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第6章
6-4
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次の日の朝、練習に行って、璃々香先輩と顔を合わせたんだけど、私も先輩も普段と変わりなく
「山葵 今日の練習は私が相手よ! もたもたしちゃぁダメよ!」と、
もう少し、優しく話せないのかしらと、コートに入ったのだが・・。しばらくすると、先輩は私のベースラインぎりぎりに打ち込んできて、私は打ち返すのがやっとで、下がって打ち返すと、前にドロップショットで落としてきて、前に出てボレーしようとすると後ろのほうに打ち返してきて・・・。そして、私の必殺サーブも下がり気味で打ち返してきて、山なりのリターンをベースライン際に落として、簡単に対応されていたのだ。
「山葵 何をもたもたしてんの! 動くのが遅いんだよーっ! 蹴とばされなきゃーわかんないの! 調子に乗って、自分を甘やかしてんじゃぁ無いの!」と、罵声が飛んできた。そこには、昨日の夜の璃々香先輩は居なかった。夏の時の鬼のような璃々香だったのだ。その日の練習が終わった後も、私がへとへとになっているのに、頭の上から
「山葵 自分が相手によっては通用しないのが、わかったでしょ 私は、あなたの変な自信をずたずたにするから・・・ 明日も覚悟してなさいよ! 一から出直すつもりでね!」
私が、くじけてへたり込んでいる所に、1年生の皆が寄ってきてくれて
「先輩 ひどいよねー いつも 山葵をいじめるよーにネ ウチ等のエースやのにー」と、美湖ちやんが慰めてくれたけど
「うぅん 璃々香先輩は ウチを鍛えようと思って・・・でも、何が悪いんやろー」と、言ったものの私には、憎いのかどっちなのかわからなくなっていた。
「山葵 怒らないで聞いてね 山葵のサーブもスマッシュも素晴らしいワ でも、璃々香先輩は全部 読んでいるワ 山葵が何を仕掛けてくるのか だから、適当に受け流しておいて、隙をみて、スマッシュを決めてきていたの ごめんね 山葵 ウチ 何もわからんのにー 偉そうなこと言って」
「うぅん みく美 そうなんやー ウチ 自分のことばっかーで 相手の動き 見てへんかった なぁ ウチ 打つ時 癖があるの?」
「あんなー ウチ ずーと 山葵のこと見てるからわかるんやけど 山葵が仕掛ける時 わかるでー ジヤンプする時なんか すぐ わかる それとなー 必殺を出し過ぎで、相手も慣れてしまうんちやうかなー 初めての相手にはええけど、璃々香先輩みたいに、いっつも山葵のこと見てるから・・」と、麗香も言ってくれた。
「そうかー わかった ありがとー みんな ウチ 技に頼りすぎとった もっと 基本やらなあかんねな みく美のサーブなんか、ストレートでもすんごーぉ 威力あるもんなー 璃々香先輩もそう」
その夜、私は自分の試合のビデオを見返していた。確かに、そのつもりで見ると、仕掛けようとする前が、わかるのだ、それに、サーブとかスマツシュの時、必殺技を出した後、体制を崩してしまって、リターンが帰った後の対応が遅いのだ。それに、璃々香先輩から指摘されてたこと、打った後、すぐに戻ること、出来てないのだ。
あの時、璃々香先輩から自分のことも考えなさいよって 言われた意味がわかった。私、図にのっていたのだわ。どうしょう。どう、修正したらいいのかしら・・と、寝不足になってしまった。
— — ー * * * — — —
次の日の朝も私はぼーっとして身体が重いまま練習に参加して、璃々香先輩に前後左右に振られっぱなしで、ボロボロだった。
「山葵 やる気ないんだったら辞めちまえばー 私もあなたと遊んでる暇ないんだからー」と、終わった後、言い捨てて行ってしまった。
私がコートの端でぼーっとして、完全にズタズタにされて、うなだれていると、見兼ねたのかコーチが傍に来て
「しょげてるのかー 璃々香の言葉は・・・今更だろう? そういう性格なんだよ だけど、あいつは山葵のこと 次のエースだと思ってるから 余計に厳しいんだよ」
