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35.もういないよな!?
しおりを挟むどうやらヴァトズフィウズ様は、警備隊の隊長を使い魔に尾行させていたらしい。それのおかげで隊長の居場所はすぐに分かった。
だけど、警備隊に使い魔をつけるなんて……いいのか?
使い魔が見ている警備隊の映像をヴァトズフィウズ様が見せてくれた時、僕は真っ青になったくらいだ。
こんなのバレたら、下手をすれば警備隊を害そうとしているのではないかと疑われるかもしれない。最悪死罪なんてこともあるかもしれない。
だけど、そんなことを心配しているのは僕だけで、ヴァトズフィウズ様は得意げだし、ルイトシオレトさんも驚いて感心しているみたい。
警備隊の居場所が分かったので、魔法で彼らを追って飛ぶと、町の裏通りに立っていた隊長とその部下らしき人たちを、すぐに見つけることができた。
少し離れた物陰から彼らの話を聞いていたら、どうやら彼らのうち、何人かはこれから森の中の魔物が多いあたりに向かうらしい。
それならその隊のあとをつければ彼らが魔物が多いと話しているあたりにたどり着けそうだけど……バレたら僕ら、今度は投獄でもされるんじゃ……
ビクビクしている僕。
そのそばでヴァトズフィウズ様は楽しそうだし、ルイトシオレトさんまでなんだかワクワクしているみたい。
「これで、魔物の位置は分かったな……あのムカつく警備隊共、全然気づいてないし…………お前らっ……! やるじゃないか!!」
彼は僕に楽しそうにそう言うけど、僕は警備隊に見つかってしまわないか気が気じゃない。
ば、バレてないよな……これからの魔物退治の話をしているみたいだし、こっちの方に振り向いたりしないよな!?
もう逃げた方がいいんじゃ……
恐々隣のヴァトズフィウズ様を見上げると、彼は朗らかに笑う。
「もしもの時のために使い魔をつけておいてよかった……常に用意はしておかないとな!」
「……こんな用意しないでください……」
そんな爽やかで優しい顔で笑っても、僕は騙されないぞ。
用意って、普段からこんなことしてるのか?
そういえば……ヴァトズフィウズ様、初めて会った時もいつのまにか僕の部屋まで来ていたし、尾行と監視もしていたな…………
普段から人を尾行したりしてるのか? ぼ、僕にはもうついてないよな!? 使い魔!!
キョロキョロして周りに使い魔がいないか確認する。
僕がそんなことをしている間にも、二人はやけにはしゃいでるから、僕は見つからないかとハラハラする!
警備隊は、町の各地を巡回する隊と森へ向かう隊とに別れるようで、役割分担の話をしていた。
話に夢中みたいだから、離れた建物の陰に隠れた僕らにすぐに気づいたりはしないだろうけど……それでももう少し静かにした方がいいと思う……こんなところで捕縛されたら、地下牢に連れていかれちゃうかもしれないんだぞ!
って状況なのに、二人とも楽しそうだな! なんでそんなに楽しそうにずっと話してるんだ!
「あ、あのっ……! 二人とも!! 少し静かにっ……!! バレたら僕ら、何をされるかわかりませんよ!!」
「大丈夫だ。気配を消す魔法をかけてある」
「…………」
ヴァトズフィウズ様のいつのまにか横にいる魔法の威力は、僕だってよく分かっている。あれなら確かにバレないかも……
やっぱりいつもこんなことしてるんじゃ……しかも、すごく得意げに言うし……
ますます不安になってきた。
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