私の辛かった思い あんたにぶつかっていくわ!

すんのはじめ

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第12章

12-6

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 そして、今年は京都での本大会で、個人戦に私と、みく美に麗香が選ばれて、ダブルスは私とみく美のペァ、そして、音女チームの団体と京都代表は音女が大半なのだ。スタンドには、学院の応援団に私の4人の仲間の姿もあった。そして、璃々香先輩の姿も
 
 個人戦の準々決勝で私は鳴尾浜女子学園の神宮美弥とあたってしまった。私にとっては、因縁の相手。だけど、近畿大会の借りを返すつもりで、ぶつかっていって、あの時の私とは違っていたのだ。スピードでも負けることが無くて、サーブもリターンも効果的に決まっていて、相手を苦しめて8-6で振り切って、勝っていた。初めて神宮美弥に勝ったのだ。そして、そのままの勢いのまま私は決勝まで勝ち上がっていたのだけど、みく美は準決勝で 神奈川代表の大里みさきに、接戦で1-1のセット数になり 最終セットに10-8で負けてしまっていた。

「山葵 ごめんネ 決勝で山葵と戦いたかったのにー ウチ 甘かったわー 全国レベルになると大変やなー でも、悔しい! 山葵 お願いネ!」と、少し、涙眼だった。だから、私はみく美の分もって、気を入れ直して、みく美からアドバイスをもらいながら、結果、6-4、7-5とゲームを取って2-0で優勝していたのだ。

 そして、ダブルスも決勝でも接戦になり、埼玉代表に1-1のセット数がタイになったが最後のセット 私もみく美も左右に飛び跳ねて9-7で取って、優勝していた。でも、団体戦は準決勝で、もう、私もみく美も力付きていたのだ。

「ごめん 麗香、美湖 頑張って1勝してくれたのに ウチ 申し訳なくて 情けないわー」

「ウチもごめん 最後 頑張れなかった」と、私と、みく美は麗香と美湖に謝っていた。

「ううん ここまで 山葵もみく美も ウチ等を引っ張ってきてくれたやんかー 何度も 助けられたわー ありがとう もう 充分よー 全国ベスト4 よー」

「そうよー ありがとう ウチは やり切ったわー それに、山葵は個人戦優勝やし、二人はダブルスで No.1 やんかー ウチ等の誇りヤー」と、美湖も晴れ晴れとした顔で言ってくれていた。

 そして、夕方、家に着くと、誰も居なくて、テーブルの上に (山葵ちゃん 優勝 おめでとう 9時頃になるけど みんなでお祝いネ おにぎり食べてて) と、メモが置いてあった。お母さんもお店を手伝っているのだろう。桔梗は・・・多分、静香さんのとこに手伝いに行っているのかなー。

 先に、お母さんと健也さんが、帰って来て

「山葵ちゃん おめでとうネ 素晴らしいわねぇー これから、皆で お祝いネ」

「山葵 えらいなぁー 頑張ったね 今日は 俺が 腕 ふるいますから」

「わぁー もし おいしくなかったら・・・ 罰として ウチにキスしてよー」 その時、健也さんは私のお尻をペンと・・・久しぶりなのだ。私は、思わず、健也さんの腕に絡みつくようにしていた。何となく、嬉しかったのだ。

 それから、桔梗と静香さんが・・・少ししてお父さんが帰ってきた。その間に健也さんは、鯛飯、タコのカルパッチョ、ローストビーフにいくらを添えて、最後に車海老の天ぷらとかを揚げていた。

 皆がそろって、お料理も並べられたとこで、お父さんが

「じゃぁー ウチの全国を祝して 乾杯だ 山葵 おめでとう がんばったなー」

 皆から、祝福の言葉を言ってもらった後、お母さんが

「いつもの 肉仁さんがね お肉 半額にしてくれたのよ いつもより多いから なんかあんですかって聞かれたからー 山葵ちゃんのこと話したら お祝いで半額にしてくれたの その代わり 山葵のこと 張り紙していいですかって 応援しますって ご贔屓のお店って ねっ 山葵ちゃん? だって お肉 好きでしょ 安くしてもらえるんなら 助かるわー」

「えっ えー ウチ そんなん あそこの近く 歩かれへんよーなるやん」

「だいじょうぶよ 写真出るわけ違うから わからないわよー それより、度々 お肉 食べたいでしょ?」

「うーん ええけどなぁー ウチ もう 高校の試合無いでぇー しらないからネ! それより 静香さん お店のほう どう?」

「ええ まぁまぁ 順調かなー 朝も常連さんが付いてくれるようになったしー この前からね 小さなかき揚げと横におにぎり 桔梗ちゃんの提案でね 暑くなってきたせいか 好評なの それに、最近はお味噌汁だけのお客様も増えてきたわ」

「そう よかったねぇー 桔梗 やるヤン お店に結構 手伝いに行ってるみたいやしー」

「うふふー 楽しいよ お客さんにも 顔を覚えてくれている人が何人か居てね お勧めは? って聞いて来るの!」

「そうなんだ 桔梗は明るいから それだけで可愛いもんねー」

「そう 顔はたいしたことないけどね ニャンニャンしてれば 男の人に受けるんだよー」

「あのさー 美味しいのが 売り なんだからね! ネェ? 静香さん?」

「まっ まぁー でも かわいらしいほうが いいわよー それに、美味しいから、続けてきてくれているんだし」

「ふふっ 健也さんも 一安心ネ」

「いゃー 俺はなんも・・・ 親方のほうが・・」

「うー まぁなー そのうち、ウチの店の売上も追い抜くかなー」

 しょうがないじゃあない お父さんは コツコツとやってるだけなんだからー それも、儲けも考えないでー と、私は、言いかけたんだけど・・・いまさらと思って、言葉を飲み込んでいた。

 でも、お父さんは、私の実のお母さんが亡くなった時も、仕事を終えて、まだ、幼かった私が先に寝ていても、横に添い寝をしてきて、寂しい思いをさせないようにと 一生懸命 育ててきてくれたのだ。だから、私も、素直に何にでも集中して育つことが出来た。

 そんなお父さんだったから、今のお母さんと桔梗に自然と接することができたのよ。不器用で黙って見守っていてくれるだけの おとんなのだけど・・。

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