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第7章
7-4
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「みく美 ひざ 擦りむいたんやろー さっき血が滲んでたヤン なんでもないんかー?」
「だいじょうぶ 山葵 ウチなー 4月に入った頃 山葵にあこがれとったんやー 同じ学年やのに すごいって それから 目標にしてきたんやでー 去年の夏やって すごかったやん 今 ペァ組めるなんて 最後まで 思いっ切りやるんや 先輩達の壁 ぶち抜く覚悟や」
「わかった みく美 ウチも・・・ 璃々香先輩なんて こわーない! いくでー」
璃々香先輩のサーブから始まって、簡単に第1ゲームを取られたのだけど、次は私のサーブで、みく美のボレーも決まって取り返していた。その後も、お互いに取り返したりで4-4になった時
「みく美 これからが勝負よ ウチ等・・」もう、お腹が痛いのも、どうなっても良かったのだ
「まだ 100%じゃぁない! 次は 西田先輩を集中的に狙ってリターンするわ」
「そう ウチもそう思ってた」と、私達の思いは一緒だった。
それからは、私とみく美が交互に左右前後に西田先輩をめがけて、飛び跳ねるように打ち込んでいった。そのゲームはストレートで奪っていた。その後も私のサーブの時、みく美と思いは同じだった。後衛の璃々香先輩に集中的に左右前後に二人でボールを散らしていった。璃々香先輩も最後は根負けしたのか、15-15から仕掛けて、3本連続で取って、6-4で勝っていた。
私達は、抱き合って喜びたかったのだけど、当たり前のように振舞って、先輩ペァを見ていた。でも、心の中では当然、飛び跳ねていた。1年生の仲間達もそれを見てか、そんなには騒いで居なかったのだ。先輩達の眼を気にしていたみたい。西田先輩はショックだったみたいだけど、璃々香先輩は平然とした顔をして私を見ていた。だけど、その時、私はお腹が痛かったのだ。
その後の決勝。織部部長のペァとの試合。私達が先行していたのだけど、2-2になったとこで、璃々香先輩が止めに入って
「もう 時間切れ 決着つけないでも、充分でしょ ハイハイ! 終了」と、言い出したので、私達も渋々、従っていた。でも、私は、良かったーと思っていた。そして、シャワーの時、アレが始まってしまった。
「なによー 璃々香先輩 いつも あの人はああなんだからー 一方的でぇー あのままだったら ワサミクが勝つに決まってるじゃあない!」と、集まったお好み焼き屋さんで鈴音が吠えていた。
「まぁ だからよー あえて 止めたの! 先輩は」と、麗香は冷静に言っていた。
「でも、みく美は今日 すごかったわね 昨日から神が乗り移ったみたい」
「こころ ウチのこと もののけみたいに言わんとってー 努力の結晶よ」
「そうよねー この短期間でー ウチも頭が下がるわー」と、私も驚いていたのだが
「山葵 この短期間じゃぁないよ さっきも言ったけど 4月から ずーっと 山葵を追いかけていたの」
「まぁ 光栄ですわ 我等のエース様」
「なに言ってんの Wエースだよ でも、まだね 今回は相手の弱点を突いただけ 西田先輩も 完全に治ってないんじゃあない? そこを突いただけよ 璃々香先輩も本調子ちゃうみたいやしー」と、麗香は冷たく言い出していた。
「そんなこと 言っても それも実力のうちやんかー それに、ウチ等にもハンデあったでー ウチ等 可愛いからー 憎まれる」
「山葵 帰りに 鴨川に突き落とされたいんかー」と、美湖が・・・それからは、女の子同士のたわいない話で盛り上がっていた。私も久々に心の底から笑っていた。私達の結束。
— — — * * * — — —
桔梗の高校入試があって、彼女は緊張もしてない様子で出ていった。仲間みんなで受けるから、心強いんだよって・・・桔梗から仲間という言葉が出て来るなんて、思ってなかった。確か、中学の後輩 彩も同じ高校を受けて居るはず。
帰って来ても、落ち込んでいる様子もなく
「普通だよ ランク落としているんだから 受からないわけがないワ」と、気楽なもんだった。
「あぁ テニス部のキャプテン なんて言ったかなー お姉ちゃんの後輩で可愛がってもらったってー 話掛けられてなー ウジヤウジャとうっとおーしいし 適当に相手してたんやー だって お姉ちゃんはお姉ちゃんやし ウチはウチやん あかんかったやろかー?」
「まぁ いいんじゃないの でも、桔梗は高校に入っても お友達はたくさん作ってネ お姉ちゃんはテニスばっかーで そんなに友達いなかったからー」
「そーよねー 変なウワサも流されたしなー アッ ごめん! あの時なー 村沢と白木屋とかいうバカもんに 姉妹なのに信じないでどうすんだ って叱られた お姉ちゃんの仲間なんだよね 羨ましかってん ウチなー 高校に行ったら ダンス部に入るネン 友達も増やせると思うヨ」
