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すれ違い
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「………ん……ん………。」
「誠也?起きたか?」
あれ…?俺いつの間に…寝ちゃったんだろ。覚えてすらない。記憶が無くなるぐらい抱かれた。気づいた時には朝日が昇っていてそれでも慎都さんは俺を抱き続けた。俺が泣いても喚いてもお構い無しだったんだ。なのに…今俺の目の前にいるのは…。
「…ゆう…さん…。」
「おう。おはよう。」
なんで慎都さんはいないんだ。やるだけやってどっか行っちゃたのか?俺に失望したのかよ…。だったら言えよ…。どっか行くなよ…。
「游さん…。」
「んー?」
「…慎都さんは?」
「あーそれはあとでいいじゃん。起きれそうだったらなんか食べな。」
はぐらかされた…。しかもすごく分かりやすく…。俺は…捨てられたのか…?
「な、なんで…?」
「あ?」
「…慎都さんのとこ行く。」
「誠也!駄目だ。」
「どうして…?」
「そう言われてもなぁ。」
言えないってことはやっぱり慎都さんは俺に失望して飽きたんだ。俺を捨てるつもり…なのか?烏滸がましいってわかってる。けどこのままで慎都さんと終わりたくない。捨てられるにしてもちゃんと…話したい。
「おい誠也!動くなよ!」
「だって…慎都さんとこに…」
「いい加減にしろ!そんな体で動くなよ!とにかく今日は俺が全部してやるから。」
なんでだよ…。昨日あんだけ愛してるって…愛してるから離さねぇって言ってたのに…っ。いい逃げかよ…っ!!
「…いらない!」
「誠也!」
游さんが本気で俺を叱り付けた。しかも俺の上に馬乗りになってきやがった。俺をそこまでして阻止したいのかよ…。慎都さんもなんで游さんに任せるんだよ…っ。どこいったんだよ…っ。
「いい加減にしろ。」
「游さんこそ退いてよ…っ!」
「退かねぇよ。頭にお前を頼まれたから。」
「なんで…っ、慎都さんはどこ行ったんだよ…っ。」
「は?お前なんで泣いてんの?ちょ…とりあえずこっち来い。抱き締めるから!」
俺もなんで泣いてんのか知らねぇよ!勝手に涙出てくんだよ!慎都さんがちょっとどっか行っただけでこんなに不安になるなんて俺は知らなかった。もうなんだよ!なんで泣いてんだよ!訳が分からなくなった俺を游さんはただただ抱きしめてくれた。
「…っ、しんとさん、に捨てられた…っ、」
「はぁ?馬鹿かお前。変な夢でも見た?」
「…見てない。游さんのっ、ばかっ、」
「なんだお前。どうしたよ。」
「きのう…っ、けんか、した…っ、」
「あーそれは頭からなんとなく聞いたけど泣く程じゃなくね?そりゃずっと一緒にいたら喧嘩ぐらいするだろ。」
…え?なんだその反応。游さんは慎都さんから話を聞いたならもっと焦ってもいいはず…。てことは…慎都さんは俺を捨てたんじゃないってことか…?
「…で、でも…どっか行ったっ、慎都さんが…っ、」
「それは仕事だ。」
「…え?」
「頭も嫌々行ってたんだぞ。お前と話をしなきゃいけねぇからって。でも仕事だから銀時と星秀が無理矢理頭を仕事に連れてったの。で、俺がお前のこと見てんの。頭に昨日無理させたから誠也を頼むって。あの頭が俺に頼み込んできたんだぜ。だからお前が捨てられるなんてことは無い。そもそもなんでそんな思考になるんだよ。」
そんなの知らなかった…。だってそうじゃん。ついさっきまで俺は酷く抱かれて泣かされて…逃がしてくれなかった。あんなにイったことは人生でないってぐらいイカされた。そんなことされた後だから俺は…俺はさ…捨てられたって思うじゃんか…っ。
「…游さん。慎都さんは…いつ…帰ってくるの?」
「知らねぇ。」
「…なら聞いてよ!」
「嫌だ。」
「なんでだよ…!」
明らかに游さんは拗ねてる…。なんだよもう…。今俺にとっては緊急事態だってのに…っ!!
