私の辛かった思い あんたにぶつかっていくわ!

すんのはじめ

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第12章

12-4

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 5月の連休前に、静香さんがやる新しいお店 (だしとしる) をプレオープンするとなって、チラシ配りに桔梗の友達とか、山水に白木屋君、進藤君が総動員になってしまっていた。私は、高校総体の予選があるので、そっちには構っていられなかったんだけども。しばらくの間は、お昼と夕方の部だけをやると言っていたので、私は練習を終えて6時近くになってしまったけど、お店に寄ってみた。

 店の中には女の子の3人連れと2人連れの2組がまだ居たのだけど、カウンターの中で静香さんと桔梗が後片づけをしてるみたいで

「こんにちは どう?」と、私はまだお客様も居るので簡単に顔見せ程度と思ったのだけど

「あぁー 山葵ちゃん みんなのお陰でそれなりに忙しかったわ 健也さんもさっきまで手伝いに来てくれていたの」

「そう ごめんなさい ウチ 手伝えなくて・・・ 桔梗もありがとうネ」

「お姉 大丈夫だよ ウチも頑張るからー そのかわり 君は全国の頂点だよ!」と、桔梗が応えてくれた。私は、仲間が近くのカフェで集まっているからと、そのまま、後にしていて、桔梗には感謝していたけど、健也さんが手伝いに来ていたと言うことに、少し、カチンと来ていたのだ。自分でもつまんないことに・・・子供みたいに、すねて・・と、反省していた。

「みんな ありがとうね 忙しいだろうに」

「いや まぁまぁ 楽しかったよ 昼過ぎに戻ったら、それなりに 客が来てるて言ってたから オープンとしては順調なんじゃぁない」白木屋君が言ってくれたら

「智則ったらさー 女の子にしかチラシ 渡さないんだよー だから、店で聞いたら 女の連れのお客ばっかー なんだってー」と、亜里沙が

「そんなことないよー カップルも来たってよー だって よー チラシとあぶら取り紙だろー 女の子のほうが 喜ぶだろうからってー」

「そっ そう ヤローはあんまー チラシ 受け取んないんだよー」

「そうかぁー でも お休みの日は女の子ばっかーでも いいかー すぐ SNSとかに載っけてくれるしね」と、私なりに納得していて

「ねぇ 白木屋君 キラちゃん 春休みから会ってないんだけど 元気? 彼女 お父様に会ってきたんでシヨ?」

「あぁ 元気だよ 学校は授業 厳しいみたいだけど・・」

「そーなんだ でも 会ってるんでしょ?」

「あぁ 3ッ日に1回くらいかなぁー」

「白木屋君 えらいネ キラちゃんの学校・・・終わるの 待ってるんだぁー?」

「まぁなー あの 会った時のとびっきりの笑顔 見ると、仕方ないよー 俺も嬉しい!」

「わぁー でれでれネ! ねぇー キラちゃん 前 言ってたんだけどー キスも知らないまんま 悲しい乙女になるの嫌だってー あのさー 興味だけなんだけど・・ なんか 進展した?」

「山葵も思い切ったこと 聞くのぅー ・・・興味だけ ねぇー これ! しゃべったこと 樹羅には内緒だぞー」

 白木屋君は、深呼吸で一息入れてから

「マニラに行くという前の日にな 夕食に誘われたんだ 樹羅んチに お母さんは、まだレッスン中でな そしたら、樹羅が・・・ キッチンの奥に誘ってきて 『私は、もう、高校生になるんよー ちゃんと抱きしめて お願い』 って 眼を閉じて、顔を上げてきたんだ それに、薄いセーターの胸を押し付けてきて手をまわしてきたんだ そこまで されて 男が我慢できると思うか? あんな可愛い娘 それでよー 思いっきり抱きしめてなー それでな・・」

「そう そうなんだー やっぱりー キラちゃん 覚悟決めてたみたいネ」

「樹羅 なんか 言ってたのかー?」

「うん だからー キスも知らない悲しい乙女になるの嫌だって キャンプ行った時にね ねっ 亜里沙?」

「うん はっきり 言ってたわー もしかしたら すべてを白木屋君に捧げるのかもって思ったわ」

「あほかぁー そこまでは・・ それでな、お母さんが レッスン終わって、リビングに来た時にな 感じるものあったんだろうなっ 俺にな 匠さん 唇に赤いもの付いてるわよ って 俺 焦ってしまって 口を拭ったんだ そしたら 樹羅は匠さんのこと大好きなようだし、支えてもらっているようだし、匠さんも樹羅のこと大切にしてくれているし キスするぐらいは当然よねぇー でも、まだ 学生なんだから 節度をもってくださいネ! 私も匠さんのこと信頼してるんですからネ って チョンバレだったんだ キスしてたの だけど、樹羅はリップクリームで口紅つけて無いんだから 俺はドジったんだよなー でも、樹羅のお母さんは見通しなんだよー 鋭いんだよなー それに・・ ある程度は理解あるんだよー 樹羅があの人の言うことを聞くのって わかる気がした だから、無邪気で真直ぐなんだよ きっと 樹羅は俺とキスしたことも あの後、報告しているよ」

「そうかぁー あのお母様 すごいネ ウチなら そんなこと お母さんに言えないよー」と、私が言っても、山水は知らんぷりしているだけだった。

「俺 あの母娘に太刀打ちするためにも 勉強 がんばるよ」

「へぇー 白木屋君 工学部だよね 志望」

「あぁ 工学部の情報学科 樹羅に見劣りしないよう ロボット開発に携われるよう頑張る それに、跡取りをごうに任せたんだから、頑張るしかないからな!」

「意外と 偉いよねぇー 白木屋」と、亜里沙も感心していた。

「惚れ直しても 遅いぞー 俺は樹羅のものだし 樹羅は俺のものだからー」

「まぁ すごいねぇー 熱々 湯気出てるよー」

 家に帰って、桔梗にお店の状況を詳しく教えてもらったけど、今日の来店数は100人程だったらしい。まぁ、初日としてはまずまずといったとこかなと思っていた。でも、第一の目標は、連休明けのビジネスマンをどれだけ呼び込めるかなんだ。順調、順調。そして、私も、本大会に行って、今度こそ、頂点に立つんだと・・・その後・・・キラちゃん達に刺激されたわけじゃぁないけど、山水にと・・・覚悟していた。
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