「そう そんなことあったんだー あの二人が・・・」
それから、桔梗は無事、合格していたのだ。そして、3月に春休みに入ると、私達のクラブのミーティングがあって、次の部長を決めるからってことだった。
だけど、予め2年生同士が話し合って、もう、決めたので、全員にその了解を得るというだけのものだった。そして、新しい部長には 麗香という発表があった。1年生全員の了解を得るというものだったけど、私達全員に依存はなかったのだ。だけど、次年度からは副部長も置くということで、私の名前が呼ばれた。皆も賛成してくれたのだ。
麗香は最初、躊躇していたのが、1年の全員が後押しして、本人もようやく承諾していた。私も、いつも冷静だし、みんなのことをよく見ているからと適任だと思ったのだ。おそらく、後輩の面倒見も良いんじゃないかと。
その日、私達1年は お好み焼き(みよちゃん)で結束集会を開いていた。麦茶をグラスに注いで、こころが私に音頭とってよと言ってきたので
「じゃぁー 麗香の新部長と音女テニス部の発展 ? ん? 繁栄? まぁ とにかく 乾杯! ううん かんしょう! 今年の総体予選でね」
「でも 先輩達もよく見てるよね 麗香なんて やっぱり バカじゃぁないね あの人達」と、こころが言い出した。
「そう ウチもね 実力から言ったら 山葵なんだけど 山葵は子供ぽいところあるからネ 麗香はそのてん」と、みく美が
「みく美 なんやのー ウチ 子供っぽいんかぁー?」
「ウン 負けだすと、ムキになって向かうもんやから 相手の思う壺やー ウチとの試合もそうやったやんかー」
「うーぅ あれは・・・ みく美が強かったんやー」
「うそやー 山葵 終わった後、後悔してたんちゃう もっと やることあったってー 璃々香先輩にも怒られてたやんかー まだ 子供やー」
「なぁ ウチって ふわふわしてるんやろかー?」
「そんなこと無いヨ 山葵は強敵でも向かっていくガッツもあるヨ でもね ペァが居ると、すごいんやけど シングルやと 自分ひとりやから、空回りするんちゃう?」と、麗香が又、鋭いことを言ってきた。
「そうや 麗香 さすがやなー ウチも山葵の試合見てて イライラすることある シングルの時 璃々香先輩やないけど、出て行って 山葵のお尻蹴とばしたろかって思うことある しっかりせーよーって」と、美湖が追いかけて言ってきた。
「・・・ 反省し ま す」と、私は少し落ち込んでしまっていたのだ。でも この仲間が居るから心強いのだ。
「だいじょうぶ 山葵 ウチなー 4月に入った頃 山葵にあこがれとったんやー 同じ学年やのに すごいって それから 目標にしてきたんやでー 去年の夏やって すごかったやん 今 ペァ組めるなんて 最後まで 思いっ切りやるんや 先輩達の壁 ぶち抜く覚悟や」
「わかった みく美 ウチも・・・ 璃々香先輩なんて こわーない! いくでー」
璃々香先輩のサーブから始まって、簡単に第1ゲームを取られたのだけど、次は私のサーブで、みく美のボレーも決まって取り返していた。その後も、お互いに取り返したりで4-4になった時
「みく美 これからが勝負よ ウチ等・・」もう、お腹が痛いのも、どうなっても良かったのだ
「まだ 100%じゃぁない! 次は 西田先輩を集中的に狙ってリターンするわ」
「そう ウチもそう思ってた」と、私達の思いは一緒だった。
それからは、私とみく美が交互に左右前後に西田先輩をめがけて、飛び跳ねるように打ち込んでいった。そのゲームはストレートで奪っていた。その後も私のサーブの時、みく美と思いは同じだった。後衛の璃々香先輩に集中的に左右前後に二人でボールを散らしていった。璃々香先輩も最後は根負けしたのか、15-15から仕掛けて、3本連続で取って、6-4で勝っていた。
私達は、抱き合って喜びたかったのだけど、当たり前のように振舞って、先輩ペァを見ていた。でも、心の中では当然、飛び跳ねていた。1年生の仲間達もそれを見てか、そんなには騒いで居なかったのだ。先輩達の眼を気にしていたみたい。西田先輩はショックだったみたいだけど、璃々香先輩は平然とした顔をして私を見ていた。だけど、その時、私はお腹が痛かったのだ。
その後の決勝。織部部長のペァとの試合。私達が先行していたのだけど、2-2になったとこで、璃々香先輩が止めに入って
「もう 時間切れ 決着つけないでも、充分でしょ ハイハイ! 終了」と、言い出したので、私達も渋々、従っていた。でも、私は、良かったーと思っていた。そして、シャワーの時、アレが始まってしまった。
「なによー 璃々香先輩 いつも あの人はああなんだからー 一方的でぇー あのままだったら ワサミクが勝つに決まってるじゃあない!」と、集まったお好み焼き屋さんで鈴音が吠えていた。