「頭は仕事で忙しいからだ。お前が飯食うなら教えてやってもいいけど。」
「わかった。食べるから教えて。」
「食べたら教える。完食するまでは教えない。」
「う…っ。わ、分かった。けどその前に風呂入る。」
「は?また入るの?」
「…え?」
あれだけした後だから風呂に入らないと体が汚れてる。不思議と体がベタついたりはしてないけど…。
「頭がお前の事風呂に入れてたぞ。だから入らなくてもいいだろ。」
「…そう…なの?」
「そりゃそうだろ。頭はいつもそうしてくれてんじゃねぇか。気絶したってそれは変わんねぇぞ。頭はお前を愛してんだから。」
あんなに喧嘩しても俺を風呂に入れてくれて…優しくしてくれてんじゃんか。抱いてる時はあんなに酷かったのに。何だこの気持ち…。慎都さんに会いたい。すごく…会いたい…。
「……游さん、俺やっぱ慎都さんのとこ行きたい。」
「駄目だ。」
「…けち。」
「ケチじゃねぇし。あ、やっぱ頭がいつ帰るか言うのやめようかな。」
「なっ…やだ!」
「なら謝れ!俺は今にもお前を襲いそうなのに我慢してんだ!キスしてぇのに我慢してんだ!」
って言いながら俺の事を游さんはものすごい力で抱きしめてきた。ちょっと苦しかったけどいつもの事だから俺も慣れちまって抵抗はしない。つーか抵抗する気力がない。自分で歩けそうにもねぇぐらい腰も痛いしな…。
「な、なんだよそれ…。」
「俺の誠也への気持ちだわ。んーけどまぁいいや。とりあえず飯、な?」
「分かった。」
「いい子いい子。せっかくだから口移しで食べさせてやるよ。」
「自分で食べるからいい…っ!!」
「遠慮すんなよ。」
「してねぇしっ、いいから飯食わせろ!」
「誠也?起きたか?」
あれ…?俺いつの間に…寝ちゃったんだろ。覚えてすらない。記憶が無くなるぐらい抱かれた。気づいた時には朝日が昇っていてそれでも慎都さんは俺を抱き続けた。俺が泣いても喚いてもお構い無しだったんだ。なのに…今俺の目の前にいるのは…。
「…ゆう…さん…。」
「おう。おはよう。」
なんで慎都さんはいないんだ。やるだけやってどっか行っちゃたのか?俺に失望したのかよ…。だったら言えよ…。どっか行くなよ…。
「游さん…。」
「んー?」
「…慎都さんは?」
「あーそれはあとでいいじゃん。起きれそうだったらなんか食べな。」
はぐらかされた…。しかもすごく分かりやすく…。俺は…捨てられたのか…?
「な、なんで…?」
「あ?」
「…慎都さんのとこ行く。」
「誠也!駄目だ。」
「どうして…?」
「そう言われてもなぁ。」
言えないってことはやっぱり慎都さんは俺に失望して飽きたんだ。俺を捨てるつもり…なのか?烏滸がましいってわかってる。けどこのままで慎都さんと終わりたくない。捨てられるにしてもちゃんと…話したい。
「おい誠也!動くなよ!」
「だって…慎都さんとこに…」
「いい加減にしろ!そんな体で動くなよ!とにかく今日は俺が全部してやるから。」
なんでだよ…。昨日あんだけ愛してるって…愛してるから離さねぇって言ってたのに…っ。いい逃げかよ…っ!!
