嫌われた王と愛された側室が逃げ出してから

迷路を跳ぶ狐

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chap6.届かない城

104.見つかった捜し物

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 朝焼けの頃の城下町。

 その市場の近くにある酒場の一室で、シグダードは目を覚ました。

 そこは、眠りに入る前と変わらない、狭いベッドと小さなテーブルだけがある、古びた部屋だった。街に出た時に、喧嘩をして倒れ、ジャックに担ぎ込まれた部屋だ。

 フィズと通信するための魔法がかかった水を、おそらく奴隷だと思われる男に奪われたままだが、見つかったのだろうか。

 チュスラスから受けた雷の魔法の影響がまだ体に残っていて、リーイックには安静にと言われていたのに外出し、さらには喧嘩をしたのがまずかったらしい、熱を出して動けなくなったシグダードを、ジャックは知り合いであるリブの酒場に運び、さらには医術士を呼んでくれた。薬を飲むと、これまでの疲れが一気に襲ってきて、それからは、ずっと寝ていたようだ。
 水を盗んだ男を追って、シュラの屋敷を飛び出した時には、日が昇った後だったのに、今また、朝焼けが見える。丸一日、寝ていたのだろう。

 窓の外には朝焼けの中のグラス城が見える。その上空に、大きなカラスのようなものが飛んでいた。

 ベッドのわきの椅子には、どこかで見た男が腰掛けている。

 シグダードは起き上がり、彼に問いかけた。

「……誰だ?」
「……呆れた奴だな。タダ酒飲んだ店の主のツラも忘れたのか」

 男はため息をついていた。ただ酒、と言われて、シグダードは、フィズと酒場で酒を飲んだ時のことを思い出す。この男は、あの時の酒場の店主だ。

「……リブか……?」
「ああ」
「タダ酒じゃない。あの場はジャックが払っただろう」
「あいつはいつもツケだ。払ったことがない」
「ジャックはどうした?」
「待ってな」

 彼はドアの向こうへ出て行き、一人の男を連れてきた。ジャックかと思ったが違う。
 怯えたような視線に、今にも折れてしまいそうな痩せた体、その男を見た瞬間、シグダードは頭に血が上った。

「貴様!」

 男の胸ぐらを掴んで立ち上がる。その男は、フィズと会話するための大切な水を奪った男だ。

 怒りに任せて拳を振り上げるが、リブに止められてしまう。

「落ち着け。こいつ、お前を探していたらしいぞ」
「私を?」
「主人に水持っていったら、いらねえって言われて、その後お前の部屋に戻ったが、お前は出かけた後だったらしい」

 ふざけた言い訳に、ますます頭に血がのぼる。シグダードは、リブに片手を掴まれたまま、男の襟元を掴む手に力を込めた。

「私は貴様を探して市場に出ていたんだ! 貴様……どこにいっていた!?」

 怒鳴るシグダードの前で、男は怯えて震えるばかりだ。代わりにリブがシグダードを宥め始めた。

「落ち着け。こいつは屋敷から出てねえって言ってるぞ。お前が勘違いして屋敷を飛び出しただけだ」
「なんだと……?」

 怒りの拭えない目で男を睨み付けると、彼は震える声で、ボソボソと弁解を始める。

「ほ、本当です……ぼ、僕……ご主人様に水を持って行ったけど……い、いらないって言われて……あ、あなたのところへ戻ったけど……い、いなくて……」

 完全に怯えきったその男は、嘘をついているようには見えない。とすると、あの執事の「その男は出かけた」という言葉が嘘だったことになる。

「あの執事……」
「お前が市場に出たって聞いて、こいつ、ずっと市場でお前を探していたらしいぞ。なんだか知らんが許してやれ。水は見つかったんだ」

 リブに宥められても、シグダードの怒りはますます増すばかりだ。

「ふざけるな! 私がどれだけ探したと思っている!」

 シグダードにしてみれば、見つかればいいという話ではない。もう少しでフィズと会話する手段を失うところだった。
 不用意に持ち出したりして、なくすかこぼすかしていたら、取り返しがつかなくなるところだった。
 このままでは気が済まない。

 しかし、男はリブの後ろに隠れてしまう。リブも彼を庇い、シグダードを静かにたしなめた。

「深夜までいろんなつてを使って、こいつを探したのはジャックだ。お前は寝てただけだろ」
「そいつがふざけた真似をしたせいで、私は散々な目にあったんだ! そこに跪け! 殴り殺してやる!」

