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第7章
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4日は仕出しが始まるので、お店の掃除をしてから、クラブの初練習に出掛けたのだ。全員が集まって、早速ミーティングから始まった。
「去年は、璃々香とか山葵が頑張ってくれて、本大会まで行ってくれたわ それに、1年生も全員が伸びてくれたの だけど、団体では優勝出来て無かった クラブは試合だけが目的じゃぁないんだけど それでも、それが目標よ だから、今年は、団体での優勝も目標にします それが、音女の名前を轟かすのよ 今、京都ではトップは学館 次は、多分 洛中国際付属、その次にウチか都大付属よ それに、京都国際も強くなってきてる みんな 日々の積み重ねよ 目指すは 頂点よ それと、2月初めに部内対抗試合をします 皆がライバルよ 頑張っていきましょう」と、織部部長から。
ミーティングが終わった後、璃々香先輩が私とみく美に
「今年から、あなた達はライバルなんだから、私からは助言も何にもないわよ 自分たちで解決して・・・ まぁコーチに頼るのもよし! よ がんばってね じゃぁ」と、言い捨てて、コートに向かって行ってしまった。
「何よ あの言い方 相変わらず 冷たいのー 山葵 ウチ等 ペァ 組むねん」と、美湖ちゃんが言ってきて、傍に麗香が居て、
「そう そうなんやー じゃぁ ライバルかぁー」
「そんなー 山葵とみく美には追い付かんけど そのうちにな」
その日からの練習は1年と2年でコートが別れて、私達のほうはコーチが見てくれていた。だけど、余計に1年生同士の結束は強くなったみたいだった。特に、私と、みく美、美湖、麗香は下剋上を狙っていたのだ。
「なぁ 麗香ぁー 麗香から見て、ウチ等のペァ 太刀打ちできるやろか? 先輩達に」と、私はいつも冷静な麗香に聞いてみた。
「えー 私? なんでぇー そんなことわからへんやん」
「そんなことないやろー いつも 他人のこと ちゃんと見てるヤン 思ったこと ゆうてーなぁー」
「うーん 璃々香先輩のペァには・・・このままではネ 織部部長のとこにも 今度は、難しいかも でもね 西田先輩 故障してからね バックすると踏んばれないのか、レシーブが若干浮いてくるみたい 璃々香先輩はね もしかすると 前に落とした球に弱いのかも ほらっ 去年の暮 山葵と璃々香先輩がやってるとこ 山葵が短いスマッシュで・・・バウンドもあったのだけど、璃々香先輩のダッシユが遅れたのよ たまたまかも知れないけどね でも、去年 やっぱり 足首故障してるでしょ? その影響あるのかもね 部長のペァには弱点は無いワ でも、攻撃力は弱いみたい だけど、山葵とみく美なら、エースがあるから勝てるカナ」
「麗香 ありがとう 冷静に見てくれてるんやねー 参考になる なぁ みく美」
「うん ウチ 打ち返すだけやったけど 最近 相手も見れるようになってきたから・・もっと、山葵とのコンビネーションを考えなあかんネ 目指せ 頂点 ヤネ!」
— — — * * * — — —
2月の第一土曜日、部内強化試合の初日だった。明日と2日間。シングルの対戦からで、璃々香先輩と織部先輩は2回戦から。でも、その他は対戦相手が抽選で、私と麗香が1回戦から当たってしまっていた。そして、その次には、多分、みく美と当たるのだ。
麗香には、難なく6-1で勝ったのだけど、みく美には4-6で負けてしまった。対戦してみると、球の威力もあるし、微妙にスマッシュの時に方向が変化していて、まともにレシーブ出来なかった。それに、あの子、私のコーナーを狙ってベースラインぎりぎりに打ち込んできて、私は対応が遅れていたのだ。それに、言い訳になるのだが、多分、数日後にアレが始まるのだろう・・・お腹が重い感じなのだ。
準決勝には、美湖も進んでいて璃々香先輩と、そしてみく美と織部先輩の対戦になるのだが、ダブルスの試合と併せて、明日になるのだ。
「みく美 すごいね われらがエースの山葵に打ち勝つなんて」と、同級生のこころが寄ってきた。
「うん 今日のみく美は神だよ 太刀打ち出来なかった」と、私も、正直に思っていた。
「なぁ 明日は、みく美が部長と美湖が璃々香先輩やろー 二人とも勝ってさー 1年同士の決勝っておもろいヤン でさー ダブルスもそーなると最高やなー」
「そんなわけないヤン でも 今日のみく美やったら 璃々香先輩にも・・勝てるカモ」と、麗香も持ち上げていた。
「なぁ 明日 帰りにみんなで お祝いしょ 1年の決起集会 お好み焼き (みよちゃん)で ウチ ゆうとくし 制服も奥で着替えさせてって」と、こころは盛り上がっていた。
シャワーを浴びて、出て来ると璃々香先輩が待ち受けていて
「ちょっとー 山葵 なんなん 今日の試合 もっと やることあったヤロー」
