30 / 89
30話 デートという名のデスな戯れ
しおりを挟む
私は今、始まりの街アルファから東へ進んだ『トゥース』の街へやってきていた。
この街といったら、なんといっても街の中心に建造された大型モニュメント……初代市長の『ノードリーノ・キャスガ』像が有名だ。
七三分けの髪型で鬼みたいな顔だが、それは仕事のできる市長だったらしい。
なんでも、この銅像は恋人同士のデートの待ち合わせ場所として指定されるんだとか。
……さて、なぜ私がこのトゥースの街にいるかというと。
「あ! 魔王さーん、おっまたせーッ」
銅像近くに設置されたベンチに腰をかけて待っていると、美女がこちらに手を振りながら駆け寄ってくる。
「大聖女シャンプル・リンスル……お前、私を待たせるとはいい度胸だな」
私はイラっとしながら告げるが、空気の読めないシャンプルは笑顔で近づいてくる。
花柄クルーネックのノースリーブワンピを着て、髪をポニーテールにしていて可愛らしい格好だ。
大聖女の私服というのを私は初めて見るが、こういうコーデは悪くない。
ユーナが着たら世界一可愛いだろうな……と、そんなことを考えたその時。
「ごめんね、魔王さん。待っちゃいましたよね?」
「だからさっき、待たされたと言ったではないか。お前、呼び出しといて一時間以上も予定の時刻に現れんとは……この魔王である私をナメてるのか?」
午前十一時半。待ち合わせの予定を大幅にオーバーしている。
ところで、なぜ私とシャンプルがここにいるのか? ということだが。
先日の魔導水晶板のDMでのやりとりの件からだ。
私がシャンプルからのメッセージを未読からそっ閉じして数時間後。
魔導水晶板にシャンプルからの怪メッセージは嵐のように続いていた。
しかも一分おきという、なかなかのクレイジーっぷり。
そして怪文書の内容のヤンデレ具合もひどい。
『ねぇ、なんでお返事してくれないの』
『既読つかないの、お仕事忙しいから?』
『あんまり無視するなら知らないよ?』
『聖魔法でアンデッド族、天にかえしちゃおっかな』
『早く返事しろこらぁ』
私ノ魔導水晶板にDM通知音がビコビコ鳴り響く。
あまりのしつこさとヤンデレ具合に嫌気が差した私は、シャンプルに会うことにした。もちろん彼女に私をあきらめてもらうためだ。
というか、彼女って神に仕える光の大聖女じゃないのか?
病みすぎてて……というか闇すぎててさすがの私もこわいんだけど。
私は魔法文字をポチり、シャンプルに返事をする。
『シャンプルよ、ならば食事くらいはしてやる。だから少しDMを控えろ』
すると、すぐさまの返信はこうだ。
『ほんと? うれぴっ。て……ねぇ、魔王さん。この間、勇者様と焼き肉デートしたって本当?』
DMでシャンプルが私にそんなことを聞いてきたのだ。
連絡先を交換してから、シャンプルからの一方的なメッセージは頻繁に来ているが、私はそこまで彼女と会話しているわけではないのだが。
『……あぁ、そうだ。それがどうかしたのか』
どこでどうやって私のプライベート情報をシャンプルは仕入れたのだ? ねぇ、マジでちょっと怖いんだけどというか、怖い。
『魔王さん……わたくしともデートして? じゃないと聖魔法でアンデッド族の方々を天に帰しちゃうんだから!』
……ということで、私は今に至る。
この街といったら、なんといっても街の中心に建造された大型モニュメント……初代市長の『ノードリーノ・キャスガ』像が有名だ。
七三分けの髪型で鬼みたいな顔だが、それは仕事のできる市長だったらしい。
なんでも、この銅像は恋人同士のデートの待ち合わせ場所として指定されるんだとか。
……さて、なぜ私がこのトゥースの街にいるかというと。
「あ! 魔王さーん、おっまたせーッ」
銅像近くに設置されたベンチに腰をかけて待っていると、美女がこちらに手を振りながら駆け寄ってくる。
「大聖女シャンプル・リンスル……お前、私を待たせるとはいい度胸だな」
私はイラっとしながら告げるが、空気の読めないシャンプルは笑顔で近づいてくる。
花柄クルーネックのノースリーブワンピを着て、髪をポニーテールにしていて可愛らしい格好だ。
大聖女の私服というのを私は初めて見るが、こういうコーデは悪くない。
ユーナが着たら世界一可愛いだろうな……と、そんなことを考えたその時。
「ごめんね、魔王さん。待っちゃいましたよね?」
