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48話 聖なる森から帰ってくると
しおりを挟む【伝説の剣をユーナに引き抜かせる大作戦】は、ロリエラとその配下、【SLAT】(特殊ロリコン急襲部隊)の優秀な働きにより、ほぼパー壁に作戦を終了する。
あとはユーナが聖なる森で伝説の剣・エクスカリバーを引き抜くだけとなった。
そんなこんなで、聖なる森から魔王城へと私たちが戻ると、なぜかキノコとシャンプルがまーだ滞在していた。
とっとと帰ってもらいたいんだけど。
なんでまだいるのよおまいら。
……しかし、魔王軍の頂点にして魔王の私が客人をもてなさないのは失礼千万。日も落ちかけてきたし、仕方ない。
私は魔王城で二人を夕食に招待することに。
すると、
「おにゃかすいたニャー! ……って、あれ? 大魔法使いと大聖女まだいたんでちかー?」
あのあと風呂へと直行した四天王のロリエラが魔王軍食堂に顔を出すと、キノコとシャンプルの元へトタトタちょこちょこと駆け寄る。
悩ましいことだが、彼女は基本的に誰にでも人懐っこい。相手は勇者パーティーだというのに警戒心ゼロだ。
食堂のソファに座るシャンプルは、少し不安げな顔をしてロリエラに言葉を返す。
「そうなんですの、ロリエラさん。わたくしたち、【伝説の剣】がどうなったか心配で……」
「しょれはもーだいじょうぶでちよ! すぐにでも、ゆーしゃちゃんは伝説の剣・えくすかりばーをひっこぬけるでち!」
「まぁ……! ありがとうロリエラさん! ありがとうダールン!」
顔をパァ……ッ! と輝かせたシャンプルが感謝の声を出す。
すると、ぴょこん! とロリエラがソファに飛び乗る。シャンプルの膝に頭を乗せてスリスリして「大魔法使いもあんしんしたでちか?」と尋ねると。
「いや、ボクはその…………」
ロリエラを見て、キノコはうつむいて口をつぐんでしまう。
「ロリエラさん、マッシュは猫ちゃんが苦手なんですの」
「うん、実はそーなんだ……って、そんなことどうでもいいんだ。……ねぇ、ヨーケスおにいさん、コレどーゆーことなのか説明して欲しいんだけど」
キノコがとんがり帽子を放り投げて、私に魔導水晶板を突きつける。その画面には、例のアイツの〝ドヤッター〟の画面が開かれていた。
【ノゾッキー・トサッツー@魔王軍四天王! 俺巨根に魔王様が出演するよ!】
と、ふざけたアカウント名に変更してるアイツのドヤ呟きには、例のビエルと私の悪質な悪戯画像が再び載せられていた。
しかもだ。
さらに編集を重ねて加工され、画像はもの凄くクオリティが高い。そして、ついでにタイトル文字まで貼り付けられている。
【『俺のアレが巨根みたい! と言うアイツの股間が気になって夜も眠れない』──人族で大人気のBL恋愛小説、魔王軍バージョンにて舞台化決定! 配役は順次発表、ウケちゃん役は魔王様に決定か!?】
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あんにゃろー、トゥースの街で私とユーナのやりとりを盗み聞きしていやがった……!
私がショックで目まいがするのをなんとか持ちこたえていると、キノコは私にこう言った。
「ヨーケスおにいさん、ボクに相談もなく『俺巨根』の舞台に出るだなんて……」
キノコは泣きそうな顔で私を見る。その顔を見ただけで、ため息が出そうになる。
というか、そもそも私は出演するとは一言も言ってないのだ。
ユーナも誤解していたが、キノコまで……しかも相談ってなんだよ。私がキノコになぜお伺いを立てねばならぬのか、甚だ疑問なんだけど。
反対に、シャンプルは何故か目をキラキラさせて私を見つめ、期待を込めて私に言う。
「ダールン、わたくしは楽しみで仕方ないですわ♪ もうね、ワクワクしてやばたん♡」
「お、お前たち……! そろそろ温厚な私にも我慢の限界というのがあるんだがな……? そんなに私を怒らせたいのか……?」
険しい顔つきになってるであろう私が、怒りにぷるぷる震えてそう言うと、
「お、お待ちください魔王様ァ……!」
元四天王のエツィーが声を荒げ、熱弁する。
「魔王様……このボーイズのラブな作品は、我ら魔王軍の……ひいては魔族の女性たちにも絶大な支持をされてる愛され作品ゴリよ……なんですよ! つまり、舞台出演すれば魔王様の人気はさらに急上昇、魔王軍への支持率アップにもつながるゴリよ!」
身動きがとれず横たわるクリーチャー、エツィー。
こいつはロープでぐるぐるに巻きつけられて、魔王軍食堂の食券売り場の近くに放置されていた。
その理由、このゴリラはごくナチュラルに食堂へメシを食いに来たらしいのだが、
『ちょいとあんた、魔王様を裏切ったんだって!? ったく、あんなに可愛がってもらっておいて……おてんとさまが許してもアタイらは許さないよ! メシが食いたい? ならアタイらのゲンコツを喰らいな!』
と、食堂のおばちゃんたちが全員でこのゴリラをフルボッコにしたらしい。
食堂のおばちゃんに負けるとは、さすが四天王の中でも最弱な奴だ。元だけど。
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