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第2章
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次の日、夕方になってゲンイチさんが店に来た。くるみちゃんが待っていたかのように店に招き入れ、注文を聞いていた、ゲンイチさんは、ハムカツを注文して、くるみちゃんは側に居て
「ねえ ゲンイチさん 彼女 居る?」と、ズバッと
「いえ そんな人居ないです 練習ばっかりだったし」
「ウン あのね 今夜 クリスマスイブだよね ウチ等 こんなに可愛いのに、一緒に過ごす人も居ない、可哀そうな女の子なのよ ゲンイチさん 助けてー どこかで、お食事でも・・」と、
「ウッ そりゃーかまわんですけどー 本当ですかー」
「うん じゃぁ決まりね お店 8時までだから 終わった後ね だけど、カナミとだけじゃぁないよ ウチも付いて行くからね」
「も もちろんです どこがいいか考えます」
「そーねー 両手に花よね ありがとう カナミ わかったー 連れてってくれるって」
くるみちゃんは、こんなこと企んでいたんだ。でも、私は、初めてのことで、少し、ウキウキしてたけど、半分怖かった。そして、出掛ける前にくるみちゃんが眼元と頬に少しチークでお化粧してくれた。
お店を閉めた後、丁度ゲンイチさんが、又、来てくれた。京都駅のイルミネーションが綺麗からと、みんなでバスで移動したのだ。京都に来て、初めて、迷いながらバスに乗って以来だった。そして、この大学の近くに来て・・燿さんに出会った。
あの日、不安を抱えながら、ここまで来て、何となくお店の前の張り紙を見て中に入ったのだ。そしたら、燿さんが居て・・。救ってくれたのだった。
京都駅の中に入って驚いた。私、こんなに色とりどりの多くのネオンを見たことが無かったから、まるで、夢の中の世界みたい。私は、他のふたりが居るのも忘れて、階段を上っていった。上から「おぉーい」と大きな声をあげていると、くるみちゃんが急いで上がってきて「恥ずかしいから やめてよ」と・・。
それから、「やっぱり 肉よねー」と、くるみちゃんが言い出して、駅から少し、歩いて、焼肉屋さんに入っていったのだ。
「カナミ お金のことなら、心配しないで 昨日 店長からもらったから ゲンイチさん これ 使って カナミには一銭も出させないでね」と、封筒をゲンイチさんに渡していた。
そして、食べ終わって、お店を出た後、「じゃぁ ウチはここでね ゲンイチさん カナミを送ってあげてね」と、帰って行った。
「ねえ 大学の自然研究同好会って知ってます?」と、バスの中で聞いてみたが
「知らないな― 同好会なんて、いっぱいあるからなー 誰か知り合い?」と、いう返事だったから、私は、そのまま、黙ってしまった。
そして、バス停からお店に向かって歩いた。自転車が置いてあるから、送ってくれるのは、お店までで良いですからと言っておいたのだ。アパートが知られるのも嫌だったので。別れる時に
「今日は有難うございました 私 あんなの初めてで お肉もおいしかったし、あんな綺麗なの見たのも・・」
「喜んでもらえて良かったよ 自分こそ 二人の美女に囲まれて、良い想い出になつた 楽しかったよ 人生でこんなことがあるなんてな」
「うふっ 美女だなんて・・言い過ぎ」
「いや 本当です 香波ちゃんなんて 今日は特に可愛かった それに、まだ15なんて 思ってもなくて びっくりした」
「私も ゲンさんが こんなに気安くお話する人って思ったなかったから びっくり」
「あのー 良かったらなんですか 自分とお付き合い願えないでしょうか いえ そのー 特別でなくても 時々 その 今日みたいに なんか 一緒に・・」
「えー ごめんなさい 私 まだ そんなー それに 店長に相談しないと・・でも、ゲンさんのことが嫌いじゃあないです お顔見ていると安心できるんです」
「そんな うれしいなー そうですか じゃぁ 徐々にね 突然だったから 驚かしてしまってすまない」
「ううん ありがとうございます 私 知り合いも少ないから 嬉しかったです じゃあ 帰ります ゲンさんも気をつけてね」
「うん 香波ちゃんも 暗いから 気をつけて 変な奴いたら、駆けつけますから あっ 番号」
私は、もう、こぎ出していた。
— — — * * * — — —