 すると男は震え上がり、その場に平伏した。男はどうやら本当に奴隷らい。しかし、そんなもので許せるはずもない。

「も、申し訳ございません!! どうかお慈悲を!!」
「慈悲などくれてやる価値が貴様にあるか!」

 なおも男に殴りかかろうとするが、リブに抑え込まれてしまう。酒場の店主にしては、彼は力が強く、振り払えない。

「やめな。それはお前も同じだ。散々な目にあったのは、お前がガランにケンカを売るからだ。殴りかかったら相手がやり返すのは当然だ。自分で喧嘩売って負けて倒れただけだろう。全部お前自身のせいだ。散々迷惑かけられたジャックは、お前の薬代全額支払って朝まで水を探したんだぞ。他人を糾弾する前に、お前はあいつに言うことがあるだろう」
「……」

 そう言われると、怒りは収まらずとも、言い返せない。

 ジャックに水を探してくれと頼んだのは早朝の頃だったのに、今はもう次の朝日が昇っている。体も、ジャックが渡してくれた薬のおかげか、すっかり楽になっていた。

 リブは、シグダードに、探していたコップに入った水を渡してくれた。

「探してた水はそれか?」
「これだ……」
「良かったな。これはジャックからだ」

 リブが渡してくれたのは、フィズに渡したものと似たような、小さな瓶だった。

「水、いれておけよ。どれだけ大事なものか知らんが、そんな風にしておいたら、またなくすぞ。水なんか、こぼすか飲まれるかしたら、もう二度と見つからねえ。つーか、普通は主人にいらねーって言われた時点で、そんなもん捨てちまう。こいつはずっと大事に水持ってお前を探していたんだ。許してやれ」

 とても許せるとは思えないが、水が戻ってきて、なにより安心した。リブの言うことは事実で、これを探してくれたジャックには、お礼を言わなくてはならない。

「……ジャックはどこだ?」
「下だ。歩けるならついてきな……ほら」

 リブは、なぜか包帯をシグダードに差し出した。

「適当に巻いておけ」
「なぜだ? 手当てはされている。必要ない」
「顔を隠したいんじゃないのか?」

 リブに言われてハッとしたシグダードは、急いでそれを受け取る。
 彼はシグダードに一度だけ振り向いて、男を連れて無言で部屋を出て行った。







 シグダードが階段を降りると、階下の酒場では、ジャックが一人、カウンターでコップを傾けていた。深夜も過ぎ、朝日が昇る時間なだけあって、他に客はいない。

 ジャックは足音で気づいたのか、こちらに振り返った。

「よお。シグ。起きたのか? ……おい!! その顔どうした!?」

 彼は、シグダードが適当に包帯を巻いた顔に驚いたようだ。
 それには答えずに、シグダードは彼に近づいた。

 返事をしないせいで、勘違いさせてしまったのか、ジャックは気分を害したように顔を歪める。

「おい、お前、聞かれたことにくらい答えろよ。それとも、まだなんか文句あんのか?」
「ジャック……」
「あ? てめえ、起きたらすぐに喧嘩売るか? まず最初に言うことが」
「ありがとう」

 シグダードは、彼の前で頭を下げた。
 そうされたジャックは目を丸くする。

「……………………は?」
「助かった……本当に……」
「し、シグ?」
「これが見つからなかったら大変なことになっていた……ありがとう……ジャック……」
「シグ……お前……だ、大丈夫か? 熱で頭がおかしくなったか? お前と話しててムカつかなかったの、初めてだぞ……」
「……」

 さすがにそこまで言われると腹がたつ。シグダードが顔を上げると、ジャックは軽く手を振った。

「いや、冗談だよ。ちょっと驚いただけだ。足とか熱はもういいのか? だいたいその顔どうした? また喧嘩売って殴られたのか?」
「顔は……たいしたことない。熱も足も……楽になった……」
「……本当に大丈夫か?」

 シグダードの素直な礼が、ジャックには相当意外だったらしく、まだ彼は怪しいものを見るかのような目をしていた。
 無礼な男だと思った。感謝を感じれば、礼くらい言う。

 シグダードは、先ほどリブに渡された瓶をジャックに差し出した。

「返す」
「気にいらねーのか?」
「……そうじゃない。金を持っていない」
「お前、初めて俺に会ったとき、タダでよこせとか言ってただろーが」
「……」

 それを言われると、何も言い返せない。
 シグダードがあの時の行動を恥じていると、ジャックは、シグダードから体を遠ざけた。

「おい、医術士呼べ。こいつ、やべーぞ」
「なぜそうなるんだ?」
「気持ちわりーよ! 人格変わってるぞ! ちゃんと治してもらえ!」
「……私は正常だ。世話になった礼を言って、代金が払えないから商品は受け取れないと言っているだけだろう」
「いや、まあ、そうなんだが……普通の人間ならそれが正常なんだが……お前が言うと気持ち悪い……鳥肌たってきた……」
「なんだと! 貴様!!」