「わかっているつもりなんですげと ウチ だらしないから 先輩は・・こんところ 余計に怒ってるみたい だから、怖くて、練習中もなんにもできなくて・・・ちゃんと 教えてくれればいいのにー」
「あのさー 璃々香に真っ向から立ち向かおうとしてないか? あいつは京都でもトップクラスなんだよ もっと 気楽に構えていけばぁー 璃々香は山葵に対して遊んでいるんだよ だから 山葵も璃々香に対して遊ぶつもりでな 気楽に・・・ 見てると、あいつは山葵のボールを受け流してるんだ そして、隙を見て打ち込んでいる 山葵もそれをまねして・・そして、チャンスがあれば 山葵の得意のスマッシュで・・」
次の日、年内の練習は最後になる。私は気持ちを切り替えて、璃々香先輩のボールを普通に深い所に打ち返していて、そのうちミドルのコースに来た時、[壱の型]をコーナーを狙って・・・浮いたボールが返ってきたところを[滝壺]で、璃々香先輩のお腹を狙って打ち返した。璃々香先輩が受けたボールはネットの手前でコロコロと・・。決まった!。その後も、チャンスを見て、[参の型]でサイドラインに・・・弾んだ後、先輩のラケツトの先をすり抜けていった。そうしてると、先輩のスイングが見えてきて、スライスショットをしてくると思ったら、前に出てボレーで対応したり出来たのだ。先輩の動きが見えてきていた。その日は、私の打ち返したボールが璃々香先輩をすり抜けて、フェンスネットまで弾んでいく方が多かったのだ。
練習が終わった時、璃々香先輩は私に声も掛けないで、行ってしまった。だけど、私がシャワーして着替えて出て来るのを待っていたみたいで
「山葵 これっ」と、チェーンみたいなものを渡してきた。それは、小さなラケットとボールが付いたチャーム。
「あげるよ 山葵のこと 私が勝手に妹みたいに思ってるからー」と、璃々香先輩は自分のバッグについている同じものを私に見せて
「じゃぁ 年明けは4日からよ 楽しみにしてるワ」と、言い捨てて行ってしまった。
私は、その場で呆然としていたんだけど・・・やっぱり 璃々香先輩はウチのこと見捨ててないんだ 鍛えようと、厳しく・・ウチの弱点を直そうとして・・ああいう性格だから、自分が鬼になってくれてたんだ。先輩 ウチは どんなことを言われても やっぱり 先輩を信じて追いかけて行きます。
「山葵 今日の練習は私が相手よ! もたもたしちゃぁダメよ!」と、
もう少し、優しく話せないのかしらと、コートに入ったのだが・・。しばらくすると、先輩は私のベースラインぎりぎりに打ち込んできて、私は打ち返すのがやっとで、下がって打ち返すと、前にドロップショットで落としてきて、前に出てボレーしようとすると後ろのほうに打ち返してきて・・・。そして、私の必殺サーブも下がり気味で打ち返してきて、山なりのリターンをベースライン際に落として、簡単に対応されていたのだ。
「山葵 何をもたもたしてんの! 動くのが遅いんだよーっ! 蹴とばされなきゃーわかんないの! 調子に乗って、自分を甘やかしてんじゃぁ無いの!」と、罵声が飛んできた。そこには、昨日の夜の璃々香先輩は居なかった。夏の時の鬼のような璃々香だったのだ。その日の練習が終わった後も、私がへとへとになっているのに、頭の上から
「山葵 自分が相手によっては通用しないのが、わかったでしょ 私は、あなたの変な自信をずたずたにするから・・・ 明日も覚悟してなさいよ! 一から出直すつもりでね!」
私が、くじけてへたり込んでいる所に、1年生の皆が寄ってきてくれて
「先輩 ひどいよねー いつも 山葵をいじめるよーにネ ウチ等のエースやのにー」と、美湖ちやんが慰めてくれたけど
「うぅん 璃々香先輩は ウチを鍛えようと思って・・・でも、何が悪いんやろー」と、言ったものの私には、憎いのかどっちなのかわからなくなっていた。
「山葵 怒らないで聞いてね 山葵のサーブもスマッシュも素晴らしいワ でも、璃々香先輩は全部 読んでいるワ 山葵が何を仕掛けてくるのか だから、適当に受け流しておいて、隙をみて、スマッシュを決めてきていたの ごめんね 山葵 ウチ 何もわからんのにー 偉そうなこと言って」
「うぅん みく美 そうなんやー ウチ 自分のことばっかーで 相手の動き 見てへんかった なぁ ウチ 打つ時 癖があるの?」