「だからさっき、待たされたと言ったではないか。お前、呼び出しといて一時間以上も予定の時刻に現れんとは……この魔王である私をナメてるのか?」
午前十一時半。待ち合わせの予定を大幅にオーバーしている。
ところで、なぜ私とシャンプルがここにいるのか? ということだが。
先日の魔導水晶板のDMでのやりとりの件からだ。
私がシャンプルからのメッセージを未読からそっ閉じして数時間後。
魔導水晶板にシャンプルからの怪メッセージは嵐のように続いていた。
しかも一分おきという、なかなかのクレイジーっぷり。
そして怪文書の内容のヤンデレ具合もひどい。
『ねぇ、なんでお返事してくれないの』
『既読つかないの、お仕事忙しいから?』
『あんまり無視するなら知らないよ?』
『聖魔法でアンデッド族、天にかえしちゃおっかな』
『早く返事しろこらぁ』
私ノ魔導水晶板にDM通知音がビコビコ鳴り響く。
あまりのしつこさとヤンデレ具合に嫌気が差した私は、シャンプルに会うことにした。もちろん彼女に私をあきらめてもらうためだ。
というか、彼女って神に仕える光の大聖女じゃないのか?
病みすぎてて……というか闇すぎててさすがの私もこわいんだけど。
私は魔法文字をポチり、シャンプルに返事をする。
『シャンプルよ、ならば食事くらいはしてやる。だから少しDMを控えろ』
すると、すぐさまの返信はこうだ。
『ほんと? うれぴっ。て……ねぇ、魔王さん。この間、勇者様と焼き肉デートしたって本当?』
DMでシャンプルが私にそんなことを聞いてきたのだ。
連絡先を交換してから、シャンプルからの一方的なメッセージは頻繁に来ているが、私はそこまで彼女と会話しているわけではないのだが。
『……あぁ、そうだ。それがどうかしたのか』
どこでどうやって私のプライベート情報をシャンプルは仕入れたのだ? ねぇ、マジでちょっと怖いんだけどというか、怖い。
『魔王さん……わたくしともデートして? じゃないと聖魔法でアンデッド族の方々を天に帰しちゃうんだから!』
……ということで、私は今に至る。
0
あなたにおすすめの小説
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
モブ転生とはこんなもの
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。
乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。
今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。
いったいどうしたらいいのかしら……。
現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
他サイトでも公開しています。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない
二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。
ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。
当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。
だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。
――君の××××、触らせてもらえないだろうか?
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
好きすぎます!※殿下ではなく、殿下の騎獣が
和島逆
恋愛
「ずっと……お慕い申し上げておりました」
エヴェリーナは伯爵令嬢でありながら、飛空騎士団の騎獣世話係を目指す。たとえ思いが叶わずとも、大好きな相手の側にいるために。
けれど騎士団長であり王弟でもあるジェラルドは、自他ともに認める女嫌い。エヴェリーナの告白を冷たく切り捨てる。
「エヴェリーナ嬢。あいにくだが」
「心よりお慕いしております。大好きなのです。殿下の騎獣──……ライオネル様のことが!」
──エヴェリーナのお目当ては、ジェラルドではなく獅子の騎獣ライオネルだったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる