少女は 見えない糸だけをたよりに・・

すんのはじめ

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第2章

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 燿さんが、お店にやってきて、いきなり

「チラシ 入れたからね 明日 クリスマスまでの5日間 とりあえず、期間限定 香波ちゃん 練習しといてね ハムカツ 塩ネギポーク マカロニサラダ フルーツサラダ とりあえず 今回は 4種類 わかった? これチラシ」と、渡された。

 そこには、サクッとホットサンド(運が悪いと10分以上 お待ちいただくこともございます でも、お店の天使達の笑顔で 応対させていただきます)と書かれていた。

「あー そうよ 香波ちゃんも リップクリームぐらいは 塗ってね」と、今度は、リップクリームを・・。

「明日 朝 9時出勤ね のぼりとポスター届くし 仕込みもね」と、一方的に・・

「あぁ それとね 二人 明日 チラシ配り頼んでいるから 私も配るね 来ると思うよ お客様」

 私 何か この人のペースに付いて行くの、辛い やることが、決めたら速いんだもの・・。

 そして、次の日の朝。最初のお客様、薄汚れたカーキ色のコートの男子が一人。10時半頃、ポテトサラダのを注文してくれた。その後、11時半頃から、来出した。普段の日より倍くらいのお客様。だって、サクッとホットサンドの方が売れていて、男子学生も並び始めていたんだもの。

 燿さんも戻ってきて、具材の仕込みをやってくれたり、レヂのほうをやってくれたり、3人でてんやわんやで、バタバタしてて、ようやく2時過ぎに、順調に流れ出した。

「ごめんね 私もこんなになるって 思わなかったから」と、言いながら、4時に、くるみちゃんが来ると、出て行ってしまった。暁美さんが、しょうがないから、今日はもう少し残るわって居てくれたのだ。

 4時半頃から2度目のピークを迎えていた。もう、ホットサンドばっかりで、焼き型が3台しかないのに、お昼より大変だった。でも、並んでいる人も男子女子混じっていたので、合コンみたいで、寒い中、みんな並んで待ってくれていた。

 ようやく落ち着いてきた頃、あの人が3人連れで来た。ゲンイチさん。店内は女の人で埋まっていたんだけど「いいよ 外で待っている」と言ってくれていた。暁美さんは6時前に帰っていて、私とくるみちゃんの二人だけだったんだけど、私が、必死に焼いているのに、のんきにくるみちゃんはゲンイチさん達と笑いながら楽しそうに話をしている。

 私は、くるみちやん ハムカツ揚げてよ って思いながらも、先輩なので言う訳にもいかないので、先に、マカロニサラダのを焼きながら、ハムカツを揚げて・・。そのうち、店内のお客様がみんな引き上げだして、ゲンイチさんが入ってきた。

「忙しそうだね お昼も来てみたんだけど、並んでいたんで・・逆に迷惑かなって思ってしまってね」と・・。何なんだろう、私、もう、この人の顔を見ると安心してしまっていた。先に、マカロニサラダのを出して、ハムカツのを焼いていた。だって、3人とも二つ注文していたんだもの。

  次の日も、昨日より少し少ないけど、お昼前から混んできていた。そして、5時過ぎにあの人がやってきた。丁度、お店の中の席が空いた時だった。

「いらっしゃい 今日も来てくださったんですね ありがとうございます」と、私はお水を持っていったら

「えーと ハムカツのとランチョンミートのと 二つ お願いします」と、遠慮がちに下を向いて注文してきた。

 そして、私がカツを揚げて、焼き始めたら、別の席に居た女の子の二人組が

「写真 撮ってもいいですか インスタにアップしたいの」って言ってきた。私は「はぁー」と、戸惑っていたのか

「君等ー そんなこと、勝手にやったら・・ なぁー」と、ゲンイチさんが、私に同意を得るように・・。

「でも こんなに可愛い男の子が焼いているんだったら インスタ映えするし お客さんも増えるよ きっと」

「だから そんなことになったら・・えっ 男の子????」

「いいんですよ ゲンさん でも、お店の場所は出さないでくださいね」と、私は、その人達にお願いしておいた。「えっ 女の子? どっち? ? ?  男の子 ちがうのぉー」と戸惑った様子で、でも、写真を撮って出て行った。

 焼きあがったものを持っていった時

「ありがとうございます さっきは 気を使っていただいて」

「いや 自分は そのー 香波ちゃんが、他人にさらされるような気がして・・ すみません 余計なことでしたね」

「いいんです 私は でも、店長に叱られるかも」

「そんなことになったら 自分が 説明します」

「あららー ゲンイチさんは カナミちゃんに ぞっこん なのねー」と、くるみちやんがクレープを持って来て

「いや そっ そんなことは・・ くるみさんも・・」

「くるみさんも? なに?」

「はい だから 二人共 いい感じです! 笑った顔がいいです それに、女性とこんな風に話できるのは 自分は初めてなんです」と、又、下を向いていた。私は、この人、本当に真面目そうで・・好感を持ってしまった。

「うふっ ゲンイチさんって 見た目とちがって 可愛い―」と、くるみちゃんがからかっていた。

 知らないよ。私なんかより、くるみちゃんが付き合えば良いじゃない。

 今日は、夕方の客があんまり来なかった。寒いせいなのかも知れない。

「カナミ クリスマス どうすんの?」

「どう って?」

「だからー 誰かと クリスマスすんの?」

「クリスマスするって? お仕事ですよ いつもと一緒」

「違うよ! だから、男の子と特別な場所で食事するとか、ネオンが綺麗な場所にいくとかさー ないの?」

「そんなー 私 知ってる人居ないしー 帰って 何か食べて お風呂行って 寝るだけですよ」

「そんなん あんたー 青春を損してるよ もっと 楽しいことしなきゃー」
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