血の繋がりのない極道に囲まれた宝

安達

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日常

「離せだと?何言ってんだお前。さっきから物欲しそうな顔してるくせに嘘ついてんじゃねぇよ。」

「そんな顔してないもん…っ!」

「嘘つけ。」

「嘘じゃない…っ!」

「じゃあなんで勃起してんだよ。」

「…そ、それはっ、」



龍之介に言われたくなかったことを言われてしまい逃げられなくなった庵。まぁただでさえベットの上で庵は龍之介に押し倒されているのだから逃げられるはずもなかっただろうが。



「こ、これはただの生理現象だ…!!」

「生理現象ねぇ。」



庵は恥ずかしさのあまり叫ぶようにそう言ってしまった。そんな庵の頬を撫でながら龍之介は悪い笑みを浮かべた。そして…。



「それなら尚更俺が楽にしてやるよ。」

「や、やだって、てゆうかそんな事するためにわざわざ部屋移動したのかよ…!?」

「おい庵。口の利き方がなってねぇぞ。」



庵は焦るあまり龍之介に対して口調が強めになってしまった。それを見逃さなかった龍之介。そのため龍之介は庵の頬を鷲掴みにしてそう言った。その龍之介の口調を聞いて焦りまくった庵は恐怖混じりにすぐさま龍之介に謝りだした。



「…ごめん、なさい。」

「まぁいい。許してやるよ。」



その龍之介の言葉を聞いてひとまず安心した庵。しかし庵にはそんな暇はなかった。だってこの件を許されたところで龍之介に押し倒されているこの状況は何も変わらないのだから。



「んで?さっきお前なんて言ったっけ?」

「えっと…こんなことするためにここの部屋にわざわざ移動したのって聞いたんだよ。」



今の龍之介に反抗しても何もいいことは無い。それをよく理解している庵は龍之介の問いを無視することなくすぐにそう答えた。



「なんだ。そんなつまらねぇ質問したのか。そんなの当然だろ。」

「…………。」

「なんだその顔は。俺だけだと嫌か?」

「…そうじゃないっ、けど、」

「けど?」

「…俺がここに帰ってきてから4人でいることが多かったから…龍と2人っきりになるの緊張する…っ。」



恥ずかしそうに顔を隠しながら庵がそう言った。その庵の手を龍之介は退け庵の顔が見えるようにベットに手をぬいつけた。



「なら尚更だ。それにあいつらは俺の部下だしな。」

「………?」

「俺がお前を独り占めする権利があるって事だ。俺はあいつらの上司だからな。」



と言った龍之介だが本当は違った。龍之介は独り占めがしたかったんじゃない。悪役を買って出たのだ。きっと庵はセックスってなると恐怖を覚える。だから龍之介は自分一人で庵の記憶を塗り替えようとしているのだ。庵が栗濱にされた嫌な思い出を消し自分にそれを塗り替える。龍之介はそれをしようとしているのだ。



「てことでお前の可愛い姿を見させてもらうぞ。」

「あ、ま、まって…っ!」



龍之介が服を脱がせようとしてきたので庵は思わず龍之介の手を握った。その時龍之介は動きをとめた。それは何故かって?庵の手が震えていたから。



「庵。」



龍之介は庵の恐怖を除いてやるつもりでそう言った。しかし庵の恐怖はそんなことでは無くならなかった。その証拠に庵の顔色が段々と悪くなっていっているのだから。



「庵。俺が怖いか?」

「………ちがっ、ちがぅっ、そ、んなはず、ないのにっ、」



そう言った庵を見て龍之介は服の中から手を抜いた。この状態ではパニックを起こしかねないと思ったから。



「悪い庵。早とちりしてしまったな。もう何もしねぇなら泣くな。」



恐怖のあまり庵は涙を流してしまった。そして歯をガタガタと震わせるほど怯えている。そんな庵を抱き上げて龍之介は優しく庵を抱きしめた。



「庵。大丈夫だ。ごめんな。怯えせちまった。」

「ちがっ………、ぅ、ごめっ、りゅうごめんっ、ちがうっ、のにっ、」



庵もそんなはずじゃなかったんだろう。龍之介なら大丈夫。きっと庵はそう思ってきた。だが違った。あの恐怖がどうしても頭にチラついてしまう。龍之介だと分かっているのに怖いと思ってしまう。そう思いたくないのに。そのため庵は訳が分からなくなってしまい申し訳なさと恐怖が入り交じりそう言ったのだろう。そんな庵に当然龍之介は…。



「謝らなくていい。お前は何も悪くない。」

「うぅ…っ、りゅっ、ぅ。」



龍之介はこの時思った。庵が泣いてくれたこの時を逃してはいけない…と。庵はなかなか自分の感情を表に出さない。特に悲しかったことや嫌だったこと…つまりネガティブなことは言わないのだ。だから龍之介はこの機会を逃さず庵の恐怖を出来るだけ除こうと庵のことを抱きしめ続けた。



「俺はここにいる。ずっとお前のそばにいるからな。」



と、龍之介がいい庵の頭を撫でた瞬間…庵はまるで糸が切れたように涙を流し始めた。



「………こわ゛っ、か゛っ、たっ、ぅ、こわかったよ゛っ、」



悪夢から目が覚めた時以外は平常を装っていた庵。だが本当はここまで追い詰められていたのだ。みんなを心配させたくない。だから平気なフリをしていた。しかしそれが爆発してしまったのだ。そんな庵を龍之介は優しく抱きしめ続けた。



「怖かったよな。ごめんな庵。」

「うぅ…っ、ぅ、もぅあれはいやた゛っ…、いたいのもっ、くるしい、のもっ…ぅっ、ぜんぶっ、いや…っ、」

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