「…いらない!」
「誠也!」
游さんが本気で俺を叱り付けた。しかも俺の上に馬乗りになってきやがった。俺をそこまでして阻止したいのかよ…。慎都さんもなんで游さんに任せるんだよ…っ。どこいったんだよ…っ。
「いい加減にしろ。」
「游さんこそ退いてよ…っ!」
「退かねぇよ。頭にお前を頼まれたから。」
「なんで…っ、慎都さんはどこ行ったんだよ…っ。」
「は?お前なんで泣いてんの?ちょ…とりあえずこっち来い。抱き締めるから!」
俺もなんで泣いてんのか知らねぇよ!勝手に涙出てくんだよ!慎都さんがちょっとどっか行っただけでこんなに不安になるなんて俺は知らなかった。もうなんだよ!なんで泣いてんだよ!訳が分からなくなった俺を游さんはただただ抱きしめてくれた。
「…っ、しんとさん、に捨てられた…っ、」
「はぁ?馬鹿かお前。変な夢でも見た?」
「…見てない。游さんのっ、ばかっ、」
「なんだお前。どうしたよ。」
「きのう…っ、けんか、した…っ、」
「あーそれは頭からなんとなく聞いたけど泣く程じゃなくね?そりゃずっと一緒にいたら喧嘩ぐらいするだろ。」
…え?なんだその反応。游さんは慎都さんから話を聞いたならもっと焦ってもいいはず…。てことは…慎都さんは俺を捨てたんじゃないってことか…?
「…で、でも…どっか行ったっ、慎都さんが…っ、」
「それは仕事だ。」
「…え?」
「頭も嫌々行ってたんだぞ。お前と話をしなきゃいけねぇからって。でも仕事だから銀時と星秀が無理矢理頭を仕事に連れてったの。で、俺がお前のこと見てんの。頭に昨日無理させたから誠也を頼むって。あの頭が俺に頼み込んできたんだぜ。だからお前が捨てられるなんてことは無い。そもそもなんでそんな思考になるんだよ。」
そんなの知らなかった…。だってそうじゃん。ついさっきまで俺は酷く抱かれて泣かされて…逃がしてくれなかった。あんなにイったことは人生でないってぐらいイカされた。そんなことされた後だから俺は…俺はさ…捨てられたって思うじゃんか…っ。
「…游さん。慎都さんは…いつ…帰ってくるの?」
「知らねぇ。」
「…なら聞いてよ!」
「嫌だ。」
「なんでだよ…!」
明らかに游さんは拗ねてる…。なんだよもう…。今俺にとっては緊急事態だってのに…っ!!
「頭は仕事で忙しいからだ。お前が飯食うなら教えてやってもいいけど。」
「わかった。食べるから教えて。」
「食べたら教える。完食するまでは教えない。」
「う…っ。わ、分かった。けどその前に風呂入る。」
「は?また入るの?」
「…え?」
あれだけした後だから風呂に入らないと体が汚れてる。不思議と体がベタついたりはしてないけど…。
「頭がお前の事風呂に入れてたぞ。だから入らなくてもいいだろ。」
「…そう…なの?」
「そりゃそうだろ。頭はいつもそうしてくれてんじゃねぇか。気絶したってそれは変わんねぇぞ。頭はお前を愛してんだから。」
あんなに喧嘩しても俺を風呂に入れてくれて…優しくしてくれてんじゃんか。抱いてる時はあんなに酷かったのに。何だこの気持ち…。慎都さんに会いたい。すごく…会いたい…。
「……游さん、俺やっぱ慎都さんのとこ行きたい。」
「駄目だ。」
「…けち。」
「ケチじゃねぇし。あ、やっぱ頭がいつ帰るか言うのやめようかな。」
「なっ…やだ!」
「なら謝れ!俺は今にもお前を襲いそうなのに我慢してんだ!キスしてぇのに我慢してんだ!」
って言いながら俺の事を游さんはものすごい力で抱きしめてきた。ちょっと苦しかったけどいつもの事だから俺も慣れちまって抵抗はしない。つーか抵抗する気力がない。自分で歩けそうにもねぇぐらい腰も痛いしな…。
「な、なんだよそれ…。」
「俺の誠也への気持ちだわ。んーけどまぁいいや。とりあえず飯、な?」
「分かった。」
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