次の日、燿さんは、お店の年末30日の3時までね。あと、お掃除。年明けは5日からにするわ。学生さんもお休みだしね、と言っていた。そして、私にだけ
「30日、お店終わってから、ウチの家に来なさい。5日まで居ればいいわ。どっちみち、独りですることもないんでしょ。その方がいいわよ 安心だし」
「えぇー 店長 私 そんな ご迷惑かけるなんて・・」
「迷惑じゃぁないわ 独りにしておく方が心配で 迷惑よ! お母様も喜ぶんだから 決まりね!」一方的に決められてしまった。
その日、ゲンイチさんは当たり前の顔をして夕方やってきてくれた。私は、少し、バツが悪かったんだけど、くるみちゃんは直ぐに、反応して
「あぁー ゲンイチさん 昨日はありがとうね 楽しかったわー」
「いいえ 自分も 楽しかったです」
「ねぇ ゲンイチさんは お正月 どうすんの?」
「はぁ 地元に帰えろうかと思ってるんす 2年振りなんです」
「そうなんだ 地元って?」
「城崎温泉の先なんです 小さな民宿をやっているんですけどね」
「そーなんだ でも、今は、かに だよね 忙しいんでしょ」
「どうだかなー かに も高くなってしまったからなー」
「でも いいじゃぁない 温泉入って かに 食べてー 最高よー」
「そんなに いいもんじゃぁないですよ・・くるみさんは?」
「ウチは・・高校の時の友達と会ったり・・だらだらしてるかなー」
「香波ちゃんは どうするんですか」
「えっ えー 私は・・ 寝てます あと お料理の勉強もしなければ・・」
「あのさー ゲンイチさん 前から 少し 気になってたんだけど なんで ウチにはさん付けでカナミのことは ちゃんなのー? カナミだって たまに ゲンさんって言うし そんな仲なのー? ウチやって まだ二十歳前やでー ちゃんでええんちやうのー」
「いや 深い意味ないっす 何となく、くるみさんは落ち着いて大人みたいだから・・ その方が言いやすいかなって・・」と、ゲンイチさんは、慌てていたけど、確かに、言い方違うよねって、その時、初めて私もわかった。
この人にしてみれば、私は、まだ、女として見られてないんだなと・・ちゃん なんだ。
そして、30日の午後になって、みんなで、大掃除をした後、私は、燿さんに、こそっと「お母様が家で待ってるから、独りで行ってくれる 着替えは適当で良いわよ 着るものなら なんなりあるから」と、自分は出掛けてしまったのだ。
「ねえ ゲンイチさん 彼女 居る?」と、ズバッと
「いえ そんな人居ないです 練習ばっかりだったし」
「ウン あのね 今夜 クリスマスイブだよね ウチ等 こんなに可愛いのに、一緒に過ごす人も居ない、可哀そうな女の子なのよ ゲンイチさん 助けてー どこかで、お食事でも・・」と、
「ウッ そりゃーかまわんですけどー 本当ですかー」
「うん じゃぁ決まりね お店 8時までだから 終わった後ね だけど、カナミとだけじゃぁないよ ウチも付いて行くからね」
「も もちろんです どこがいいか考えます」
「そーねー 両手に花よね ありがとう カナミ わかったー 連れてってくれるって」
くるみちゃんは、こんなこと企んでいたんだ。でも、私は、初めてのことで、少し、ウキウキしてたけど、半分怖かった。そして、出掛ける前にくるみちゃんが眼元と頬に少しチークでお化粧してくれた。
お店を閉めた後、丁度ゲンイチさんが、又、来てくれた。京都駅のイルミネーションが綺麗からと、みんなでバスで移動したのだ。京都に来て、初めて、迷いながらバスに乗って以来だった。そして、この大学の近くに来て・・燿さんに出会った。
あの日、不安を抱えながら、ここまで来て、何となくお店の前の張り紙を見て中に入ったのだ。そしたら、燿さんが居て・・。救ってくれたのだった。
京都駅の中に入って驚いた。私、こんなに色とりどりの多くのネオンを見たことが無かったから、まるで、夢の中の世界みたい。私は、他のふたりが居るのも忘れて、階段を上っていった。上から「おぉーい」と大きな声をあげていると、くるみちゃんが急いで上がってきて「恥ずかしいから やめてよ」と・・。
それから、「やっぱり 肉よねー」と、くるみちゃんが言い出して、駅から少し、歩いて、焼肉屋さんに入っていったのだ。
「カナミ お金のことなら、心配しないで 昨日 店長からもらったから ゲンイチさん これ 使って カナミには一銭も出させないでね」と、封筒をゲンイチさんに渡していた。
