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第8章
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コーチは明日、軽く祝勝会をやろうと言っていて、皆で解散して家に帰ってきたら、(お姉ちゃん おめでとう)の張り紙がリビングに垂れ下がっていた。そして、部屋に踏み入れた時、クラッカーが鳴った。「キャーッ」と思わず・・ 桔梗の仕業だ。
「お姉ちゃん おめでとう 優勝」
「なっ なによー これはー」
「山葵ちゃん おめでとう 頑張ったね」と、お母さんも寄って来て言ってくれた。
「なんで 知ってるのー?」私は、家に知らせて無かったのだけど
「桔梗が見に行ったのよ 健也さんも 親方が応援に行けって 一緒に」
「そーだったんだ ウチ 必死やったんで スタンド見て無かった」
そして、夜はお父さんもお客さんが入って無いからと、一緒に焼肉を・・・。厚めのランプ肉だった。
「山葵ちゃんが 好きなので 特別に切ってもらってきたの」
「そう ありがとう おいしそー」
「ウチは脂あるほうが好きなんだけどね」と、桔梗がボソッと言ってたけど
「そこのゴマ油 飲んどけばー 身体 絞ってるんでしょっ」
「うーん お姉ちゃん こそ もう少し肉つけた方がいいんじゃぁない? だんだんペタンコになっていくみたい」
「・・・」こいつ、私の胸のこと言っているんだ。無視することに決めた。私のお祝いなんだろー 気にしてることを言いやがってー。だけど、自然と前の桔梗が戻ってきていると感じていて嬉しかった。そして、お父さんが
「山葵 がんばったな! えらいぞ! お母さんもな 肉屋で誇らしげに話したら、特別にサービスしてもらったそうな」と、あの不愛想な人が珍しく褒めてくれて、私はそのほうが嬉しかったのだ。その日は、久々に家族らしい晩御飯だったのだ。優勝したことよりも、その方が私には嬉しかった。
次の日、学校に行くと、校門の横にもう看板が下げられてて [祝 全国大会出場 テニス部 団体戦] [ダブルス杉田・山城さん シングルス岸森、杉田さん] の文字が掲げられていた。おそらく、今朝早く呼び出されて、書道の三井先生が書いたのだろう。もう 見慣れた看板なのだけど、今回のは、華々しくて、隅の角にはバラの花も飾られていたのだ。
1時限目はホームルームの時間なんだけど、コーチと部長の麗香に連れられて全国大会出場組が呼び出され、校長室に・・・。拍手で迎えられて、部屋に並ばされて、やっぱり、握手を求められていた。
「いゃー ワシも応援に駆け付けたんだよ 団体戦 痛快だったなー 王者を倒したんだからな 会場のみんなも音女をコールで応援してくれてな 誇らしかったよ 岸森さんと山城さんなら、やってくれると思ってたけどな」
「そう 杉田さんも 頑張ったわねー 全種目出場でしょ 努力したのね」と、教頭がみく美をねぎらっていた。
その後、全校集会があるからと、体育館に向かった。
「また あのオッサンの手 握らされたわー あぁー 気持ち悪ぅー はよ 手洗いに行こー」と、璃々香先輩が去年と同じことを言っていたのだ。「ウチも」っと、後ろから付いて行ったのだけど。その後、体育館の壇上にテニス部全員が並ばされ、部長の麗香が報告と応援のお礼の言葉を述べさせられていた。
放課後は学食を借りて、祝勝会が行われていた。コーチと校長、教頭のポケットマネーでと言うことなのだが、テーブルにはポテトチップとかチョコレートのお菓子が並んでいて、ジュースで乾杯のあと、コーチが理事長からの賛辞と謝礼の言葉を読み上げて
「いやー 今回は本当に皆 頑張ったなぁー 西田もギリギリまでよく頑張った。それに、ダブルスの決勝 今 思い出してもぞくぞくするわー 最後、あの衣笠をふたりで徹底的に攻めつけて、翻弄させてるんだからな あの時 見てて、身震いしてきたんだよー 山葵とみく美がコートで舞っているんだものなー 会場の皆が応援してるんだよ 考えてみれば、ろくな指導もしてきていないのに、二人とも本当に努力してくれたんだな 僕なんかを優勝チームのコーチに押し上げてくれた ありがとう」と、コーチが
「ちょっとコーチも大袈裟なんよー そう 私も璃々香やみんなに迷惑掛けたんだけど・・・すごい後輩たちが夢をつないでくれたって 涙しながら見てたの」と、西田先輩は少し涙ぐんでいたのだ。
「そうね だけど これからが本番よ 気を引き締めて向かわなきゃーネ 全国に音女の名前を・・・」と、璃々香先輩は全国大会のことを見ていた。
「お姉ちゃん おめでとう 優勝」
「なっ なによー これはー」
「山葵ちゃん おめでとう 頑張ったね」と、お母さんも寄って来て言ってくれた。
「なんで 知ってるのー?」私は、家に知らせて無かったのだけど
「桔梗が見に行ったのよ 健也さんも 親方が応援に行けって 一緒に」
「そーだったんだ ウチ 必死やったんで スタンド見て無かった」
そして、夜はお父さんもお客さんが入って無いからと、一緒に焼肉を・・・。厚めのランプ肉だった。
「山葵ちゃんが 好きなので 特別に切ってもらってきたの」
「そう ありがとう おいしそー」
「ウチは脂あるほうが好きなんだけどね」と、桔梗がボソッと言ってたけど
「そこのゴマ油 飲んどけばー 身体 絞ってるんでしょっ」
「うーん お姉ちゃん こそ もう少し肉つけた方がいいんじゃぁない? だんだんペタンコになっていくみたい」
「・・・」こいつ、私の胸のこと言っているんだ。無視することに決めた。私のお祝いなんだろー 気にしてることを言いやがってー。だけど、自然と前の桔梗が戻ってきていると感じていて嬉しかった。そして、お父さんが
「山葵 がんばったな! えらいぞ! お母さんもな 肉屋で誇らしげに話したら、特別にサービスしてもらったそうな」と、あの不愛想な人が珍しく褒めてくれて、私はそのほうが嬉しかったのだ。その日は、久々に家族らしい晩御飯だったのだ。優勝したことよりも、その方が私には嬉しかった。
次の日、学校に行くと、校門の横にもう看板が下げられてて [祝 全国大会出場 テニス部 団体戦] [ダブルス杉田・山城さん シングルス岸森、杉田さん] の文字が掲げられていた。おそらく、今朝早く呼び出されて、書道の三井先生が書いたのだろう。もう 見慣れた看板なのだけど、今回のは、華々しくて、隅の角にはバラの花も飾られていたのだ。
1時限目はホームルームの時間なんだけど、コーチと部長の麗香に連れられて全国大会出場組が呼び出され、校長室に・・・。拍手で迎えられて、部屋に並ばされて、やっぱり、握手を求められていた。
「いゃー ワシも応援に駆け付けたんだよ 団体戦 痛快だったなー 王者を倒したんだからな 会場のみんなも音女をコールで応援してくれてな 誇らしかったよ 岸森さんと山城さんなら、やってくれると思ってたけどな」
「そう 杉田さんも 頑張ったわねー 全種目出場でしょ 努力したのね」と、教頭がみく美をねぎらっていた。
その後、全校集会があるからと、体育館に向かった。
「また あのオッサンの手 握らされたわー あぁー 気持ち悪ぅー はよ 手洗いに行こー」と、璃々香先輩が去年と同じことを言っていたのだ。「ウチも」っと、後ろから付いて行ったのだけど。その後、体育館の壇上にテニス部全員が並ばされ、部長の麗香が報告と応援のお礼の言葉を述べさせられていた。
放課後は学食を借りて、祝勝会が行われていた。コーチと校長、教頭のポケットマネーでと言うことなのだが、テーブルにはポテトチップとかチョコレートのお菓子が並んでいて、ジュースで乾杯のあと、コーチが理事長からの賛辞と謝礼の言葉を読み上げて
「いやー 今回は本当に皆 頑張ったなぁー 西田もギリギリまでよく頑張った。それに、ダブルスの決勝 今 思い出してもぞくぞくするわー 最後、あの衣笠をふたりで徹底的に攻めつけて、翻弄させてるんだからな あの時 見てて、身震いしてきたんだよー 山葵とみく美がコートで舞っているんだものなー 会場の皆が応援してるんだよ 考えてみれば、ろくな指導もしてきていないのに、二人とも本当に努力してくれたんだな 僕なんかを優勝チームのコーチに押し上げてくれた ありがとう」と、コーチが
「ちょっとコーチも大袈裟なんよー そう 私も璃々香やみんなに迷惑掛けたんだけど・・・すごい後輩たちが夢をつないでくれたって 涙しながら見てたの」と、西田先輩は少し涙ぐんでいたのだ。
「そうね だけど これからが本番よ 気を引き締めて向かわなきゃーネ 全国に音女の名前を・・・」と、璃々香先輩は全国大会のことを見ていた。
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