怒っているのだ。眼も釣りあがっている。
「ごめんなさい ごめんなさい ウチ ずるずるとー みく美 鋭かったからー」
「あんたは いつまで経っても、気持ちが弱いのよー ふわふわと 浮ついててぇー ほんまにー お尻蹴とばしたろーかー 山葵とやるの楽しみにしてたのにー だいたいさー 私は あの子 苦手やネン」
「あーぁ 今は お尻はダメ! ごめんなさい」
「ふーん 明日は、女捨ててかかってきなさいよ」と、又、捨て台詞だった。
「うわぁー 怖かったネ 先輩 ウチ オシッコ漏れそうになったわー あんな言い方って 無いんちゃう? あの子ってみく美のこと? なんで 山葵にあんなに厳しいんやろネ みく美だって、今日、すごかったのにー それとー 山葵 もしかして あの日なんか?」と、傍で聞いていた美湖が言ってくれたけど、私も、ちょっとぐらいアドバイスとか言い方あるやろーと思っていた。
「美湖 ウチなー アレ近いネン 時々、お腹痛いの そやけど 女 捨てて 絶対に勝つでー 明日のダブルスでは 見返したんネン」
次の日、8時から璃々香先輩と美湖の試合が始まった。だけど、6-2で璃々香先輩の圧勝だった。次の試合、みく美は・・・昨日の調子のままに自由に飛び回って、最初は拮抗していたけれど、結果6-4で織部部長を振り切っていた。
すぐに、決勝が始まって、1ゲーム2ゲームは璃々香先輩が取ったのだけど、3ゲーム目からみく美のサービスエースで始まって、みく美は変幻自在のように飛び廻って蘇っていた。ショットが微妙に変化して、レシーブが狂ってしまうのだ。璃々香先輩が「あの子苦手なのよ」ってこのことなのかと思った。予測つかないのだ。
そして、タイブレークになって、7-8でみく美がリードされていて、最後30-40の時、璃々香先輩のショットをみく美は思い切って前に出て、ジャンピングスマッシュを璃々香先輩の左前に長い手を捻るようにして叩きつけていったのだが、その後、みく美は転んでいた。だけど、ボールはバウンドした後、璃々香先輩も前のめりに転びながらも、ラケットがギリギリそれを捉えていて、ネットに当たったあと、みく美のコートに転がっていった。
「あーぁ」と、1年生からはため息があがっていたが、璃々香先輩はしゃがりこんだまま、苦笑いしていたのだ。そして、立ち上がって、みく美に向かって拍手を送っていた。
すぐ、休憩に入ったのだけど、織部部長が気を使ってくれて、自分たちの試合から先にやると言ってくれた。織部部長、多田先輩のペァと美湖・麗香のペァ。だけど、すんなりと6-2で織部部長のペァが勝っていた。
「去年は、璃々香とか山葵が頑張ってくれて、本大会まで行ってくれたわ それに、1年生も全員が伸びてくれたの だけど、団体では優勝出来て無かった クラブは試合だけが目的じゃぁないんだけど それでも、それが目標よ だから、今年は、団体での優勝も目標にします それが、音女の名前を轟かすのよ 今、京都ではトップは学館 次は、多分 洛中国際付属、その次にウチか都大付属よ それに、京都国際も強くなってきてる みんな 日々の積み重ねよ 目指すは 頂点よ それと、2月初めに部内対抗試合をします 皆がライバルよ 頑張っていきましょう」と、織部部長から。
ミーティングが終わった後、璃々香先輩が私とみく美に
「今年から、あなた達はライバルなんだから、私からは助言も何にもないわよ 自分たちで解決して・・・ まぁコーチに頼るのもよし! よ がんばってね じゃぁ」と、言い捨てて、コートに向かって行ってしまった。
「何よ あの言い方 相変わらず 冷たいのー 山葵 ウチ等 ペァ 組むねん」と、美湖ちゃんが言ってきて、傍に麗香が居て、
「そう そうなんやー じゃぁ ライバルかぁー」
「そんなー 山葵とみく美には追い付かんけど そのうちにな」
その日からの練習は1年と2年でコートが別れて、私達のほうはコーチが見てくれていた。だけど、余計に1年生同士の結束は強くなったみたいだった。特に、私と、みく美、美湖、麗香は下剋上を狙っていたのだ。
「なぁ 麗香ぁー 麗香から見て、ウチ等のペァ 太刀打ちできるやろか? 先輩達に」と、私はいつも冷静な麗香に聞いてみた。
「えー 私? なんでぇー そんなことわからへんやん」
「そんなことないやろー いつも 他人のこと ちゃんと見てるヤン 思ったこと ゆうてーなぁー」
「うーん 璃々香先輩のペァには・・・このままではネ 織部部長のとこにも 今度は、難しいかも でもね 西田先輩 故障してからね バックすると踏んばれないのか、レシーブが若干浮いてくるみたい 璃々香先輩はね もしかすると 前に落とした球に弱いのかも ほらっ 去年の暮 山葵と璃々香先輩がやってるとこ 山葵が短いスマッシュで・・・バウンドもあったのだけど、璃々香先輩のダッシユが遅れたのよ たまたまかも知れないけどね でも、去年 やっぱり 足首故障してるでしょ? その影響あるのかもね 部長のペァには弱点は無いワ でも、攻撃力は弱いみたい だけど、山葵とみく美なら、エースがあるから勝てるカナ」
