私の辛かった思い あんたにぶつかっていくわ!

すんのはじめ

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第8章

8-1

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 4月の3日まで練習は休みだったので、私は仲間達をハイキングに誘っていた。キラちゃんの練習の無い日に合わせて、銀閣寺から大文字の山に登ることにしていた。

 私と亜里沙はおにぎりをキラちゃんはカップサラダを用意して、飲み物は各自でとなっていたのだが、私達3人の女の子は、そんなのは当たり前とみんなが思っていてすんなり決まっていたのだ。

 当日は、私と亜里沙は紺のストレッチジーンズで、キラちゃんは水色のレギンスにクリーム色の短いスカートで来ていた。私達も野球帽みたいなのをぞれぞれ被っていたのだけど、キラちゃんは白いキャスケットみたいなもので、今日は髪の毛を後ろに束ねて髪飾りで留めていた。銀閣寺まで地下鉄とバスを乗り継いで行って、歩き始めたのだが

「ねぇ オシッコォー! 登り始めたら おトイレ無いんやろー」と、キラちゃんが言い出して、ごもっともなことを、この子は時々言うのだ。

「キラ ウ〇コ も しとけよー」と、白木屋君が・・・よく、そんな恥ずかしいことを女の子に向かってー・・この男は・・。

 それぞれのペァの相手に手を取ってもらったりして、小一時間で眼下に市街地が開ける場所に着いて、そのまま頂上に向かって、又、降りてきて、霞がかった市内とか西山の方を見渡して、お弁当にした。私は、俵型に海苔を巻いて鰹ちりめん山椒、亜里沙は三角型のたらこマヨ、そして、何故か白木屋君のバックから・・・カップに入ったサラダとお絞りが配られた。

 白木屋君は、キラちゃんから登る前に受け取っていたのだ。そんなこと、私の鈍感山水は一言も気遣いしてなかったのだ。そんなに重いものじゃぁないけど・・白木屋君ってガサツなんだけど気の付く良い男なのかも、キラちゃんが気を許すのもわかるって思ったのだ。

 その後、みんなで写真を撮り合ったんだけど、私と山水は初めてのツーショットだった。だから、嫌がる山水と無理やり腕を組んで頭を山水に傾げていたのだ。だけど、白木屋君はキラちゃんの肩に腕を廻して、キラちゃんも白木屋君にベッタリくっついて・・・負けていた。

 それどころか、帰りに下っている時、キラちゃんが滑って尻もちをついて、白木屋君が支えて起こして、キラちゃんのお尻を払って土を落としていたのだ。

「だからぁー しっかりと掴まって無いからだよ」

「そーだね えへっ すべっちゃったー ありがとう」と、キラちゃんは笑顔で平気な顔をしていた。

 私は、なんなのー 一応 女の子でしょ あんな風にいきなりお尻触られても平気なのー どんな関係なのーと 余計な妄想をしていたのだ。

 — — — * * * — — ー

 合格が決まってから、桔梗は毎日と言っていい程、午後から出掛けているみたいだった。多分、仲の良い男の子と会っているのだろうけど、いつも、短いスカートで・・・あんなの、刺激しないのかしらと、それとも、刺激を与える為? また、妄想を抱いていたのだ。私は、そのほうに欲求不満なのかなーと、思いつつ

 4日から練習は始まったけど、新3年生は6人に減っていたのだ。6日から3日間 強化練習で午前午後なのだ。初日、8時半、私達は学校前の坂を約500m3往復していた。

「なんでよー 去年は1往復だけだったじゃぁない 麗香 厳しいんじゃぁない」と、新3年生からもー。だけど、麗香は

「練習前にやるから、体力付くのよ 練習の後は、その日の練習を反省しながら、走って、自分を追い込むのよ」と、言っていた。

「えー 練習 終わっても走るのー」

 そ~いえば、麗香は走り切るマラソンが好きなんだと聞いたことがあった。私は、麗香の部長に賛成したことを一瞬、後悔していた。

 練習は3年と2年生でコートが別れていたけど、時たま、織部先輩と璃々香先輩は私達のほうに入ってくれていた。

「みく美 背 伸びた?」

「今 170です 1年に3cmぐらい まだ 伸びてます」

「そう 入ってきた頃は私と 同じくらいだったのにネ」と、璃々香先輩が

「ウチ まだ 毎日 牛乳を500ミリ飲んでるんです」

「そう 牛乳ねぇー・・・」と、比較的チビ助の私を見ながら

「山葵は?」

「えー ウチはお水と緑茶しかー」

「ふぅーん なるほどネー 飲み物の話してんじゃぁないの!」と、今度は私の胸を見詰めていた。

「なっ なんなんですかーぁー 先輩 それっ セクハラですよー」と、私は胸を隠すようにしていたのだけど

「なんにも言ってないわよ! まぁ 私も自慢できるほど無いけどネ」

 でも、確かに私は背丈はそうでもないけど、もう、胸の大きさでは桔梗にも完全に負けていたのだ。だから、少しは気にしていたのだ。山水が私にそんなに興味示さないのは、それも原因なのかしらと・・。私、去年からあまり成長していない。
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