「まぁ だからよー あえて 止めたの! 先輩は」と、麗香は冷静に言っていた。
「でも、みく美は今日 すごかったわね 昨日から神が乗り移ったみたい」
「こころ ウチのこと もののけみたいに言わんとってー 努力の結晶よ」
「そうよねー この短期間でー ウチも頭が下がるわー」と、私も驚いていたのだが
「山葵 この短期間じゃぁないよ さっきも言ったけど 4月から ずーっと 山葵を追いかけていたの」
「まぁ 光栄ですわ 我等のエース様」
「なに言ってんの Wエースだよ でも、まだね 今回は相手の弱点を突いただけ 西田先輩も 完全に治ってないんじゃあない? そこを突いただけよ 璃々香先輩も本調子ちゃうみたいやしー」と、麗香は冷たく言い出していた。
「そんなこと 言っても それも実力のうちやんかー それに、ウチ等にもハンデあったでー ウチ等 可愛いからー 憎まれる」
「山葵 帰りに 鴨川に突き落とされたいんかー」と、美湖が・・・それからは、女の子同士のたわいない話で盛り上がっていた。私も久々に心の底から笑っていた。私達の結束。
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桔梗の高校入試があって、彼女は緊張もしてない様子で出ていった。仲間みんなで受けるから、心強いんだよって・・・桔梗から仲間という言葉が出て来るなんて、思ってなかった。確か、中学の後輩 彩も同じ高校を受けて居るはず。
帰って来ても、落ち込んでいる様子もなく
「普通だよ ランク落としているんだから 受からないわけがないワ」と、気楽なもんだった。
「あぁ テニス部のキャプテン なんて言ったかなー お姉ちゃんの後輩で可愛がってもらったってー 話掛けられてなー ウジヤウジャとうっとおーしいし 適当に相手してたんやー だって お姉ちゃんはお姉ちゃんやし ウチはウチやん あかんかったやろかー?」
「まぁ いいんじゃないの でも、桔梗は高校に入っても お友達はたくさん作ってネ お姉ちゃんはテニスばっかーで そんなに友達いなかったからー」
「そーよねー 変なウワサも流されたしなー アッ ごめん! あの時なー 村沢と白木屋とかいうバカもんに 姉妹なのに信じないでどうすんだ って叱られた お姉ちゃんの仲間なんだよね 羨ましかってん ウチなー 高校に行ったら ダンス部に入るネン 友達も増やせると思うヨ」
「そう そんなことあったんだー あの二人が・・・」
それから、桔梗は無事、合格していたのだ。そして、3月に春休みに入ると、私達のクラブのミーティングがあって、次の部長を決めるからってことだった。
だけど、予め2年生同士が話し合って、もう、決めたので、全員にその了解を得るというだけのものだった。そして、新しい部長には 麗香という発表があった。1年生全員の了解を得るというものだったけど、私達全員に依存はなかったのだ。だけど、次年度からは副部長も置くということで、私の名前が呼ばれた。皆も賛成してくれたのだ。
麗香は最初、躊躇していたのが、1年の全員が後押しして、本人もようやく承諾していた。私も、いつも冷静だし、みんなのことをよく見ているからと適任だと思ったのだ。おそらく、後輩の面倒見も良いんじゃないかと。
その日、私達1年は お好み焼き(みよちゃん)で結束集会を開いていた。麦茶をグラスに注いで、こころが私に音頭とってよと言ってきたので
「じゃぁー 麗香の新部長と音女テニス部の発展 ? ん? 繁栄? まぁ とにかく 乾杯! ううん かんしょう! 今年の総体予選でね」
「でも 先輩達もよく見てるよね 麗香なんて やっぱり バカじゃぁないね あの人達」と、こころが言い出した。
「そう ウチもね 実力から言ったら 山葵なんだけど 山葵は子供ぽいところあるからネ 麗香はそのてん」と、みく美が
「みく美 なんやのー ウチ 子供っぽいんかぁー?」
「ウン 負けだすと、ムキになって向かうもんやから 相手の思う壺やー ウチとの試合もそうやったやんかー」
「うーぅ あれは・・・ みく美が強かったんやー」
「うそやー 山葵 終わった後、後悔してたんちゃう もっと やることあったってー 璃々香先輩にも怒られてたやんかー まだ 子供やー」
「なぁ ウチって ふわふわしてるんやろかー?」
「そんなこと無いヨ 山葵は強敵でも向かっていくガッツもあるヨ でもね ペァが居ると、すごいんやけど シングルやと 自分ひとりやから、空回りするんちゃう?」と、麗香が又、鋭いことを言ってきた。
「そうや 麗香 さすがやなー ウチも山葵の試合見てて イライラすることある シングルの時 璃々香先輩やないけど、出て行って 山葵のお尻蹴とばしたろかって思うことある しっかりせーよーって」と、美湖が追いかけて言ってきた。
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