ふふっ やっと ちゃんと打てるようになってきたわ 山葵と同じように ウチの必殺技 ウチな 山葵のお荷物にならんよーにと思うてなー それでも、学校では、自由にコートも使われへんやんかー それで、家に帰ってから、自分で練習してきたんやー」
「うん みく美 すごいよー ねぇ 今度 先輩たちに練習試合申し込もうよ もう 太刀打ち出来るような気がしてきた 後は、ウチ等でコンビネーションをうまく打ち合わせてさー 先輩たちを驚かそうヨ!」
「ウン ウチ まだまだやけど 山葵となら もっと 伸びると思う」
「あんた等 うらやましいネ お互いが・・・」
「別に 美湖を仲間はずれにしてるんちゃうヤン シングルでは競い合う仲間ヤン」と、私達 結束を強めていったのだ。だけど、璃々香先輩から「自分のことも考えなさいよ」って言われたことが引っかかっていた。
— — — * * * — — —
そして、織部部長のペァと1セット6ゲームマッチの試合形式で対戦する日がやってきた。試合前、璃々香先輩のペァに軽く練習相手になってもらっていたのだけど、試合前
「みく美 ちょっと来なさい 緊張してるでしょっ 学内の練習試合なのに そんなでどうすんの 勝とうと思ってるんでしょ? 勝てる訳ないんだから、ぶつかっていく気持ちでね」と、璃々香先輩はみく美のお尻をポンと叩いていて
「やだーぁ 先輩」と、みく美は笑っていたが
「やだぁー じゃぁないわよ 負けても良いからなんだけど 不細工なプレーしていたら もっと お仕置きするからね」
向こうのサーブから試合は始まった。だけど、途中でも後衛のみく美を狙ってきていて、みく美のリターンもコーナーにいかないでセンター寄りになっていた。結局、私が1回だけボレーを決めたけど、一方的にゲームを取られた。そして、次のゲームもみく美のサーブも腕が伸び切らないみたいで精細なくて、みく美も左右に走らされて連取されてしまった。
「みく美 璃々香先輩にお尻 ペンペンされたいの? まだ、固いよ 次は、ウチの邪魔してもええから、思い切ってボレーしてってー ウチも思いっ切り打ち込むから」
「わかった た ん じ ろーぅ」と、微笑みを返してきていた。
私は、最初から[参の型]のサーブで、そして、3連続でエースを取った。その後は、ストレートで、浮いてきたボールをみく美がボレーを決めて、あっと言う間に3ゲーム目取っていた。だけど、その次は、私がダイレクトスマッシュを焦りすぎていて前に出過ぎていたせいか、最後には連続でポイントを取られて2-4になってしまった。
次のみく美のサーブは、もう速さがあって威力のあるものに戻っていた。そして、浮いてきたところを私もみく美もジャンプスマッシュを決めて、そのゲームを取って、次のゲームでは、私の[滝壺] そして、みく美も[必殺技という 波切] で、水平にボールが伸びて行って、ライン際でストンと落ちて、斜めに低いバウンドで。その時、織部先輩は唖然としていた。その後も、私達は面白いようにポイントを取っていった。織部先輩も戸惑ったようで、審判をしているコーチもびっくりしていたみたい。その後も、私達は楽しむように、自由に代わる代わるスマッシュを決めて、連続でゲームポイントを奪って、終わってみると6-4で勝ってしまったのだ。
「あなた達 すごいワ みく美には驚かされたワ 悔しいけど、最後のほうは、とても歯が立たなかったワ いつの間に・・ 最強のペァの誕生ネ」と、織部先輩が言ってくれた。
「山葵 みく美 素晴らしかったワ よく短期間でここまで成長したわね 山葵のリーダーシップは立派よ あぁー 残念だわー お仕置き出来なくてーぇ」と、璃々香先輩からも褒め言葉で
「あっ ウチ して欲しかったのにー」と、みく美も浮かれていた。
「こらーっ みく美 ウチというものがありながらー」と、私も嬉しかったのだけど
「かと言って、私達はあなた達とはやらないわよー 今は、どっちが勝っても負けても ショックでしょ 山葵 お陰様で今のゲームで、山葵の弱点 みつけたワ どうするー? 楽しみねぇー」と、又、冷酷な言葉を・・・ どうして、この人はいつも私に冷ややかなんだろう。
私は、自分でもうすうす気づきかけていたのだ。ジャンプ主体の攻撃だから、思う様にならないこともある・・・今までは璃々香先輩がカバーしてくれていて、自分でもわからなかったのだが・・・。
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