極道の密にされる健気少年

安達

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冷血な極道

新たな出会い *

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「や゛た゛っ、ぁ!」

「おい暴れんじゃねぇよ。危ねぇだろうが。」


暴れないなんて無理に決まっている。暴れるなと言うならこれ以上のことをしないで欲しい。解放して欲しい。駿里はただただ寛也が来るのを待ち続けていた。だが現実はそう簡単に思った通りには進まない。そしてついに真寛の手にあるブジーが駿里の亀頭に当たった。しかし駿里も諦めなかった。こいつらの思い通りになんてさせてやるか。どんなことをされても絶対に言うことなんて聞いてやるか、という強い意志を持ち続けて抵抗を続けた。どれだけ無駄であると分かっていても最低限の反発はしたかったのだ。



「おい、巽。手空いてんなら抑えてろ。暴れると危ねぇからな。」

「おうよ。」



ダメだ。もう入れられてしまう。駿里は最後の力を振り絞って全力で暴れた。だが相手は駿里よりも遥かに力の強い2人。簡単に抑えられてしまった。その大人しくなった駿里を満足そうに真寛は見てブジーを挿れ用としたその時ーーー。



バァン!!!



薄暗い倉庫に衝撃音が響き渡った。どうやら誰かがこの倉庫の中に入ってきたようだ。だが誰かを見分けようにも光が刺していて顔が見れない。唯一分かるのは複数人いるという事実だけ。それしか分からず敵がどんな相手かも分からないため巽は入ってきた彼らのことを睨みつけ怒鳴り上げた。



「誰やぁゴラァ!!」



いい所で邪魔された巽はかなりのご立腹の様子だ。真寛も声には出さなかったもののかなり怒りに満ちている。入ってきた人物が後に自分たちに最悪な結果をもたらすとも知りもせずに…。



「誰だって言ってんだボケが!名前ぐらい名乗れやぁ!」



この中に侵入してきた人物たちは巽らが叫んでいることなど気にもとめずに歩いてくる。何も言葉を発することなくコン、コン、とコンクリートの音のみを出して真寛達のそばまで歩いてきた。それが気に食わなかったのだろう。巽は再びそう叫んだ。だがその巽の威勢は侵入してきた彼らの顔を認知すると一瞬にしてなくなってしまった。



「楽しそうやなぁお前ら。仕事せんとになにしてんねん。」

「…わ、わか!」




2人は入ってきた人物を見るやいなや慌てふためいた。それもそのはず彼は巽たちの頭であるのだから。調子に乗ってヤクザに入った2人は組に入ってからも問題行動が絶えなかった。そして今日も頼まれた仕事をせずに駿里を誘拐していたのだ。その事を知った若がここまで来たという訳だ。ヤクザをなめていた2人は顔を真っ青に染める。なぜなら若の手には拳銃があったから。



「お前、若に連絡したんじゃねぇのかよ!どういうことだ!なんでここに若がいんだよ!」

「連絡…?ああ、もしかしてあれのことか?用事が出来たので仕事に遅れますなんてガキが考えるような文送られて信じるわけあらへんよな。これまではお前らの悪態に目をつぶってきたがもう我慢ならん。死んでもらうで。」

「ち、違います!若!こ、これは、わけがあって…っ、」



今更何を言っても変わりはない。そんなことは巽らも分かっていた。だがそれでも言い訳をする口を止めることが出来なかった。そんな慌てふためく真寛らをみて侵入してきた男達はもう喋るなと言わんばかりに殴った。そしてそれが一段落着くと若と呼ばれていた人物が口を開いた。




「ほぅ、その訳とやらは事務所で聞かせてもらおうか。お前ら、連れてけ。」

「「はい。」」



若と呼ばれていた男がそういうと後ろにいた3人の男たちによって巽と真寛は連れていかれてしまった。その一部始終を見ていた駿里は隙を見て逃げようとしたがーーー。




「こいつ、どうしますか?」



別の男によってそれが出来なかった。足を乱暴に捕まれ駿里は動けなくなる。元々拘束されていて逃げれる状況ではなかったがより逃げられなくなってしまった。



「処分しと……ん?お前、旭川んとこの玩具やないか。ここで出会えるとは俺はやっぱり運がええんやな。お前名前はなんて言うん。」




次から次に不運が舞い降りてくる。寛也のことを知っていてこの男は若と呼ばれていた。そこまで来ればこれまで極道たちに囲まれて暮らしてきた駿里がきづかないはずかなかった。彼らも寛也たち同様に極道であるということを。それならば尚更名前なんて言う訳がない。ここで言ってしまえば寛也に迷惑をかけてしまう。