 あまりの言いように腹が立ち、シグダードはジャックに掴みかかる。
 それを振り払うジャックも声を荒らげた。

「普段のお前がクズすぎんのが悪いんだろ!!」
「黙れ!」

 また殴り合いになりそうだったが、すぐにリブが間に入る。

「やめな。その体で喧嘩すんな」

 彼にそう言われると、シグダードも、なぜかもう続ける気にはなれず、カウンターの椅子に腰掛けた。
 ジャックも、戦意など最初からないらしく、すぐにカウンターの向こうに向き直る。

 リブはシグダードに、串焼きののった皿を出してくれた。

「食え。なんか食わねえと治らねえぞ」
「金は払えないぞ」
「それは余り物だ。タダでやる」

 シグダードがそれに手を伸ばすと、黒い毛玉のようなものが皿に近づいてきた。

「おい、なんだ、これは?」
「触るな!!」

 リブは叫ぶように言って、それを革袋に取り、コンロの火に放り投げる。するとそれは、大きな火を弾けさせて燃えた。

「触ると火傷するぞ……死肉に集る生きた種だ。肉を燃やして灰の上に根をはる。触るな」
「そんなものを食事を出すところに入れるな……」

 シグダードは呻くが、リブには「そんなものも知らないのか」と言われてしまう。

 こんなことは日常茶飯事らしく、ジャックはまるで気にしていないようで、リブに朝食を注文し始めた。

「リブ、俺も! あ、ビールもな!」

 注文が終わると、彼はシグダードには目を向けず、瓶だけを差し出す。

「瓶はやるよ。代金はいらねえ。また水を探せなんて言われたらたまんねえからな」
「ジャック……ありがとう……」
「…………お前本当に大丈夫か? シグに見せかけた他人だったりしねーよな? つーか俺、お前の顔、一回もまともに見たことねえんだけど……なんでいつも顔隠してんだ?」
「……」

 答えられないでいると、カウンターの向こうのリブが、静かに言った。

「詮索は野暮だぞ。ジャック。他人には他人の事情があるもんだ」

 シグダードに助け舟を出したリブは、空の皿と空のコップをジャックの前に並べる。

 リブの奇妙な行動に、ジャックは首をかしげた。

「リブ、俺の皿とコップは、なんで空なんだ?」
「それを見て食った気になれ」
「は? なんだそれ! メシは!? ビールは!? 俺、一応客だぞ!!」
「ツケを払わないのならお前は客じゃない。払うまで空気でも食ってろ。他人の薬代を払う余裕があるなら、先に俺の店のツケを払ったらどうだ?」
「それは……あー……お、お前、それはないだろ! お前は人の命より、ツケが大事だっていうのか? それはないだろー」
「ツケを払ってもらわねえと店がつぶれて俺が死ぬ。この人でなしが。店が終わったら皿洗ってけ。皿を出した手間賃に皿にのってる空気代だ」
「空気代!?? リブ……そんな……冷たい……」
「温かいメシが食いたいならツケを払え。シグ、お前は怪我が治ったら一日店を手伝え。今日の看病代だ」

 しっかりしている男だ。しかし、さすがにそれは受け入れられず、シグダードは、カウンターに身を乗り出した。

「看病に代金がいるのか?」
「病院だって金とるだろ」
「そことは質が違うだろう」
「あのベッドじゃ不服で、金なんて払えねえか?」
「そうじゃない。感謝はしている。だから礼は言うが、看病代と言うのは払えない。だが……今日の礼として……一日くらい働いてやる……」
「丸いお前は気持ち悪いが静かでいいな」
「なんだと!」

 いちいちバカにした言い方にまた腹が立って、シグダードは、カウンターを叩いて立ち上がるが、足をついてしまい、痛みでその場にうずくまった。
 リブはそんなシグダードを見下ろしながらため息をつく。

「そんな体でいちいち暴れんな。怪我が治らなきゃ、こきつかえねえだろ」
「うるさい……」

 そう答えながらも、彼の言うことももっともだ。
 怪我が治らなければ、まともに動くこともできそうにない。早く帰ってリーイックに診てもらわなければと思ったところで、大事なことを思い出した。帰る道がわからない。

 内心焦り始めたシグダードに、ジャックが隣から聞いてきた。

「ところでお前、家はどこだ? 近いのか? その体で帰れんのかよ」
「それは……」

 体のことを言われ、ますます焦る。しかし、日が昇り、外を歩く人が増える前に屋敷に戻らなくてはならない。どうしようかシグダードが考えていると、不意に店のドアが開いた。
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