「麗香 ありがとう 冷静に見てくれてるんやねー 参考になる なぁ みく美」
「うん ウチ 打ち返すだけやったけど 最近 相手も見れるようになってきたから・・もっと、山葵とのコンビネーションを考えなあかんネ 目指せ 頂点 ヤネ!」
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2月の第一土曜日、部内強化試合の初日だった。明日と2日間。シングルの対戦からで、璃々香先輩と織部先輩は2回戦から。でも、その他は対戦相手が抽選で、私と麗香が1回戦から当たってしまっていた。そして、その次には、多分、みく美と当たるのだ。
麗香には、難なく6-1で勝ったのだけど、みく美には4-6で負けてしまった。対戦してみると、球の威力もあるし、微妙にスマッシュの時に方向が変化していて、まともにレシーブ出来なかった。それに、あの子、私のコーナーを狙ってベースラインぎりぎりに打ち込んできて、私は対応が遅れていたのだ。それに、言い訳になるのだが、多分、数日後にアレが始まるのだろう・・・お腹が重い感じなのだ。
準決勝には、美湖も進んでいて璃々香先輩と、そしてみく美と織部先輩の対戦になるのだが、ダブルスの試合と併せて、明日になるのだ。
「みく美 すごいね われらがエースの山葵に打ち勝つなんて」と、同級生のこころが寄ってきた。
「うん 今日のみく美は神だよ 太刀打ち出来なかった」と、私も、正直に思っていた。
「なぁ 明日は、みく美が部長と美湖が璃々香先輩やろー 二人とも勝ってさー 1年同士の決勝っておもろいヤン でさー ダブルスもそーなると最高やなー」
「そんなわけないヤン でも 今日のみく美やったら 璃々香先輩にも・・勝てるカモ」と、麗香も持ち上げていた。
「なぁ 明日 帰りにみんなで お祝いしょ 1年の決起集会 お好み焼き (みよちゃん)で ウチ ゆうとくし 制服も奥で着替えさせてって」と、こころは盛り上がっていた。
シャワーを浴びて、出て来ると璃々香先輩が待ち受けていて
「ちょっとー 山葵 なんなん 今日の試合 もっと やることあったヤロー」
怒っているのだ。眼も釣りあがっている。
「ごめんなさい ごめんなさい ウチ ずるずるとー みく美 鋭かったからー」
「あんたは いつまで経っても、気持ちが弱いのよー ふわふわと 浮ついててぇー ほんまにー お尻蹴とばしたろーかー 山葵とやるの楽しみにしてたのにー だいたいさー 私は あの子 苦手やネン」
「あーぁ 今は お尻はダメ! ごめんなさい」
「ふーん 明日は、女捨ててかかってきなさいよ」と、又、捨て台詞だった。
「うわぁー 怖かったネ 先輩 ウチ オシッコ漏れそうになったわー あんな言い方って 無いんちゃう? あの子ってみく美のこと? なんで 山葵にあんなに厳しいんやろネ みく美だって、今日、すごかったのにー それとー 山葵 もしかして あの日なんか?」と、傍で聞いていた美湖が言ってくれたけど、私も、ちょっとぐらいアドバイスとか言い方あるやろーと思っていた。
「美湖 ウチなー アレ近いネン 時々、お腹痛いの そやけど 女 捨てて 絶対に勝つでー 明日のダブルスでは 見返したんネン」
次の日、8時から璃々香先輩と美湖の試合が始まった。だけど、6-2で璃々香先輩の圧勝だった。次の試合、みく美は・・・昨日の調子のままに自由に飛び回って、最初は拮抗していたけれど、結果6-4で織部部長を振り切っていた。
すぐに、決勝が始まって、1ゲーム2ゲームは璃々香先輩が取ったのだけど、3ゲーム目からみく美のサービスエースで始まって、みく美は変幻自在のように飛び廻って蘇っていた。ショットが微妙に変化して、レシーブが狂ってしまうのだ。璃々香先輩が「あの子苦手なのよ」ってこのことなのかと思った。予測つかないのだ。
そして、タイブレークになって、7-8でみく美がリードされていて、最後30-40の時、璃々香先輩のショットをみく美は思い切って前に出て、ジャンピングスマッシュを璃々香先輩の左前に長い手を捻るようにして叩きつけていったのだが、その後、みく美は転んでいた。だけど、ボールはバウンドした後、璃々香先輩も前のめりに転びながらも、ラケットがギリギリそれを捉えていて、ネットに当たったあと、みく美のコートに転がっていった。
「あーぁ」と、1年生からはため息があがっていたが、璃々香先輩はしゃがりこんだまま、苦笑いしていたのだ。そして、立ち上がって、みく美に向かって拍手を送っていた。
すぐ、休憩に入ったのだけど、織部部長が気を使ってくれて、自分たちの試合から先にやると言ってくれた。織部部長、多田先輩のペァと美湖・麗香のペァ。だけど、すんなりと6-2で織部部長のペァが勝っていた。
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