「…いう、わけないだろ。」

「へぇ、こんな顔して気が強いやんけ。面白いなぁ。」




若と呼ばれていた男はそう言いながら駿里の拘束を解いた。そして拘束を解き終わると駿里を抱きかかえた。その様子をずっと見ていた部下らしい人物が若の元に近づいてきた。




「若、こいつどうしますか?利用しますか?」

「いやこいつは一旦持ち帰る。」

「…はい?」

「だから持ち帰るって言ってんねん。」



2回も同じことを言わせんなやという視線を部下に向けると再び若は駿里に視線を戻した。その様子を見て部下はため息をつく。




「はぁ…持ち帰ってどうするのですか。」

「気に入ったんやこいつのこと。だからしばらく飼う。」

「頼みますよ若。これ以上面倒事を増やさないで下さい。」




あの旭川組、しかも組長の玩具となれば大変な事態になる。このまま返した方が自分たちにとっても安全だ。だが、そうはいきそうにないこの状況に部下は呆れ顔をしてそう言った。



「ええから言うこと聞け。お前は俺の言うことを聞いときゃええんや。」



1度決めたことは曲げないのであろう。部下は諦めた様子で頷いた。



「分かりましたよ。でもこの事はくれぐれも内密にお願いしますね。」

「言われんても分かっとるわい。ええからさっさと動かんかい。」



そう言って若は駿里を抱いたまま歩いていこうとした。このままでは連れていかれてしまう。さすがにまずいと感じた駿里はようやくここで声を発した。



「…あ、あのっ、」

「ん?なんや?聞きたいことでもあるんか?」

「…はなして、くださいっ、」

「それは無理やなぁ。お前さんは今から俺の家に帰るんやから。」

「おれは、帰らない…っ!」

「あのなぁ、これは決定事項なんや。俺はお前のことが気に入ったから連れ帰る。お前は大人しく俺に連れて帰られるしかないねん。」

「勝手なこと言うな…っ、おれは、かえるっ、」

「今なんて言うた?」



先程までの声のトーンとは違った。怖い。まるで別人だ。あまりにも怖くて駿里は縮こまってしまう。



「こんだけ言うても分からんようなら仕方ないわ。俺もあんまり乱暴とかしたくないねんけどしょうがないよな。」



そう言って若は駿里には見えないように首の後ろを殴ろうとした。だが駿里はその一瞬を見逃さなかった。当たりはしたのもも急所は外れ、気を失う事を避けられた。それを見て若は感心したように笑った。



「へぇ、やるやん。」

「そう簡単に連れて行かれると思うなよ…。」



こんな危機的状況になってもこんな姿勢が続くなんて…と若はますます駿里に惹かれていった。だから駿里は油断してしまった。こいつなら逃げられるかもしれない、と。一瞬だが隙がある。その隙を狙えば行けるかもしれない、と。だが極道の若に任命された男がそう単純な訳がなかった。




「賢いお前にもう1つ教えてやる。さっきからこうやって時間稼ぎして旭川のやつを待っとるんやろうけど無駄やで。」

「…え?」

「あいつらはしばらくここに来うへん。なんでか知りたいか?あいつらは馬鹿やからや。」

「ど、ういうこ…っ、!」



意味がわからず駿里が若に訪ねようとしたが首の後ろを殴られ気を失ってしまった。その駿里をみて若は満足そうに笑っていたが部下はそうでも無さそうだ。



「お前そんな顔すんなや。せっかく顔整っとるのにもったいないわぁ。せやから女出来んのやで。」

「どの顔が言ってるんですか。余計なお世話ですよ。ていうか誰のせいだと思ってるんですか。」



若もここにいる部下もかなりの美形だった。だがこの場にいる誰よりも若は1番の顔立ちだった。だから部下はそういったのだ。それに1番気に食わないのは…。



「組長にはなんというのですか…。」

「何も言わへんよ。あのおっさん頭硬いからなぁ。つか、お前がいつも通りにやってくれたらええやん。」

「分かりましたよ。なんとかします。」



そう言って先にさぞ楽しそうに歩き始めた若の後を部下の男は追っていった。
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