「あんなー ウチ ずーと 山葵のこと見てるからわかるんやけど 山葵が仕掛ける時 わかるでー ジヤンプする時なんか すぐ わかる それとなー 必殺を出し過ぎで、相手も慣れてしまうんちやうかなー 初めての相手にはええけど、璃々香先輩みたいに、いっつも山葵のこと見てるから・・」と、麗香も言ってくれた。
「そうかー わかった ありがとー みんな ウチ 技に頼りすぎとった もっと 基本やらなあかんねな みく美のサーブなんか、ストレートでもすんごーぉ 威力あるもんなー 璃々香先輩もそう」
その夜、私は自分の試合のビデオを見返していた。確かに、そのつもりで見ると、仕掛けようとする前が、わかるのだ、それに、サーブとかスマツシュの時、必殺技を出した後、体制を崩してしまって、リターンが帰った後の対応が遅いのだ。それに、璃々香先輩から指摘されてたこと、打った後、すぐに戻ること、出来てないのだ。
あの時、璃々香先輩から自分のことも考えなさいよって 言われた意味がわかった。私、図にのっていたのだわ。どうしょう。どう、修正したらいいのかしら・・と、寝不足になってしまった。
— — ー * * * — — —
次の日の朝も私はぼーっとして身体が重いまま練習に参加して、璃々香先輩に前後左右に振られっぱなしで、ボロボロだった。
「山葵 やる気ないんだったら辞めちまえばー 私もあなたと遊んでる暇ないんだからー」と、終わった後、言い捨てて行ってしまった。
私がコートの端でぼーっとして、完全にズタズタにされて、うなだれていると、見兼ねたのかコーチが傍に来て
「しょげてるのかー 璃々香の言葉は・・・今更だろう? そういう性格なんだよ だけど、あいつは山葵のこと 次のエースだと思ってるから 余計に厳しいんだよ」
「わかっているつもりなんですげと ウチ だらしないから 先輩は・・こんところ 余計に怒ってるみたい だから、怖くて、練習中もなんにもできなくて・・・ちゃんと 教えてくれればいいのにー」
「あのさー 璃々香に真っ向から立ち向かおうとしてないか? あいつは京都でもトップクラスなんだよ もっと 気楽に構えていけばぁー 璃々香は山葵に対して遊んでいるんだよ だから 山葵も璃々香に対して遊ぶつもりでな 気楽に・・・ 見てると、あいつは山葵のボールを受け流してるんだ そして、隙を見て打ち込んでいる 山葵もそれをまねして・・そして、チャンスがあれば 山葵の得意のスマッシュで・・」
次の日、年内の練習は最後になる。私は気持ちを切り替えて、璃々香先輩のボールを普通に深い所に打ち返していて、そのうちミドルのコースに来た時、[壱の型]をコーナーを狙って・・・浮いたボールが返ってきたところを[滝壺]で、璃々香先輩のお腹を狙って打ち返した。璃々香先輩が受けたボールはネットの手前でコロコロと・・。決まった!。その後も、チャンスを見て、[参の型]でサイドラインに・・・弾んだ後、先輩のラケツトの先をすり抜けていった。そうしてると、先輩のスイングが見えてきて、スライスショットをしてくると思ったら、前に出てボレーで対応したり出来たのだ。先輩の動きが見えてきていた。その日は、私の打ち返したボールが璃々香先輩をすり抜けて、フェンスネットまで弾んでいく方が多かったのだ。
練習が終わった時、璃々香先輩は私に声も掛けないで、行ってしまった。だけど、私がシャワーして着替えて出て来るのを待っていたみたいで
「山葵 これっ」と、チェーンみたいなものを渡してきた。それは、小さなラケットとボールが付いたチャーム。
「あげるよ 山葵のこと 私が勝手に妹みたいに思ってるからー」と、璃々香先輩は自分のバッグについている同じものを私に見せて
「じゃぁ 年明けは4日からよ 楽しみにしてるワ」と、言い捨てて行ってしまった。
私は、その場で呆然としていたんだけど・・・やっぱり 璃々香先輩はウチのこと見捨ててないんだ 鍛えようと、厳しく・・ウチの弱点を直そうとして・・ああいう性格だから、自分が鬼になってくれてたんだ。先輩 ウチは どんなことを言われても やっぱり 先輩を信じて追いかけて行きます。
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