そして、食べ終わって、お店を出た後、「じゃぁ ウチはここでね ゲンイチさん カナミを送ってあげてね」と、帰って行った。
「ねえ 大学の自然研究同好会って知ってます?」と、バスの中で聞いてみたが
「知らないな― 同好会なんて、いっぱいあるからなー 誰か知り合い?」と、いう返事だったから、私は、そのまま、黙ってしまった。
そして、バス停からお店に向かって歩いた。自転車が置いてあるから、送ってくれるのは、お店までで良いですからと言っておいたのだ。アパートが知られるのも嫌だったので。別れる時に
「今日は有難うございました 私 あんなの初めてで お肉もおいしかったし、あんな綺麗なの見たのも・・」
「喜んでもらえて良かったよ 自分こそ 二人の美女に囲まれて、良い想い出になつた 楽しかったよ 人生でこんなことがあるなんてな」
「うふっ 美女だなんて・・言い過ぎ」
「いや 本当です 香波ちゃんなんて 今日は特に可愛かった それに、まだ15なんて 思ってもなくて びっくりした」
「私も ゲンさんが こんなに気安くお話する人って思ったなかったから びっくり」
「あのー 良かったらなんですか 自分とお付き合い願えないでしょうか いえ そのー 特別でなくても 時々 その 今日みたいに なんか 一緒に・・」
「えー ごめんなさい 私 まだ そんなー それに 店長に相談しないと・・でも、ゲンさんのことが嫌いじゃあないです お顔見ていると安心できるんです」
「そんな うれしいなー そうですか じゃぁ 徐々にね 突然だったから 驚かしてしまってすまない」
「ううん ありがとうございます 私 知り合いも少ないから 嬉しかったです じゃあ 帰ります ゲンさんも気をつけてね」
「うん 香波ちゃんも 暗いから 気をつけて 変な奴いたら、駆けつけますから あっ 番号」
私は、もう、こぎ出していた。
— — — * * * — — —
次の日、燿さんは、お店の年末30日の3時までね。あと、お掃除。年明けは5日からにするわ。学生さんもお休みだしね、と言っていた。そして、私にだけ
「30日、お店終わってから、ウチの家に来なさい。5日まで居ればいいわ。どっちみち、独りですることもないんでしょ。その方がいいわよ 安心だし」
「えぇー 店長 私 そんな ご迷惑かけるなんて・・」
「迷惑じゃぁないわ 独りにしておく方が心配で 迷惑よ! お母様も喜ぶんだから 決まりね!」一方的に決められてしまった。
その日、ゲンイチさんは当たり前の顔をして夕方やってきてくれた。私は、少し、バツが悪かったんだけど、くるみちゃんは直ぐに、反応して
「あぁー ゲンイチさん 昨日はありがとうね 楽しかったわー」
「いいえ 自分も 楽しかったです」
「ねぇ ゲンイチさんは お正月 どうすんの?」
「はぁ 地元に帰えろうかと思ってるんす 2年振りなんです」
「そうなんだ 地元って?」
「城崎温泉の先なんです 小さな民宿をやっているんですけどね」
「そーなんだ でも、今は、かに だよね 忙しいんでしょ」
「どうだかなー かに も高くなってしまったからなー」
「でも いいじゃぁない 温泉入って かに 食べてー 最高よー」
「そんなに いいもんじゃぁないですよ・・くるみさんは?」
「ウチは・・高校の時の友達と会ったり・・だらだらしてるかなー」
「香波ちゃんは どうするんですか」
「えっ えー 私は・・ 寝てます あと お料理の勉強もしなければ・・」
「あのさー ゲンイチさん 前から 少し 気になってたんだけど なんで ウチにはさん付けでカナミのことは ちゃんなのー? カナミだって たまに ゲンさんって言うし そんな仲なのー? ウチやって まだ二十歳前やでー ちゃんでええんちやうのー」
「いや 深い意味ないっす 何となく、くるみさんは落ち着いて大人みたいだから・・ その方が言いやすいかなって・・」と、ゲンイチさんは、慌てていたけど、確かに、言い方違うよねって、その時、初めて私もわかった。
この人にしてみれば、私は、まだ、女として見られてないんだなと・・ちゃん なんだ。
そして、30日の午後になって、みんなで、大掃除をした後、私は、燿さんに、こそっと「お母様が家で待ってるから、独りで行ってくれる 着替えは適当で良いわよ 着るものなら なんなりあるから」と、自分は出掛けてしまったのだ。
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